ノート e-POWERを買ってから1年半。約2万km乗ったリアルオーナーが今買おうとしている人に伝えたいこと
2018/09/30
2018年上半期登録車販売台数No.1!
オーナーが語る日産ノートのあれこれ
「2018年上半期登録車販売台数No.1」という事実が証明しているとおり、今売れに売れまくっている日産ノート。
ヒットのきっかけとなったのは2016年11月のマイナーチェンジ時に追加された「e-POWER」という新たなパワートレインをもったグレードでした。
このe-POWERとは、日産が先行して販売していた電気自動車リーフの技術を応用したもので、車を動かす動力源としてはモーターを使用し、そのモーターを動かす電気を作るためにエンジンを発電機として回すという仕組み。
そのため、厳密に言えば「ハイブリッド車」に分類されますが、100%モーター駆動のトルクフルな走りを煩わしい充電いらずで楽しめる車なのです。
そして実は、この記事を執筆しているワタクシもその「e-POWER」を買ったひとり。
今回は、リアルにノート e-POWERオーナーであるワタクシが、実際に所有して感じたあれこれを包み隠さずお伝えしてしまいますよ!
e-POWERの燃費ってどうなのよ!?
ノートe-POWERのカタログ燃費は34.0km/L(e-POWER X)となっていますが、「実際どうなの?」と気になる方は多いでしょう。
これはあくまで一例ですが、私のベスト燃費は短い距離でリッター30km超え。しっかり走って出たベストは、コチラの数値です↓↓
ハイブリッド車の燃費を伸ばすうえでキモとなるのが、どれだけ回生ブレーキで電気を回収できるかという点ですが、e-POWERはいくらブレーキペダルを踏んで減速したところで一切回生してくれないのです。
実は、e-POWERの特徴であるアクセルペダルのみの操作「e-POWER Drive」でアクセルをオフしたときのみ回生ブレーキがかかるようになっており、フットブレーキでの減速はただただ熱エネルギーを捨てているだけとなってしまいます。
そのため、ワンペダルドライブをマスターしないといつまでたっても燃費は向上しないという寸法。
ですから、アクセルをガーッと踏んで加速して、ブレーキをどーんと踏んで減速するような走りでは一向に燃費は良くなりません。
つまり、ふんわりアクセル、じんわり(回生)ブレーキという、燃費走行の基本に則した走りが一番燃費は良いというワケ。e-POWERが登場したばかりのとき、試乗会などでの燃費の数値が悪かったのはこういう理由があったというわけなんですね。
ちなみにモーターは高速走行がニガテ。そのため、100km/hを超えるような高速巡行ではあっという間にバッテリーがなくなり、発電のためにエンジンがフル稼働する状態となってしまいます。
経験則から言って、まあまあ流れている首都高速のようなシチュエーションが一番燃費が良く、上記の写真のような数字もマークしました。
つまり「e-POWERを買えば、ガソリン代が圧倒的に減る!」というわけではなく、乗り方、とくにe-POWER DRIVEとの相性が燃費を左右するといえるでしょう。
で、不満はないのかい?
e-POWERというシステムについてはほぼ満足していたワタクシですが、そもそもが2012年に登場した車種ということで致し方ない不満点もあり、他社の同クラスモデルと比べて見劣りする点も存在します。
まずはラゲージスペース。トランクに載せた荷物の目隠しとなるトノカバーの設定がありませんでした。
そのため、筆者はトノカバーを海外仕様のノートのオプション品を個人輸入し、内装のトリムをトノカバー対応のものに変更するという大工事を実施しています。しかし、2017年9月に行われた改良でトノカバーのオプション設定が追加となり、内装トリムもトノカバー対応のものになるという結果。ぐぬぬ……。
ナビも7インチワイドサイズまでしか対応しておらず、大画面のものは装着NG。今や必須アイテムとなりつつあるUSBアダプターもコンソールまわりにビルトインできるようなものは用意されておらず、ナビ裏からだらしなくコードをひっぱらなければなりません。
さらにe-POWER用の電制シフトを採用したためシフトベースが高くなり、その奥のカップホルダーが非常に使いにくくなってしまうという残念な結果。
他にも初期型e-POWERユーザーとして残念というか悔しかったのが、前述の2017年9月の改良でトノカバー関連の他にアダプティブクルーズコントロールが設定されたこと。
初期型は普通のクルコンすらなかったのに、いきなり追従型になるなんて……。30km/h~100km/hの間でしか使えないんじゃいらないかなーと強がりを言うのが精いっぱいでした。
さらに今年の7月には4WD仕様も追加され、雪国の人ですでに購入してしまった人も悔しい思いをしたんじゃないかしら……。
中古で買うなら何が良いのよ?
さて、こんな私の体験談をもとに(?)、ノート e-POWER購入希望者向け、バイヤーズガイドをお送りいたします!
ノートe-POWERには大きく分けて3つのラインナップが存在します。
まずは標準的なラインの「e-POWER S」と「e-POWER X」、そして上級仕様の「e-POWER メダリスト」。そして、オーテックジャパンが手がけるひと味違うモデルとして「シーギア」と「モード・プレミア(2018年7月の改良でAUTECHに統合)」、最後にNISMOブランドのスポーツグレード「e-POWER NISMO」という感じ。
まず、『燃費のいいコンパクトカーが欲しい』と思っているアナタ。
前述したとおり、燃費の良し悪しはe-POWER Driveに馴染めるかどうかで大きく変わってくるので、まずは実際に乗ってみることをオススメします。どうしても馴染めない場合は、アクアやフィットハイブリッドという選択肢もありますよ。
e-POWER Driveに馴染めそうだというのであれば、「e-POWER X」が装備と価格のバランスが取れていてオススメです。
エマージェンシーブレーキは全グレードで標準装備ですから安心感もありますし、ちょうどディーラーの試乗車アップが出てくるタイミングでもあるので、見比べることもできそう。
価格帯も総額で150万円を切るくらいから狙えて、買い得感がありますね。もし、アダプティブクルーズコントロール付がいいということであれば、そこに15万~20万円くらいプラスすれば改良後モデルも射程圏内です。
▼検索条件
日産 ノート e-POWER X×全国『コンパクトカーといえども走りにこだわりたい』というアナタには、NISMOモデルがオススメ。
価格はグッと上がり、総額220万円くらいから。専用パーツに専用エアロパーツも装着されますからこの価格差はやむを得ないところではあります。
実は、NISMOにはオプションでレカロシートの設定があるのですが、レカロシート装着車でもそれほど大きく価格差はなさそう。新車時に注文すると約30万円ですから狙う価値はありますが、かなり台数は限られてしまうでしょう。
▼検索条件
日産 ノート e-POWER NISMO/NISMO S×全国続いて、筆者の赤裸々な体験記を読んで、『同じグレードが欲しい!』と思ったアナタ。
筆者の愛車「モード・プレミア」は、2018年9月末現在でも20台前後しかヒットしない希少グレードですが、価格は総額180万円~と意外にも手ごろ感があります。
専用エクステリアや専用シートなど特別感も文句なしですね。
また、NISMOと同じチューニングが施されるツーリングパッケージ装着車も存在し、こちらでも総額190万円~とNISMOに比べるとお買い得な感覚。
ただし、記載がない場合もあるので見極めが必要。特別エンブレムが追加されるわけでもなく、純正ホイールが16インチとなるくらいしか判別点がないのが難しいところです。
また、オーテックモデルに興味を持った方は、もうひとつ「シーギア」という選択肢もあるのですが、昨年10月に追加されたばかりということもあり、今のところ流通は6台のみ。ちなみに、すべてディーラー系中古車店で、ツーリングパッケージ装着車はゼロという状態でした。
にも関わらず価格帯は180万~230万円と幅広く、もう少し様子を見た方がいいかもしれませんね。
▼検索条件
日産 ノート e-POWER X モード・プレミア×全国▼検索条件
日産 ノート e-POWER X シーギア×全国ということで、長々と書き連ねてきたノートe-POWERの魅力。少しでも伝わりましたでしょうか?
ハイブリッド車ということで車好きの食指がなかなか動かないモデルかもしれませんが、一度乗ってみれば新たな扉が開くかもしれませんよ!
そんなワタクシは新たな扉を開きすぎて、次はリーフを契約してしまったんですけどね!!! ということで、次回はリーフ編でお会いしましょう!!
▼検索条件
日産 ノート(現行型) × ハイブリッド × 全国この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 2022年モデルのGT-Rニスモ、スペシャルエディションを投入
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(前編)
- VIP=セダンの時代は終わった!? ラージサイズミニバンの2列4人乗り仕様で、極上の贅沢を味わおう
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!