「夢の車」を手に入れるためのカーシェアリング活用術
2017/06/20
「いつかは……」なんて言ってるうちに人生は終わってしまう?
「いつかはあの車を所有してみたいものだ……」ともう何年も、下手をすれば何十年も、恋い焦がれ続けている人はけっこう多いかもしれません。
「あの車」、つまりその人にとっての「夢の車」はいろいろでしょうが、多くの場合はポルシェ 911だったりフェラーリだったり、あるいは往年の英国ライトウェイトスポーツとかだったりするのではないでしょうか。もしくは巨大排気量の古典的アメリカ車とか、2シーターのオープンカーとか、むか~しの360ccの軽自動車とか。
で、「いつかは……」という夢と目標を胸に生きるのはステキなことですが、残念ながら人間には寿命というものがあり、そうでなくても自動車を安全かつスムーズに運転できるのは、具体的に「何歳まで」とは言えませんが、「ある程度の年齢まで」と考えるべきでしょう。
ということは、ボヤボヤしていると「いつかは……」とか言っているうちに歳月だけが矢のように過ぎ、肝心の「いつか」は決して来ないまま、ドライバーとして引退する日がやってくるわけです。
古い流行語で恐縮ですが「いつやるの? 今でしょ!」という精神を持つことは、受験生のみならず自動車愛好家においても重要なのではないかと思う次第です。
しかし「夢の車」というのはたいていの場合「不便な車」でもある
とはいえ反論もあるでしょう。
「そうは言ってもキミ、僕はポルシェ 911を買うお金なんてないし……」
なるほどそれはわかります。ちなみに言えば筆者もありません。この場合はがんばってお金を作るか、あきらめるかの二択になります。お互いがんばりましょう。
またこんな反論もあるかもしれません。
「僕が買いたいと思っているのはそんなにバカ高い車じゃないし、それを買う程度のお金は持っているさ。……ただね、2シーターなんだよ(もしくは「古くて整備が大変な車種なんだよ」あるいは「巨大排気量で燃費が極悪なんだよ」etc.)。それを考えると、なかなか踏ん切りがつかなくてねぇ……」
それもわかります。要するに「夢の車」とは、絶対ではありませんが、往々にして「何かと不便な車」である場合が多いわけです。それ1台で生活するのは正直ちょっと大変だったり、かといってフツーの車を別にもう1台維持するのは(特に都市部では)金銭的にけっこう大変だったり。わかります。
実は車好きこそカーシェアリングを活用すべきなのかも?
……しかし最近筆者は思うのです。「お金がない」という場合は別として、単に「それ1台では不便だから」という理由だけで夢の車の購入を先送りし続けているのだとしたら、それってかなりもったいないんじゃないか、と。
なぜならば、近頃は「カーシェアリング」という便利なものがあるからです。
カーシェアリングについて今さら詳しい説明は不要でしょう。月々1000円ぐらい払って会員になると、15分あたり200円ぐらい、つまり1時間あたり800円ぐらいのコストで、必要なときに必要な分だけ、デミオとかスイフトとかの実用小型車を借りれるサービスです。ちなみにガソリン代の負担はありません。また「もうちょい上のクラスの車が借りたい」という場合は、上記コストがおおむね2倍になります。(※各社、条件や料金設定など利用における規定は異なります)
で、カーシェアリングというのは現在、たぶんですが「自動車愛好家」ではなく「非自動車愛好家」が主に活用しているのではないかと思います。「わざわざ高い月極駐車場代とか税金とかを負担してまで車を所有したいとは思わない」といった感じの層です。
それはそれで構わないというか、そういう人にとってこそカーシェアリングというのは素晴らしい仕組みなのだと思います。しかし実は、わたしやあなたのような自動車愛好家にとっても、カーシェアリングというのはけっこうナイスなものである気がしてなりません。
「趣味」と「実用」の完全分業体制を構築する!
考えてもみてください。例えばあなたにとっての夢の車が英国のMGBだったとします。往年のライトウェイトスポーツ、完全2人乗りです。
しかしながら、あなたは考えます。「MGBなぁ……。買えないわけじゃないけど、後ろに人、乗れねえしなぁ……。雨の日とか夏場とかも大変そうだし。あと、あんまり距離走ると整備代が大変なことになりそうだし。それを考えると、なかなか買えないよなぁ……。MGBの他にもう1台、ヴィッツか何かを維持するったって、その駐車場代が馬鹿になんないしなぁ……」
……気持ちはすべてわかりますが、そんなときこそ、そんなあなたにこそ、カーシェアリングです。
とりあえず1000円ぐらい払って会員になるのです。そして世俗的な用事が発生する際は、数百円とか数千円とか払ってカーシェアリングのスイフトとかを借り、世俗的な用事を済ませるのです。で、MGBの方は「乗りたいとき、あるいは乗れるときだけ乗る」というシステムでいくのです。
多少のコストはかかりますが、この仕組みを採用すれば2シーター車だろうがエアコンレス旧車だろうが、メンテナンス代がちょっと心配な車種だろうが、基本的には何も怖くありません。
もちろんこの仕組みにも欠点はあります。まず子育て世代には圧倒的に向かないですし、自家用車に乗るのが「たまに」ではなく「ほぼ毎日、自家用車をガンガン使っている人」にも不向きです。またカーシェアリングのステーションが近隣にあまりない地域にお住まいの人は、そもそも不可能です。
しかしそうでない人、具体的には都市部にお住まいのミドル/シニア層にとっては……意外とイケる作戦ではないかと思うのですが、どうでしょうか?
まぁあなたがこの作戦を採用されるかどうかは筆者にはわかりませんが、いずれにせよ、人生は短いです。何らかの策を練り、ぜひ乗れるうちに、乗りたい車をご購入されることをオススメいたします。
【例としてあげた“夢の車”】
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