▲Aピラーが前出しされて、大きな三角窓が新設される次期フリードは、フィットとコンポーネントの一部を共有する。フロントには安定感をもたらすソリッドウイングフェイスが採用される ▲Aピラーが前出しされて、大きな三角窓が新設される次期フリードは、フィットとコンポーネントの一部を共有する。フロントには安定感をもたらすソリッドウイングフェイスが採用される

デュアル・クラッチ・ドライブ+ハイブリッドを採用

ホンダ フリードのライバルである、トヨタ シエンタがフルモデルチェンジを果たした。ひと回り大きいサイズで成功したフリードを意識したシエンタは、ホイールベースが伸ばされてボディとキャビンを拡大。待望のハイブリッド追加や全チャンネルでの取り扱いによって驚異的な販売実績が予測される。そんな新型シエンタに対する、次期フリードの巻き返し策に迫る。

次期フリードは、本来なら今年、2015年下半期にもデビューする予定だった。しかし、フィットに端を発する品質問題の影響を受けて、開発作業は後回しとなり、当初の計画より大幅に遅れている。いまのところ2016年半ばに発表される見通しで、1年近くズレ込む計算になる。

▲異例ともいえるロングセラーになった、トヨタ シエンタが世代交代を果たし、2代目に生まれ変わった。全チャンネルでの取り扱いなど、フリードにとっては脅威となる存在だ ▲異例ともいえるロングセラーになった、トヨタ シエンタが世代交代を果たし、2代目に生まれ変わった。全チャンネルでの取り扱いなど、フリードにとっては脅威となる存在だ

新型フリードでは、ダウンサイジングユニットである、1Lの直3ターボが搭載される計画もあるが、こちらもエンジンの開発が遅れていて、デビュー当初は直4ユニットを搭載する可能性がある。ひとまずシャトルと同じ1.5L直噴(132ps/155N・m)が採用され、直3ターボは、1~2年後に加わる段取りかもしれない。それでは、現行モデルにも用意されるハイブリッドユニットはどうなるのか。

ずばりハイブリッドユニットは、IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)から現行フィットなどでお馴染みのi-DCD(デュアル・クラッチ・ドライブ)に変更されるだろう。ツインクラッチミッションとの組み合わせで、モーター走行が可能になり、効率の良さが訴求ポイントに掲げられる。また、シエンタには設定のないハイブリッド+4WDの組み合わせも大きなアドバンテージとなる。

限られた寸法の中で3列シートを配しながら、最新のメカを詰め込むことは容易ではないはずだが、例えばジェイドで開発された超薄型燃料タンクや、センターコンソール内蔵のハイブリッドユニットなど、既存の技術が応用されるに違いない。フリードの商品特徴として、底床設計を織り込むことも避けて通れない。

▲リチウムイオン電池や制御ユニットのコンパクト化に成功しているホンダのi-DCD(図はグレイス)。3列シートが備わるフリードでは、それぞれの搭載位置が変わる可能性が高い ▲リチウムイオン電池や制御ユニットのコンパクト化に成功しているホンダのi-DCD(図はグレイス)。3列シートが備わるフリードでは、それぞれの搭載位置が変わる可能性が高い

最後に次期型のデザインだが、エクステリアではAピラーの前出しとソリッドウイングフェイスの採用が特徴となるだろう。開放感のある前席とするために、Aピラーが起こされて大きな三角窓が新設されるとの情報もある。これに伴ってワンモーションフォルムは、ややトーンダウンか。

フロントフェイスでは、ヘッドランプとグリルガーニッシュの一体感が打ち出され、水平基調のデザインが強調されてワイドに見える顔つきとなる。

※2015年8月24日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年7月
■全長×全幅×全高:4250×1695×1710(mm)
■搭載エンジン:1.5L 直4+モーター他

text/マガジンX編集部 Photo/マガジンX編集部、トヨタ、ホンダ