自宅に充電設備なしで電気自動車 リーフを購入→半年乗ったから正直な感想をシェアする
2019/05/13
フナタン、リーフ買ったってよ!
こんにちは。自動車ライターのフナタンこと小鮒です。
実は、昨年10月末に日産 リーフを購入したワタクシ。
リーフとはなんぞや? という人に簡単に説明すると、リーフは日産自動車が販売する100パーセント電気で走るEV。電気自動車です。
2010年に初代モデルが登場し、2017年に2世代目へとフルモデルチェンジ。満充電で400km(カタログ上の数値)走行可能な40kWhの大容量バッテリーを搭載したタイミングで「これなら普通に使えるかなー」と購入しました。
それから約半年。気づけば1万kmを走破するというハイペースでミッチリ使い倒していますので、自腹で購入したからこそ言える本音のレポートをお伝えしますよ!
ちなみに、リーフの前に乗っていた愛車ノート e-POWERでもそんな記事を書いていますので、興味がある方はぜひ↓
こんなモデルを購入しました
今回、ワタクシが購入したのは、2018年6月に追加された特別仕様車「X 10万台記念車」です(現在は販売終了)。
これは中間グレードの「X」をベースに、ステアリングアシスト付クルーズコントロールである「プロパイロット」や「LEDヘッドライト」、「踏み間違い衝突防止アシスト」などの先進安全機能をはじめとした装備を標準設定としながら価格を抑えたもので、車両本体価格は370万7640円と、後からオプションで装着するよりもお買い得な仕様でした。
当初はベーシックなXグレードでいいかなーと思っていたのですが、なぜかXではプロパイロットとLEDヘッドライトを同時に装着できない謎仕様だったので(現在は全グレードでLEDヘッドライトが標準)、両立させるには「X 10万台記念車」か最上級グレードの「G」を選ぶしか選択肢がなかったのです……。
上から見下ろしたような映像が見られる「アラウンドビューモニター」は欲しいと思いましたが、自動駐車機能の「プロパイロットパーキング」とのセットとなり、「X 10万台記念車」には設定がそもそもありません。
「X」をベースにするとプロパイロットとは同時装着できないし、全部が標準装備の「G」を選ぶと30万円ほど高くなってしまうため泣く泣く断念したのでした。(もうちょっとオプションの選択に融通が利けばいいのに……)
で、乗ってみてどうなの? 航続距離は?
先述したとおり、このリーフを買うまではノートe-POWERを愛用していたワタクシ。
少なくとも満タンで800kmは走れていたノートe-POWERに比べると、リーフの航続距離は圧倒的に短くなってしまったのですが、詰まるところ大きな不便は感じていません。
実航続距離ですが、急速充電で70%程度充電ができていれば、およそ200km前後は走れそう、というのが日常的に使っていての感覚です。
また、電気自動車で重要なエアコン事情。とりあえず冬を越したので暖房についてだけシェアします。
こまめにON/OFFした方がいい(電気の消耗が少ない)ということも耳にしましたが、私はオートでONにしたまま過ごしました。
これは持論ですが、冷えた車内を適温まで暖めることに一番電力を使っていると思うので、常に快適な温度をキープしていた方が結局のところ消費電力は少ないと思うんですよね。そもそも寒さを我慢してまで航続距離を延ばすというのはしたくないし!
で、そんな使い方で、昨年末に都内~浜松までを往復しましたが、約500kmを走って充電は3回。そのうち1回は15分程度で切り上げていますので、休憩などの時間も考えればそれほどロスになったという感じはしませんでした。
ちょっと時間に余裕をもてば問題なし。ガソリン代がゼロになると思えばまったくもって許容範囲というのが正直な感想です。
給油じゃなく「充電」ってめんどくさくない?
さて、ここまで読んで「電気自動車良いなぁ。うちにも充電設備があったら……」と思ったアナタ!
実は、しがない借家のワタクシ宅には当然ながら充電設備はございません!! というか付けられません。
つまり、外部(一般施設)の充電器が命綱。月額2000円で、対応急速充電器が使い放題となる「ZESP2会員」です。
幸いなことに、我が家は日産の地元・神奈川県。自宅から車で5分程度のところにディーラーがあり、そこが埋まっていても5km圏内に7基もの急速充電器がある環境のおかげで、自宅周辺で充電に困ったことはありません。
夕方などの帰宅時間帯や、金曜日の夜などは埋まっている率も上がりますが、仕事柄(フリーランス!)混んでいる時間帯を避けて充電できるので、ストレスはほとんどありません。
「30分もかかるんでしょ……」とよくいわれますが、メールをチェックしたり、SNSをチェックしたり、テレビを見たり、YouTubeを見たりしていればあっという間。たまに車から降りて周囲を散策してみたりして、意外と有意義な時間なんですよね。
忘れちゃいけない補助金は?
そして皆さんが気になる補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)!
私は2018年度の申請に間に合ったので、40万円満額が支給されました。ただ、執筆時点で2018年度の予算は終了しており、4月22日から2019年度の申請が開始されたようです。
2019年度もリーフは40万円で、航続距離の伸びた「e+」も同額、航続距離が350kmに下がるNISMOは30万円のようでした。(実際に購入を検討される際は、次世代自動車振興センターのWebサイトなどで最新の情報を確認してくださいね)
なお、私は、この補助金を頭金としてディーラーでローンを組みました。補助金が支払われるタイミングで頭金分が引き落とされるという変則的なパターンでしたが、こういった支払い方法も選べると思いますので、金額面で迷っている人はお店で相談してみることをオススメします。
ちなみに、購入した当時のタイミングでは、モニターキャンペーンや、先進装備装着車のキャッシュバック、完成検査問題のお詫びキャッシュバックなどなどがあり、何だかんだ補助金を含め総額63万円がキャッシュバックされました!
こういったキャンペーンは地域や店舗によっても異なるようなので、情報収集は欠かさないようにするのがお得に購入する第一歩かもしれませんね。
まとめ
ということで、リーフについては、おおむねどころか大満足です!
……ただ、不満がゼロというわけではありませんので、そこについても正直に。
まず、インテリジェントモビリティとか言っておきながら、ETC2.0の設定がありません。圏央道ユーザーのワタクシは割引の恩恵が受けられるETC2.0は地味にメリットだったのでショックです。
また、純正ナビがいまだに7インチというのも残念ポイントでしたね。
通信機を内蔵していたり、充電スポット検索ができたりと電気自動車向けの機能が含まれているため便利ではあるのですが、拡張性が皆無なのが少々不満。(ちなみにロアグレードの「S」なら純正ナビレスとなるため社外品を装着できますが、プロパイロットなどが選べないという致命的な欠点があるので、選択肢に入りませんでした)
あとは、電気自動車であるにも関わらず、1500wのAC100Vコンセントの設定がないということ。大きなバッテリーを搭載していても、それを取り出す方法がなければ宝の持ち腐れ。V2H(Vehicle to Home)機器がなくても家電が使えるようにしてくれれば、有事の際はもちろん、アウトドアレジャーでも大活躍できるし、移動書斎としても使えると思うんですけどね……。
が!
これらの不満を飲み込んでも、大満足!! というのもまた本音。
走りは、モーター駆動ならではの俊敏なレスポンス。ノートe-POWERのワンペダルドライブを進化させたe-Pedalは停止保持までしてくれるのでラクラクですし、単調な高速道路の移動はプロパイロットがほぼカバーしてくれるので、長距離移動の疲労感も圧倒的に減少しています。
ぶっちゃけ月々のローン支払額は増えましたが、燃料代(電気代)が2000円定額となったので、トータルの出費はほとんど変わっていません!
これが、半年乗ったオーナーのリアルな感想です。
中古車の流通も執筆時点で500台以上となり、いよいよ満足に選べるタイミングかと思います。購入を検討される方は、ぜひ、ご参考までに。
(※2020年5月追記)ZESP2→3で変わったこと
……以上が、約1年前に「半年」乗った感想でしたが、さらに1年が経過した2020年にこの記事をお読みいただいている皆さまに補足です。
2019年12月15日に「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」(以下、ZESP)が「ZESP2」から「ZESP3」に改定されました。「ZESP2」は月額2,000円(税別)で急速充電器使い放題という設定がされていましたが、新しい「ZESP3」では充電し放題のプランは消滅。従量課金制の4つのプランの中から選ぶことになるそうです。
月額基本料金は「シンプル」が500円、急速充電10回が無料となる「プレミアム10」が4,000円、急速充電20回が無料となる「プレミアム20」が6,000円、急速充電40回が無料となる「プレミアム40」が10,000円と、 無料充電回数付きプランの中で、一番安いプレミアム10ですら「ZESP2」時代の倍という金額ですね……。
一応、定期契約で月額1,500円割引という割引も用意されているのですが、こちらはなぜか車検単位の2年ではなく3年契約で中途解約すると契約解除料が12,000円かかるという、なかなかシビれる設定となっています。
一口に1回10分の急速充電といっても、充電器の出力やバッテリーの温度に残量、そして外気温など様々な外的要因によって充電できる量は変わってきてしまいます。そのため、明確なコストを計算するのは難しいのですが、日産のEV BLOGに試算が載っていました。
これによると、自宅充電なしで月間走行距離の1875.3kmを走行するために、急速充電11回(300分)&外出先での普通充電5回(1,370分)の充電を行った場合、それぞれプレミアム10で10,450円、同20で8,250円 、同40で9,350円(すべて3年定期割引込の金額)がかかるという結果になっています。
つまり、月額2,000円のZESP2時代から比べると、ZESP3時代は月間1875km走ると約4~5倍のコストがかかるということになりますね。こちらの追加情報もご参考までに。
※2019年5月13日に公開した記事へ、2020年5月27日に追記しています
▼検索条件
日産 リーフ(2代目・現行型)×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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