▲【2024年版】軽バンのオススメ現行型4車種▲抜群の積載能力と、維持費の安さを誇る軽バン。最近の軽バンは先進装備が積極的に採用され、ワゴンに近い感覚で乗れるようになってきた

荷物を運ぶことに特化して進化してきた軽バン。ビジネスシーンに加え、趣味などで軽バンを活用する人も少なくない。最近ではデザインが良くなり、車種数も増加。そんな軽バンの選び方からオススメのモデル、中古車購入のポイントを紹介する。

 

軽バンとはどんな車?

軽バンとは、小型貨物自動車登録(4ナンバー)の軽ワンボックスカーのこと。

同じような軽ワンボックスでも小型乗用登録(5・7ナンバー)の軽ワゴンとは、車内の作りや安全基準、維持費(税金)などが異なる。

軽バンの最大の特長は、スクエアで使いやすい荷室にある。たくさんの荷物を積めるよう広く設計されており、積載容量を優先するために内装材の厚みは最低限にとどまっていることが多い。

積載や運搬はまさに「プロ・ユース」で、荷物をいっぱいに積んだ状態でも長時間走れるよう耐久性高く設計されるなど、「働く車」として開発されている。

近年の軽バンは先進安全装備が搭載されていたり、内装や外装にこだわったモデルも販売されているほど。アウトドアシーンで車中泊するために購入するケースも増えてきているようだ。
 

▲軽バンの荷室▲「軽バン」と聞くと見た目や装備が地味な印象をもつが、最近のモデルは一味違うのだ
 

軽バンのメリット・デメリット

積載や運搬はまさに「プロ・ユース」の軽バンだが、一方で弱点もある。事前に軽バンのメリットとデメリットを把握しておくことが重要。今回は、軽バンを検討する際に候補として挙がりやすい軽ワゴンと乗用車バンと比較した際の良し悪しについて解説しよう。

軽ワゴンとの比較における、軽バンのメリット

■自動車税が安い
維持費の安さも軽バンを選ぶメリットだ。本来は輸送業務のプロが使う車として、軽バンの税制は優遇されている。まずは毎年かかる自動車税から見ていこう。価格は下記のとおり(平成27年4月1日以後に最初の新規検査を受けた軽自動車の場合)
 

  軽バン 軽ワゴン
自家用 5000円/年 1万800円/年
営業用 3800円/年 6900円/年
  軽バン 軽ワゴン
自家用 5000円/年 1万800円/年
営業用 3800円/年 6900円/年

同じ自家用で軽ワゴンと軽バンを比較すると、1年に5800円も自動車税が安くなる。車検のタイミングは軽ワゴンが初回のみ初度登録から3年、以降は2年ごとなのに対し、軽バンは初回から2年ごとという違いがある。しかし、長期的にみると自動車税が安くなる方がより経済的となるだろう。

なお、その他の維持費については重量税(6600円/2年)、自賠責保険の金額(1万7540円/2年)、高速道路の通行料金は軽ワゴンと同じとなる。

■荷室が広くて使いやすい
軽バンは、貨物車として以下の条件を満たしている必要がある。

・フル乗車したときの荷室床面積が0.6㎡以上あり、かつ乗車設備の床面積よりも広いこと
・フル乗車したときの人員の重量(55kg/人)より、最大積載重量の方が大きいこと
・側面または後面開口部の長さが縦600mm×横800mm以上あり、鉛直面への投影面積が0.48㎡以上あること

要するに、これは「車内が人より積載性を優先した作りになっていて、荷物を積み降ろししやすい形になっている」ということ。結果、同じボディサイズの軽ワゴンと比較して、大きな荷物をたくさん積めるのだ。マリンスポーツやMTB、キャンプなどアウトドアが趣味の人にとって大きなメリットとなるだろう。

■カスタマイズしやすい
軽バンは用途に応じてカスタマイズしやすい。荷物固定用のフックや棚を新設するのも簡単にDIYできる。後部の車内空間が広いので、キャンパーの架装にも適している。

カスタマイズするためのアフターパーツやDIY用パーツも豊富だ。ネット上でざっと検索しただけでも、その数は数千点と軽ワゴンより圧倒的に多い。軽バン専門のカスタマイズショップもあるほどだ。
 

▲軽バンのカスタムパーツ▲車種によってはアフターパーツメーカーとタイアップした純正カスタムモデルもある

軽ワゴンとの比較における、軽バンのデメリット

■任意保険料がやや高め
バンとワゴンでは任意保険の料金を決める仕組みに違いがあり、それは軽自動車においても同様だ。一概に比較することは難しいが、一般的にワゴンよりもバンの方が年間数千円ほど高めとなる。多くのバンがビジネスユースであること、長距離を走る車両が多いことなどが理由だ。

とはいえ、他の維持費と相殺すれば、やはり軽バンの方がリーズナブル。任意保険にも加入しておいた方が賢明だろう。

■リアシートの快適性はいまひとつ
最近の軽バンはコイルスプリングが一般的になり、乗り心地が随分良くなっている。しかし、それでも積載を前提としているため、軽ワゴンよりも乗り味は硬め。また、内装材が簡素なので、ノイズも大きめだ。

さらに、リア窓のパワーウインドウや後席ヘッドレストなど、軽ワゴンなら付いていて当たり前の装備がないことも。後席に頻繁に人を乗せる人には短所となる。
 

▲軽バンの車内▲シート表皮もワゴンとは違い、掃除しやすさ、耐久性を優先したビニール素材のものが多い

乗用車バンとの比較における、軽バンのデメリット

■維持費が圧倒的に安い
1年間の維持費を軽バンと小型バン(4ナンバーのハイエースなど)で比較してみると、以下のようになる。なお、車検費用は整備代・印紙代・検査料・法定24ヵ月点検費用などを含む一般的な料金として算出して年換算した。
 

  軽バン 乗用車バン
自動車税 5000円 1万6000円
重量税 3300円 1万2300円
自賠責保険料 8770円 1万4185円
車検費用 1万7250円 5万円
合計 3万4320円 9万2485円
  軽バン 乗用車バン
自動車税 5000円 1万6000円
重量税 3300円 1万2300円
自賠責保険料 8770円 1万4185円
車検費用 1万7250円 5万円
合計 3万4320円 9万2485円

1年間で5万円以上も軽バンの方がオトク。上記に含まれていない燃費や任意保険料の違いも考慮すると、違いはさらに大きくなるだろう。趣味の車に維持費はあまりかけたくない人にとって、軽バンは合理的な選択と言える。

■取り回しが良い
軽バンはボディサイズがコンパクトで、最小回転半径もほとんどの車種で4.1~4.2m程度。軽バンは取り回しが良く、フィールドでの機動力も抜群。狭い林道など自然の奥深くに入っていくのも、ハイエースなどの小型&普通貨物車よりもずっと楽だ。
 

▲軽バンの運転席▲乗用車のバンと同様、軽バンも運転席からの視界が高く、四角いボディで車両感覚を把握しやすい

乗用車バンとの比較における、軽バンのデメリット

■軽自動車なので積載性に限界がある
荷物を載せるのが得意といっても、そこは軽自動車。ハイエースなどの小型バンが1000~1250kgもの最大積載量をもつのに対して、軽バンの最大積載量は200~350kg。オフロードバイクならOKだが、マリンジェットなどの重量物を載せられない。何百kgもの荷物を載せる予定がある人は軽バンでなく乗用車バンを選ぶべきだ。
 

 

軽バンの選び方

現在、軽バンは9車種存在する。ただ、そのうち5車種は、他社で製造した車種を自社ブランドから販売する「OEM」車。オリジナルとOEM車はデザインや装備内容に若干の違いはあるものの、基本的な性能は変わらない。

そのため、軽バン選びの選択肢は実質的に4つであり、オススメとなるのはオリジナル4車種。その中から、自分に合った軽バンを選ぶために注目したいポイントを解説しよう。
 

▲軽バンの荷室▲エンジンを前席下に搭載するセミキャブオーバー型は荷室寸法を大きく取れるのが利点

■荷室のサイズで比較する
軽自動車はどれも軽規格ギリギリの寸法で作られているので、「軽バンの車内サイズもほとんど一緒に違いない」と考えられがち。しかし、荷室寸法を見比べてみると車種によって異なる。

特に、荷室長は大きな差がある。エンジン位置などレイアウトの違いによって、オリジナル4車種では70cm以上もの違いがあるのだ。そのため、サーフボードなど長尺物を積みたい人や、キャンパーに架装したい人は荷室長に優れる車種を選ぼう。荷室長180cm以上が、ひとつの目安となる。

■燃費性能で比較する
燃費を重視するなら、仕様やグレードを選んだうえで見比べること。というのも、トランスミッションや駆動方式によって燃費が異なるからだ。例えば、燃費はAT・CVTよりMTの方が優れていると思われがちだが、ハイゼットカーゴではCVTの方が優秀になっている。

また、従来のJC08モード燃費と新しいWLTCモード燃費の両方がカタログに記載されていたら、後者で比べよう。WLTCモードには市街地モード、郊外モード、高速道路モードと、走行シーン別の燃費も記されている。「街乗りメインだから市街地モードをチェック」というように、自分の用途に近しい燃費を参考にするのがベターだ。
 

▲軽バンのエンジン▲最近の軽バンでは燃費向上対策のため、アイドリングストップや可変バルブタイミング機構が採用されている

■安全装備で比較する
最近はバンであっても安全性能に力が注がれている。現行車種では、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備が全車で標準化されているのもうれしいところだ。

しかし、中古車で購入するときは要注意! 車種や年式、グレード、オプションによって装備されている安全機能が大きく異なり、目視では判断できない。目当ての物件を見つけたら、販売店スタッフに装備内容を確認することが大切だ。

 

【オススメ軽バン1】ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型・3代目)

▲ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型)▲フルモデルチェンジしたことで車内空間が大幅にサイズアップしたハイゼットカーゴ

ハイゼットカーゴは荷室長1915mm(「デラックス」「スペシャルクリーン」「スペシャル」グレード)。全軽バンで最も長く、荷室幅と荷室高も十分だ。しかも、フックなどを付けられるナットが多数装備されており、荷物も固定しやすい。この点だけで買い! という人も少なくないだろう。
 

▲ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型)▲車体構造のスクエア化によりフラットで使い勝手の良い荷室スペースを実現
▲ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型)▲運転席周りにも収納スペースがたくさん設置されている

さらに、「クルーズターボ」というターボモデルがラインナップされているのも特徴。目的地までスピーディに気持ち良く移動したい人にオススメだ。ちなみに、トヨタのピクシスバン、スバルのサンバーバンはハイゼットカーゴのOEM車であり、スペックや装備内容もほぼ共通となっている。

2021年12月の登場から2年以上経過した現在、現行型ハイゼットカーゴのカーセンサーnet掲載台数は576台とやや少なめ(2024年3月22日時点)。年式では2023年式が最も多く、低走行で良好なコンディションを維持している物件が充実している。なお、掲載物件の約7割が中間グレードの「デラックス」となっている。
 

▼検索条件

ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型) × 全国
 

【現行型ハイゼットカーゴの注目データ】
・荷室長×荷室幅×荷室高(4名乗車時):1005mm×1410mm×1225~1250mm
・荷室長×荷室幅×荷室高(2名乗車時):1820~1915mm×1265~1270mm×1225~1250mm
・助手席可倒時の最大長:2650mm
・最大積載量:デッキバン250kg/他グレード350kg(4名乗車時は250kg)
・燃費性能(WLTCモード):14.7~15.6 km/L
・新車時価格:104万5000~170万5000円
・中古車平均価格:約118万円
 

 

【オススメ軽バン2】スズキ エブリイ(現行型・6代目)

▲スズキ エブリイ(現行型)▲エブリイは古くからのファンが多く、キャンピング仕様などへの架装も盛んに行われている

ハイゼットカーゴと同様、エブリイも荷室スペースの広さが強み。特に助手席前倒し時の床面長は2640mmとトップレベルで、積み方によっては9~10フィート(2.74~3.04m)のロングボードも積載可能だ。
 

▲スズキ エブリイ(現行型)▲タイヤ位置とダッシュパネルを前方へ移動することで、荷室を拡大しながらも、先代モデル同等の前席乗員スペースを確保している
▲スズキ エブリイ(現行型)▲乗用車ライクなインパネ周りが特徴。2024年2月以降のモデルは、一部グレードでキーレスプッシュスタートシステムが標準装備される

ユニークなのは5速MTと4速ATに加え、5速AGSという2ペダル・マニュアル仕様が用意されていたこと。MT感覚でキビキビ走れ、ペダル操作も楽ちん。燃費も良好で、特に市街地や郊外では5速MTに近い低燃費となる。残念ながら2024年2月のマイナーチェンジで5速AGS車は廃止され、代わりにCVT車が追加されたが、中古車市場には豊富に存在する。なお、エブリイのOEM車が日産 NV100クリッパー、マツダ スクラムバン、三菱 ミニキャブバンだ。

2015年に登場した現行型は、中古車の流通量は豊富。カーセンサーnetでは2407台が掲載され、平均価格も103万円前後とリーズナブルになっている。購入時の注意点は、先進安全装備の有無だ。現行型は登場時から「JOIN」など一部グレードには先進安全装備が採用されていたが、採用が拡大されたのは2022年4月以降だ。そのため、衝突被害軽減ブレーキ装着率は掲載物件の4~5割程度。物件を探す際は、販売店に忘れず確認しよう。
 

▼検索条件

スズキ エブリイ(現行型) × 全国
 

【現行型エブリイの注目データ】
・荷室長×荷室幅×荷室高(4名乗車時):930~975mm×1385mm×1240mm
・荷室長×荷室幅×荷室高(2名乗車時):1820~1910mm×1280~1320mm×1240mm
・助手席可倒時の最大長:2640mm
・最大積載量:350kg(4名乗車時は250kg)
・燃費性能(WLTCモード):14.6~17.2 km/L
・新車時価格:113万7000~196万5100円
・中古車平均価格:約103.4万円
 

 

【オススメ軽バン3】ホンダ N-VAN(現行型・初代)

▲ホンダ N-VAN(現行型)▲人気の軽ワゴンN-BOXの貨物車版と言えるのがN-VAN。全モデルがハイルーフ仕様で全高も1945mmと高い

ホンダらしい可愛らしいルックスのN-VANは、荷室の高さが魅力だ。前席下にエンジンを配置するエブリイとハイゼットカーゴと異なり、キャビン前方にエンジンを配置するレイアウトを採用。これによって、荷室長は短めだが、ゆとりある荷室高となっている。加えて、助手席側ピラーレス化によって側面開口部が広く、観葉植物や家具など背の高い荷物を運びたい人にもってこいだ。
 

▲ホンダ N-VAN(現行型)▲助手席側センターピラーレスを採用し、長尺物などの積み降ろし作業における使い勝手を向上
▲ホンダ N-VAN(現行型)▲グレードよっては軽商用車初となる6MTも選ぶことが可能

通常グレードの他に「+STYLE FUN」「+STYLE FUNターボ」という上位グレードも用意されているのもポイント。シートクッションが豪華になって、後席にもヘッドレストが付くなど、軽ワゴンに近い装備内容となっている。

N-VANは中古車でも十分に出回っており、カーセンサーnetでは1128台が掲載。2018年のデビュー時から先進安全装備の「ホンダセンシング」を多くのグレードに導入しているため、カーセンサー掲載物件の装着率も9割近い。掲載物件の平均価格は141万円前後とやや高めだが、安全性を重視するならN-VANがイチオシだ。
 

▼検索条件

ホンダ N-VAN(現行型) × 全国

【現行型N-VANの注目データ】
・荷室長×荷室幅×荷室高(4名乗車時):785mm×1235mm×1365mm
・荷室長×荷室幅×荷室高(2名乗車時):1510mm(助手席側)×1390mm×1365mm
・助手席可倒時の最大長:2635mm
・最大積載量:2WD車350kg/4WD車300kg(4名乗車時はともに200kg)
・燃費性能(WLTCモード):17.0~19.8 km/L
・新車時価格:133万8000~195万9000円
・中古車平均価格:約141.1万円
 

 

【オススメ軽バン4】スズキ スペーシアベース(現行型・初代)

▲スペーシア ベース(現行型)▲エクステリアのデザインもかなりワゴン寄り。軽バンとしては珍しくカラードバンパーが標準装備だ

2022年8月にデビューしたスペーシアベースは、バンでありながらプライベート・ユースに優れている。荷室にはマルチボードが標準装備。上段に設置すればデスク、中段に設置すれば荷物を上下に分ける棚、下段に設置すれば車中泊時のベッドと、様々な使い方ができる。車を移動オフィスとして使いたい、あるいは簡易キャンパーとして使いたい人にとってはピッタリだろう。
 

▲スペーシア ベース(現行型)▲全車標準装備のマルチボードを使い、車中泊やワーケーションなど、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジすることが可能
▲スペーシア ベース(現行型)▲インパネ周りはグレーイッシュブルーに着色されていて力強さが演出されている

もちろん、後発車種だけあって、燃費性能や安全性能も優秀だ。トランミッションはCVTのみの設定ながらWLTCモード燃費は21.2km/L(「XF」・2WDの場合)。市街地モードでも郊外モードでも高速道路モードでも文句なしの軽バンでトップとなる低燃費だ。

デビューから約1年半を経過し、中古車掲載台数も600台以上と増えてきた。年式が新しい物件ばかりなのにもかかわらず、中古車平均価格も142万円とリーズナブルだ。
 

▼検索条件

スズキ スペーシアベース(現行型) × 全国

【現行型スペーシアベースの注目データ】
・荷室長×荷室幅×荷室高(4名乗車時):735mm×1265mm×1405mm
・荷室長×荷室幅×荷室高(2名乗車時):1375mm×1265mm×1405mm
・助手席可倒時の最大長:2030mm
・最大積載量:200kg(4名乗車時は100kg)
・燃費性能(WLTCモード):19.9~21.2 km/L
・新車時価格:147万2000~174万5000円
・中古車平均価格:約142.3万円
 

 

軽バンを中古車で購入する際の注意点

■これまでの整備状況を確認する
軽バンは当然ながら仕事用に使われるケースが多く、多走行な物件も少なくない。仕事用なら1年に2万km近く走ることも一般的だ。そのため、よく整備された物件、特に点検整備記録簿が残っている物件を優先して選びたい。点検整備記録簿が残っていないと、オルタネーターやウオーターポンプなど消耗品のパーツを、いつ交換したのか分からないからだ。

当然、購入後に交換となれば高額の修理代を支払わなければならない。適切なタイミングで交換されている物件を選ぼう。あえて、購入後に交換しても割に合うくらい低価格な物件を選ぶのもひとつの手だろう。

■車体の傾きと下周りをチェック
重い物を載せることが“本業”ともいえる軽バン。それまでの使われ方によっては、サスペンションが疲労しているケースもある。車体を側面から見たときに後傾していないか、右や左に傾いていないか要チェックだ。下まわりをのぞいて、ドライブシャフトブーツなどからグリスやオイルが漏れていないかも購入前に確認しよう。

■隠れたボディのサビをチェック
海辺や雪国で使われていた車や、水産関係で使われていた車では「外観はキレイなのに、荷室床上や床下がサビついている」というケースがある。中古車選びの際はフロアに敷かれたビニールカーペットなどをめくったり、下まわりをのぞいたりして、サビの発生状況を調べておくこと。
 

 

軽バンに関するQ&A

Q.車中泊に適しているのは、どの軽バン?
A.車中泊するのが1人なら、助手席シートバックを前に倒せば、どの軽バンでも就寝スペースを作ることができる。一方で、大人2名なら1800mm以上の荷室長があるハイゼットカーゴかエブリイがベターだ。なお、快適に車中泊するには、いずれの軽バンでも「床にマットを敷く」「ベッド板を増設する」など工夫やカスタマイズが必要だ。
 

 

Q.軽バンもワゴンと同じようにカスタマイズしてOK?
A.道交法に準拠していれば、軽バンもカスタマイズできる。ただし、貨物車特有の保安基準や面積要件を満たしていないと当然、車検に通らない。例えば、タイヤなら車の最大積載重量に見合う最大負荷能力(ロードインデックス)を有していることが条件。また、純正の後席をリクライニングできるように改造すると、貨物車の面積要件を満たせなくなってしまうので注意したい。

Q.黒ナンバーの軽バンって何?
A.通常、軽自動車のナンバープレートは乗用も貨物も黄色地に黒文字(一部の記念ナンパ−プレートは白地も存在)。一方で、「貨物軽自動車運送事業」用として届け出た車は、黒地に黄色文字の通称「黒ナンバー」となる。黒ナンバー車は税制面で優遇されるが、陸運支局に経営届出書や運賃料金表などを提出して、新たに登録する必要がある。

Q. 軽バンを8ナンバー化するメリットはある?
A.8ナンバーは、キャンピングカーやパトカーなど特殊用途自動車に適用される登録区分。乗用車に比べて自動車税などが安いので、3/5ナンバーのハイエースなどをキャンピングカーに構造変更し、8ナンバー化する人もいる。ただ、軽バンの場合は税金がもともと安いので、8ナンバーに変える税制上のメリットはない。自賠責保険料は若干安くなるが、任意保険料は逆に上がるケースが多い。総合的に考えると割に合わないだろう。

Q.乗用車から乗り替えても、任意保険の等級は変わらない?
A.自動車任意保険の等級制度は、保険金を利用しなかった期間に応じて、保険料を割り引く仕組み。当然、軽ワゴンなどの乗用車から軽バンに乗り替えても以前の等級が適用される。ただし、黒ナンバーの中古車を購入し、同じ事業用登録のまま名義変更した場合などは例外。もちろん、黄色ナンバーに変更すれば等級は変わらない。
 

▼検索条件

ダイハツ ハイゼットカーゴ(現行型)/スズキ エブリイ(現行型)/ホンダ N-VAN(現行型)/スズキ スペーシアべース(現行型) × 全国
文/田端邦彦 写真/ダイハツ、スズキ、ホンダ、尾形和美、篠原晃一

※記事内の情報は2024年3月22日時点のものです。
 

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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