ルノー トゥインゴ ▲「車が欲しいと思ってはいるけど、デザインとかの面で納得いく選択肢がないかも……」とお嘆きの女性諸氏にお伝えしたい。「輸入車の中古車に目を向けてみれば、そこは素敵なデザインが選びたい放題の楽園ですよ!」と

輸入車は細かいところまで(必然的に)いちいちおしゃれ

「車といえば男性のモノ」というのは何十年も前の昭和の話で、今や女性も通勤や買い物、あるいは家族の送迎などのためガンガン車を所有し、そして運転する時代です。

それでも今なお残る問題は、「満足できるデザインの車が少ない」ということかもしれません。

妙におっさんくさかったり、あるいは「女性はこういうのが好きなんでしょ?」みたいな感じで男(自動車会社のおっさん)が考えた、ピントはずれな「女性向けデザイン」だったり……。

しかし国産車ではなく「輸入車」に目を向けてみると、そこは「いい感じのデザイン」の宝庫であることに気づきます。

なぜ国産車のデザインや色はパッとせず、輸入車のそれはしゃれているのか? 筆者は比較文化論の研究者ではないので細かいことはわかりませんが、要するに「歴史の違い」なのでしょう。

ご承知のとおりヨーロッパ製の雑貨は、安価な普段使いのモノでもいちいちおしゃれというか、デザイン的に「いい感じ」です。

もちろん日本のそれも、ここ最近はクオリティが上がっていますが、あくまでそれは「ここ最近」の話。

「普段使いのモノや服であっても、そのデザイン性にはこだわる」という姿勢がとことん染み付いているヨーロッパ人が作る車は、実用的なコンパクトカーであっても「必然的にいちいちおしゃれ」ということになるのでしょう。
 

▲ルノー トゥインゴ▲これはヤラせというか「ちょっと作り込みすぎ」な写真ではありますが、おしゃれなのは確か。ちなみに写真の車はフランスのルノー トゥインゴという車です
 

「でも輸入車って高いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。

いや、もちろん新車の輸入車は国産車よりずいぶん高いのですが、「中古車」であれば、国産新車を買うよりもむしろ割安だったりします。

具体的には総額100万円台までの予算感で、けっこういいやつが普通に探せるものなのです。

ということで、国産車とはずいぶん違うニュアンスのおしゃれ感を有していて、なおかつ総額100万円台までの予算で十分イケる、あまり古くない年式の輸入車10選を以下、ご紹介いたします。

ちなみに「他人とあまりカブらずに済む」というのも、こういった輸入車を選ぶべき理由のひとつかもしれませんね。

なお、あくまで一般論として「幅が広い車の運転はちょっと苦手かも」という女性もいらっしゃるかと思い、以下に紹介する輸入車は「普段使いで取り回しに苦労しない全幅1800mm以下のモデル」に限定しました。

そんな10モデルを「全幅が狭い順」にご紹介いたします!
 

フィアット 500(現行型|全幅1625mm)

▲フィアット 500▲2008年に発売され、現在も新車として販売されるのイタリア車、フィアット 500
 

アニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』で主人公が乗る劇中車として使われた往年のイタリアンコンパクトを、現代の技術とセンスで作り直したイタリア製の小型車。

全体のフォルムも、そして目ん玉(ヘッドライト)も丸~い車なのですが、決して甘ったるい感じのデザインにはなっていないのが「さすがはトリノの車!」といったところでしょうか(フィアットという会社の本拠地はイタリアのトリノなのです)。

「カワイイけど甘々ではない」というのは、インテリアも同様です。

ボディカラーと同じ差し色を随所に配した色使いや、細かなスイッチ類の凝ったデザインは、言ってはなんですが「お茶の間感」もある国産コンパクトカーとはちょっと次元が異なるセンスだと言えます。

小さな車ではありますが、決して「小さすぎる」ということもありませんので、ちょっと多めの買い物にも、家族や知人の送迎に使うのにも向いています。

またシャキシャキ気持ちよく走れる車ですので、シンプルに「運転自体も楽しみたい!」という人にも向いているでしょう。

全体のテイストとしては、「カワイイ感じのモノが好きだが、決してゆるふわ系が好きなわけではない」という女性に似合う気がします。

エンジンは1.2Lと1.4Lの4気筒に加えて、0.9Lの2気筒というちょっと変わった方式のモノもあります。個人的なオススメはこの0.9Lの2気筒なのですが(とっても気持ちいいエンジンなんです)、まぁ普通に乗る分にはどのエンジンでも構わないと思います。

ただ、いろいろな意味で「ちょっとだけエンジンパワーの余裕が欲しいな」という人は、1.2Lは避けた方がいいかもしれません。

現在の中古車相場は総額40万~280万円と幅が広め。

100万円以下でも走行距離5万km以下の物件を探せますが、総額150万円前後のゾーンまで予算を広げると2016年1月以降の後期型を狙うことができます。

カラーバリエーションは豊富ですが、中には流通量の少ない色や限定モデルなどもあります。そういった物件は人気が集中しがちですので気に入ったものがあれば、早めに問い合わせをしてみるのがいいでしょう。
 

▲フィアット 500▲ファンシー系ではあるのですが、決してファンシーすぎない「寸止め」なデザインセンスがナイス。ボディと同じ色をインテリアに差し色として使っています

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フィアット 500(現行型) × 総額199万円以下

フォルクスワーゲン up!(現行型|全幅1650mm)

▲フォルクスワーゲン up!▲泥棒さんのヒゲのような(?)黒いリングが特徴的なフォルクスワーゲン up! 後ほどお見せする「お尻まわりのデザイン」もなかなか秀逸です
 

ドイツのフォルクスワーゲンが作る車の中では「いちばん小さいモデル」として、日本では2012年9月に発売された4人乗りのコンパクトカーです。

ミニマムサイズの車であるため、装備類は同クラスの国産コンパクトカーと比べて簡素なのですが、その分、走りはかなりの本格派。この小さなサイズであることがちょっと信じられないぐらい「しっかりしてる感じ」の走行感覚となります。

デザインは、いわゆる「女子っぽい感じ」を狙った部分は皆無で、基本的にはユニセックスなシンプル系。

しかし、昔のコントに出てくる泥棒のヒゲのような(?)フロント部分の黒い縁取りと、ぷりっとしたお尻を黒で効果的に締めているリアまわりのデザインは、ちょっとカワイイと言えそうです。

小さめな車ですので、「高校のラグビー部に所属しているガタイのいい息子を乗せる」みたいな使い方にはあまり向いていませんが、「自分1人+小学生までの子供1~2人」ぐらいで使う分には何ら問題なし。

甘さ成分少なめのデザインゆえ、いわゆる「カッコいい女性」に似合う車だと思いますが、ガーリーな(←言葉の使い方、合ってますかね?)感じのお若い女性が乗っても意外とマッチしそうな気がします。

中古車相場は総額30万~240万円ぐらいですが、高い方の物件は「GTI」というちょっとスポーティなグレードが大半を占めます。

一般的なグレードであれば、総額50万円前後の予算でもまずまず好条件な中古車が探せます。

90万円くらいまで予算を上げられれば、2015年6月以降の燃費性のがアップしたものがオススメです。
 

フォルクスワーゲン up!▲いさぎよい絶壁に、ちょっとトボけた感じのテールレンズを合わせ、そのうえで全体を黒で締めるという高度なデザインテクにより(?)、得も言われぬ味わいが醸し出されているup!のお尻まわり

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フォルクスワーゲン up!(現行型) × 総額199万円以下

ルノー トゥインゴ(現行型|全幅1650mm)

ルノー トゥインゴ▲2016年9月から販売されている現行型ルノー トゥインゴというフランス車。入り組んだパリの街を走る車ですから、小回りはとってもよく利きます。フランスモノならではの色使いと、「キャンバストップ」も素敵
 

フランスのルノーという会社が昔から作っているコンパクトカーの最新世代です。筆者のようなカーマニアの視点から言うと「前ではなく後ろにエンジンを積んでいるがゆえの走行感覚が面白い!」という車です。

しかしそれはそれとして、非マニアな方にこの車をアピールするとすれば、やはりフランスモノならではの「絶妙なカタチと色が素晴らしい!」ということになるでしょう。

何気ない感じに見えて、やはり国産のコンパクトカーとは「何かが違う……」と感じさせるボディ曲面の処理もさすがですし、同じ水色や黄色でも、フランス人が調合するとなぜ、こんなにも素敵な色合いになるのでしょうか?

その理由は今ひとつ不明ですが、個人的にはVERT PISTACHE(ヴェール ピスタッシュ)という、「硬い殻に包まれたピスタチオの淡いグリーンの実」をイメージしたというボディカラーが大好きです。

まぁ筆者の好みはどうでもいいとして、「パリっぽい方向性のモノやコト」がお好きな人であれば、間違いなくこの車にマッチするはず。

また走りもけっこう元気がいい感じですので、「運転自体が好き(どんくさい車はちょっと……)」という人にも、向いている車だと思います。

現在の中古車相場は総額110万~200万円ぐらいですが、底値に近い110万~130万円付近でも比較的程度の良い走行距離3万km以内の物件が十分探せます。

お好み次第ではありますが、屋根が電動開閉式のキャンバス地となる「キャンバストップ」にすれば、ちょっとした移動も開放的な気分を味わえる特別な時間になるでしょう
 

ルノー トゥインゴ▲良い意味で「おもちゃっぽさ」があるトゥインゴのインテリア。ボディ同色の差し色もいい感じです

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ルノー トゥインゴ(現行型) × 総額199万円以下

スマート フォーフォー(現行型|全幅1655mm)

スマート フォーフォー▲2015年10月に発売されたスマート フォーフォー。上のルノー トゥインゴとは、車台を共用する「姉妹車」という関係
 

こちらのスマートというのは、現在は「メルセデス・ベンツの別ブランド」のような立ち位置になっていますが、もともとは時計のスウォッチ社とメルセデス・ベンツのジョイントベンチャーとして始まった小型車専用ブランドです。

で、今売られている現行型の「スマート フォーフォー(smart for four)」というのは、読んで字のとおり4人乗りのコンパクトカーで、前出の現行型ルノー トゥインゴとは車としての基本部分を共用している「姉妹車」の関係になります。

それゆえ、こちらもトゥインゴ同様の「コンパクトなサイズ感」と「元気のいい走り」が魅力となるわけですが、デザイン面では、こちらスマート フォーフォーの方が「ややユニセックス寄り」と言えるでしょうか。

「フランスのトゥインゴは確かにカワイイけど、もうちょっと甘さ成分控えめなデザインの方が好き」という人には、スマート フォーフォーが向いているかもしれません。

現在の中古車相場は総額80万~260万円といったところ。底値はトゥインゴより安く、高値なものはトゥインゴより高い――といった感じです。

そして総額90万円前後の底値圏でも、走行距離2万km以内という好条件の中古車が流通しています(ただしグレード的にはベーシックな「パッション」というものになりますが)。
 

スマート フォーフォー▲姉妹車のトゥインゴと比べると、インテリアのデザインセンスはこちらの方がちょい上級志向かも?

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スマート フォーフォー(現行型) × 総額199万円以下

アルファロメオ ミト(初代|全幅1720mm)

アルファロメオ ミト▲こちらがアルファロメオ ミト。ボディの複雑な面構成は、まるでモダンアートのよう?
 

ミト(MiTo)は、イタリアのアルファロメオが2009年から2018年まで作っていた、ちょっと個性的なデザインのコンパクトカー。

ちなみに「MiTo」という車名は、アルファロメオの本拠地である「ミラノ」と、生産地であった「トリノ」の頭文字をつなげたものです。

写真ではけっこう小さな車に見えるかもしれませんが、ミトのサイズは後述するミニよりやや大きいですし、ホンダが作っているフィットよりも一回り大きいサイズとなっています。

そのため、「とにかく小さめな車が欲しい!」という人は少しだけ注意が必要です。

しかしその分というかなんというか、「デザイン性」に関してはこれがピカイチかもしれません。

ボディの各パネルや細部はまるでイタリアの現代アート作品のようであり、インテリアの造形センスも……なんという言葉が適切かはわかりませんが、たぶん「セクシー」という表現が最も妥当と思われる、素敵なデザインおよび質感です。

しかしそれでいてフロントマスクはけっこう愛嬌があるギャップ感が、この車のカワイイ点かもしれません。

エンジンの感触と足回りは、イタリア車の伝統にならって非常にスポーティな感じ。

そして人と荷物を載せるのもそれなりに得意な車ですので、「何かとアクティブな、それでいて持ち物の都会的なセンスの有無にはこだわりたい」という人にかなり向いている車かと思われます。

中古車相場は、総額50万~260万円ぐらい。しかし総額90万~130万円ぐらいのゾーンで、走行距離少なめの物件が十分探せます。
 

アルファロメオ ミト▲インテリアはスポーティでシュッとしてる感じ。基本的には男っぽい世界観のデザインですが、この空間に女性が収まると「いい感じのミスマッチ」が生じて面白いのではないかと

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アルファロメオ ミト(現行型) × 総額199万円以下

ミニ ミニ(現行型|全幅1725mm)

ミニ ミニ▲輸入車コンパクトカーの中でも抜群の知名度を誇るミニ。今回オススメするのは今、新車でも売られている現行型(第3世代)です
 

往年の英国車である「ミニ」を、ドイツのBMW社が現代の世によみがえらせた人気コンパクトカーの最新世代。

現代のミニは内外装の細かい部分から広告のビジュアルまで、とにかく「デザイン」に関しては世界でもトップレベルにこだわっているブランド。

それゆえ、実用小型車の世界ではありがちな「なんかこの部分のデザイン、ちょっとダサいかも……」と感じてしまう箇所は皆無といえます。

「スポーティな感じのデザインはちょっと苦手」という人は別ですが、そうでなければ、小さなボタンひとつに至るまで「デザインに関する不満」は絶対に出ないはずの車です。

そして現行型のミニは、その前までの世代と比べて車全体の「がっちり感」みたいなものが段違いにレベルアップしています。

そのため、カーマニアはその運転にマニアックな喜びを見いだすわけですが、マニアではない人も、そのがっちり感を「余裕」「安心」「運転しやすさ」といった形で享受できるでしょう。

ミニという車は「いわゆる○○女子に向いてます!」みたいなカテゴライズは特になく、地球上の全女性に似合う車ではないかと思いますが、強いていえば「おっとり系ではない女性」に似合うのかもしれません。

ただ、おっとり天然系の女性がコレに乗るのも、個人的には「意外と似合うんじゃないか?」と思っているのですが。

グレードはざっくり分けて「ワン」「クーパー」「クーパーS」の3種類で、クーパーとクーパーSは軽油を燃料とするディーゼルエンジンも選べます。

もっとも強力なのはクーパーSまたはクーパーSDというグレードですが、現行型ミニの場合は、ベーシックな「ワン」でもパワー的な不満はほぼ感じないはずです。

また、3代目となるこの現行型から5ドアモデルが追加されました。流通台数は3ドアより若干少ないくらいで選択肢は豊富。

ただ、価格は5ドアモデルの方が若干高くなっているので、普段の使い方を考慮して選んでください。

モデル全体の中古車相場は総額90万~450万円とかなり上下に幅広いのですが、総額150万円前後で十分、好条件なワンまたはクーパーを探すことができるでしょう。
 

ミニ ミニ▲細かなスイッチまでいちいちこじゃれているのがミニの特徴。特にこの写真の真ん中に写ってる、エンジンをON/OFFさせるための赤いスイッチ! なんなんですか、このおしゃれっぷりは!

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ミニ ミニ(現行型) × 総額199万円以下

プジョー 208(現行型|全幅1740mm)

プジョー 208▲2012年11月から現在に至るまで販売されている、プジョー 208というフランス車。プジョーのラインナップの中では現状、最もコンパクトなサイズのモデルです
 

「208」は、自転車やコーヒーミルなども作っているフランスのプジョーというメーカーが作っているコンパクトカー。

内外装のデザインにも、そして性能面にも「派手な部分」は特にありませんが、その分だけ「浮足立っていない落ち着き感」みたいなものを堪能でき、また周囲にそれをアピールすることもできる1台です。

GTiというちょっと過激なグレードもランナップされているプジョー 208ですが、普通に使う分には3ドアの「アリュール」か、5ドアの「プレミアム」または「シエロ」がオススメです。

ただし3ドアのアリュールは、トランスミッションが「5MTのみ」というちょっとマニアックな設定です。

そして2014年1月から2015年10月までのアリュールとプレミアム、シエロには「ETG5」という変速機が採用されていて、これの感触が苦手だという人もけっこういますので、カーセンサーnetに「5AT」と表示されている中古車を探す場合は、そこに少々ご注意ください。

また、「過激なGTiはいらないけど、ちょっとパワーがある車の方が好き」という場合には、ターボ付きエンジンを搭載した「GT」か、その内装をちょっとゴージャス系に振った「XY」というグレードがいいかもしれません。

中古車相場は総額50万~240万円といったところですが、中古車として何かと好バランスなのは総額90万円前後の4速AT搭載グレードでしょう。
 

プジョー 208▲グレードや年式によっていろいろ違うは違うのですが、プジョー 208のインテリアはおおむねこんな感じのデザインテイストです

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プジョー 208(現行型) × 総額199万円以下

アウディ A1スポーツバック(初代|全幅1745mm)

▲ドイツのアウディが作っているA1スポーツバック。現在は2019年11月デビューの2代目が新車として販売されていますが、今回オススメしたいのは、2012年から2019年途中まで販売された初代A1スポーツバックです
 

「都会的」「知的」「上質」といったイメージが強い輸入車といえば、ちょっと前まではドイツのBMWがその筆頭だったと思われますが、最近では同じドイツのアウディの方が、もしかしたらブランドイメージは上かもしれません。

「A1スポーツバック」は、そんなアウディがリリースしているプレミアムコンパクトカーです。車名の「スポーツバック」というのは、「5ドア(前後左右のドア4枚+リアハッチゲート1枚)」であることを意味しています。

現在は2019年11月に発売された2代目のA1スポーツバックが新車として販売されていますが、そちらは中古車でもまだ高額なため、「総額100万円台まで」という今回の設定予算で狙えるのは、2012年に発売された初代モデルになります。

アウディとしては最も小さいサイズの車ではありますが、パッケージングの工夫により後席も(大柄な人でない限り)割と快適に座れますし、チャイルドシートの装着も問題なし。

また、すべてのアウディ車に共通する「都会っぽさ」「知的な感じ」「何かと上質である」という個性は、このコンパクトカーにも十分息づいています。

A1スポーツバックが似合う女性は、ズバリ「セレブっぽい人」でしょう。いや、より正確に言うなら「これに乗ると誰もがセレブに見える」という感じでしょうか。

お若い女性がA1スポーツバックを運転していれば「ご令嬢」に見えますし、アラウンドサーティあるいはアラウンドフォーティぐらいの方であれば「どこぞのマダム」に見えます。

そういった世界観がお好みの方にはうってつけな1台であり、いざ走らせても(アウディですから当たり前なんですが)しっかりとした、かつしなやかな感じの、素晴らしい走りを披露してくれます。

中古車相場は総額80万~270万円と上下に幅広いのですが、総額120万円前後のゾーンに走行距離4万km以内のお値打ちな物件が揃っています。
 

アウディ A1スポーツバック▲小さな車であるアウディ A1スポーツバックですが、インテリアのレザーや各部品の組み付け精度は、ちょっと信じられないぐらい精密というか上質です。ぜひ一度、実物を触ってみてほしい!

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アウディ A1スポーツバック(初代) × 総額199万円以下

シトロエン C3(現行型|全幅1756mm)

シトロエン C3▲フランスのシトロエンという、ちょっと個性的な自動車メーカーが作っている「C3」というコンパクトカーの現行モデル。コンパクトカーに、今流行りの「SUVテイスト」を上手に取り込んでいます
 

今、一番人気のジャンルである「クロスオーバーSUV」のテイストを輸入コンパクトカーで、なおかつ比較的お手頃な予算で味わうとすれば、もうこれしかないでしょう。

フランスのシトロエンというメーカーが歴代作っている「C3」というコンパクトカーの現行モデルです。

それまでのシトロエン C3は「ごくオーソドックスなデザインの小型ハッチバック」という感じだったのですが、2017年に登場した現行型は、突如「クロスオーバーSUVっぽい造形」へと思いっきり変身。

しかしそれが「ものすごくいい感じ!」ということで男性カーマニアの間で大人気となったのですが、このデザインは女性ユーザーにもかなりハマるのではないかと確信しています。

ボディの側面にある「エアバンプ」という黒いイボイボのようなものは、軽い接触からボディを守るためのものなのですが、コレがデザインとして効いており、いわゆるギアっぽい感じ(道具っぽい感じ)を引き立ててくれています。

スポーティ系のファッションや趣味を好む女性には、とてつもなく似合うでしょう。

ただ、前述のエアバンプはベーシックなグレードである「フィール」にも付いているのですが、C3のもうひとつのデザイン上のキモである「バイトーン(ボディと屋根の色が2トーンになる仕様)」が標準設定されるのは上級グレードの「シャイン」ですので、もしも2トーンがお好みでしたら「シャイン」の方を探してみてください。

デビューからまだあまり期間がたっていないので中古車相場は総額150万~260万円ぐらいと、最安値帯は他の紹介モデルと比べて若干お高い感じ。

しかし総額180万円前後なら、低走行の物件を探すことが十分可能です。
 

シトロエン C3▲写真のボディカラーは「アーモンドグリーン」。フランス車は、とにかく色味が絶妙ですね

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シトロエン C3(現行型) × 総額199万円以下

BMW i3(現行型|全幅1775mm)

▲BMW i3▲エンジンではなく電気で走る車、BMW i3です
 

もしもあなたが「地球環境のために、ハイブリッド車とかに買い替えようかな?」と考えているとしたら、この際いっそのことEV(電気自動車)まで突き進んでしまうのはどうでしょう。

そんな環境意識の高い人にオススメなのが、ドイツのBMWが作っている「i3」という電気自動車です。

日本では2014年の4月に発売されたBMW i3は、全長約4mのコンパクトな4人乗りモデル。ドアは左右とも「観音開き」ですので、後席の乗降も非常にラクな車です。

初期モデルは1回の充電で約130~160kmの走行が可能で、「ECO PROモード」を選択すれば約180km、「ECO PRO+モード」を選べば約200kmまで航続距離を延ばすことができます。

2016年9月には一部改良が行われ、充電1回あたりの後続距離が390kmまで延び、「レンジエクステンダー」という小さな補助エンジンが付いた仕様であれば、約500kmを無充電・無給油で走行できます。

デザインはコロッとしたボディにシュッとした顔つきで「ブサカワイイ」という感じかもしれませんが、そこが逆にこの車のいいところというか、「愛嬌」といえる部分かもしれません。

少なくとも筆者はこの顔とフォルム、かなり好きです。

もしもご自宅に電気自動車用のコンセントがあれば(※新たに設置する場合は、補助金が出るケースが大半です)、BMW i3の維持費は超絶リーズナブル。

環境意識が高く、なおかつシビアなコスト感覚もお持ちの方は、これ一択でしょう。

流通台数が100台未満ということもあって、100万円台で狙える物件は限られます。

しかし、近距離移動をメインとして使われるシティーコミューターという特性上、走行距離はおおむね5万km以内。

レンジエクステンダー装着車を手に入れられればお得度は抜群です。

▲BMW i3▲i3の左右ドアはこんな感じの「観音開き」。乗り降りしやすいというのもありますが、なんとなくSF的で近未来感のある雰囲気も◎

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BMW i3(現行型) × 総額199万円以下
文/伊達軍曹、写真/ルノー、フィアット・クライスラー、フォルクスワーゲン、ダイムラー、BMW、プジョー・シトロエン、アウディ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。