総額200万円台のBMW 4シリーズグランクーペって、冗談抜きで「いい買い物」なのでは?
カテゴリー: 特選車
タグ: BMW / 4シリーズグランクーペ / EDGEが効いている / 伊達軍曹
2020/06/27
同じ4ドアでも3シリーズとは何がが違う絶妙フォルム
こちらは、雑誌「カーセンサーEDGE」で8年以上続いている自動車評論家MJブロンディ(永福ランプ)さんの長寿連載「EDGEセカンドライン」のB面。すなわち、その企画の担当編集者から見た「同じ車の別側面」だ。
第14回目となる今回は、2020年6月27日発売のカーセンサーEDGE 8月号で取り扱った「BMW 4シリーズグランクーペ」のB面をお届けする。
まずはBMW 4シリーズグランクーペという車についての超基本的なご紹介を。
日本では2014年6月に発売されたBMW 4シリーズグランクーペは、2ドアクーペとカブリオレに続く「4シリーズの第3弾モデル」として登場したモデル。新車時のプレスリリースによれば、「BMW初のプレミアムクラスの4ドアクーペ」だとされている。
ただ、実際のボディ形状は厳密に言えば4ドアクーペではなく、後部にハッチゲートを配した「5ドアハッチバック」。とはいえ、なだらかで優雅なそのフォルムは「4ドアクーペ」を名乗るにふさわしいものであることは間違いない。
ボディサイズは、2ドアの4シリーズクーペと全長と全幅は同じだが、車高は12mm高く、ルーフパネルは後方に112mm延長されている。この延ばされたルーフがなだらかに下降すると同時に、サッシュレスのガラスエリアを採用したことで、4シリーズグランクーペは、同じ4ドアの「3シリーズ セダン」とはかなり違う、どこかしゃれたイメージのスタイリングになっているのだ。
初期モデルの搭載エンジンは2種類の2L直4ターボ(184psと245ps)と、3L直6ターボ(306ps)。トランスミッションはすべて8速ATが組み合わされている。
2016年4月にエンジンを新世代のモジュラーエンジンに変更し、2017年5月には、新デザインのLEDヘッドライトやLEDテールライトを採用するなどのマイナーチェンジを行った。
2020年6月下旬現在、中古車の流通量は全国286台で、マイナーチェンジを挟んで前期型と後期型の割合は、ほぼ半々というか、後期型の方が若干多いという状況。特に2019年式の流通量が多く、その大半は走行数千km程度の「元ディーラー試乗車」であるようだ。
モデル末期の車に総額300万円以上投じるのはやや微妙だが
では本編へとまいろう。すなわち「中古のBMW 4シリーズグランクーペは果たして今、買いか否か?」という、かなり直截な議題である。
結論としては「買い!」なのではないかと、筆者は考えている。
ただしそれは「総額200万円台ぐらいの物件限定」での話だ。
2020年6月下旬現在、BMW 4シリーズグランクーペの中古車相場は総額200万~500万円ぐらいなのだが、これはあくまでモデル全体の相場。物事をもう少し細かく分けてみた場合の相場は、おおむね下記のとおりとなる。
●総額200万~299万円|まずまず好条件な420i系が探せるゾーン
●総額300万~399万円|かなり好条件な420i系が探せるゾーン
●総額400万円~|ほとんど新車みたいな420i系が探せるゾーン
なお4シリーズグランクーペには、最高出力184psの2L直4ターボエンジンを積む420i系各種の他に、同じ2Lでもより高出力な428i/後期435iや、3Lの直6ターボを積む前期435i/440iなども存在する。だがそれらの中古車流通量はかなり少ないため、本稿では思いきって扱いを省略したい。すみません。
で、上記3つのプライスゾーンのうちからどれを選ぶかは、もちろん個人のご自由である。しかし筆者の私見を述べるとするならば、もはやモデル末期といえる現行型4シリーズ グランクーペに「総額300万円台」というそれなりの大枚を投じるのは、正直ちょっとどうかと思う。
それだけのマネーがあるのなら、それを元手に、2019年3月に登場したばかりの現行型BMW 3シリーズを買って乗り回した方が、何かと満足できるような気がしてならないのだ。
そして総額400万円以上という超大金を投じるのも、個人的にはもってのほかである。そんなカネがあるならばおとなしく定期預金でもしておくか、もしくは、近々登場しそうな「次期型4シリーズ グランクーペ」を買うための頭金として地味に温存させたい。あくまで個人的な感覚でしかないが、これはもう(筆者にとっては)絶対である。
しかし「総額200万円台」であるならば――話はずいぶん違ってくる。
総額200万円台ならばすべてに納得できるはず?
現在、総額200万円台で狙える現行型BMW 4シリーズグランクーペのイメージは――より具体的に言うと200万円台半ばの「総額250万円ぐらい」で探せる4シリーズ グランクーペは、おおむね下記のイメージとなる。
2015年式BMW 420i グランクーペ Mスポーツ
車両本体価格228万円/支払総額248万円
走行3.2万km/ブラックサファイアメタリック/右H/AT/D車/ワンオーナー/禁煙車/修復歴なし
■問い合わせ:株式会社カーセンサーオート
tel.00-0000-0000
……これで十分ではないか。いやもう十分以上じゃないかと、筆者は思うのだ。
もちろん上記のプライス等は「イメージ」にすぎないわけだが、これと類似した条件の420iグランスポーツは多数流通している。多少の違いはあれど、おおむねこのようなスペックの1台を、総額200万円台半ばぐらいで入手可能なのだ。
当然ながら総額300万円台とか400万円台の予算を用意すれば、さらに好条件な1台が狙えはする。しかし前述したとおり、モデル末期の車に今さらけっこうな大枚を投じるのはやや微妙。
だが200万円台であれば「納得の範囲」であり、(2014年デビューゆえの)多少の古くささや、「もうそろそろ次期型が登場してしまうかも?」という心配についても、「でも手頃なプライスで買った車なんだから、まあいいか!」みたいな感じですべて許せてしまう。
そしてそれでいて、伸びやかなルーフとハッチゲートが織りなす4シリーズ グランクーペならではの絶妙なフォルムは、いまだ存在感十分。そしていわゆるエリート感も、言ってはなんだが十分だ。
総額250万円前後の予算感で、まずまず好条件なBMW 4シリーズグランクーペの中古車を買うこと。それは輸入車、特にドイツ車を好む者にとっては「かなりいい買い物」なのではないかと思っているのだが、貴殿らにおかれてはいかがお感じだろうか?
▼検索条件
BMW 4シリーズグランクーペ×総額300万円未満×全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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