気軽に楽しめるMRスポーツ トヨタ MR2【懐かしのコンセプトカー】
2010/02/08
トヨタSV-3(1983年東京モーターショー)→初代MR2(1984年)
往年のコンセプトカーを振り返りつつ、市販化された車をフィーチャーするこの企画。第1回目は、ミッドシップレイアウトを採用し、長年気軽に楽しめるMRスポーツとして親しまれたMR2。1983年の東京モーターショーでコンセプトカーとして出展されたトヨタSV-3が、1984年にMR2として市販化された、その歴史を見ていこう。
スポーツ心をくすぐられる内外装の仕上がりが魅力的だったMR2。しかし、ガチガチのスポーツカーではなく、主にアメリカの高校生あたりの通学や遊び用的なカジュアルなイメージが強かった。 写真を見てわかるとおり、コンセプトカーからほぼ変更がない状態での発売となった
市販モデルとほとんど変わらない状態で出展されていた
MR2の車名の由来は「MIDSHIP RUNABOUT 2SEATER」の略。1983年開催の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「SV-3」をベースに市販モデルとして1984年にデビューした。
SV-3は、市販モデルであるMR2とほとんど変わらない状態で出展されていた。「80点主義」などと揶揄され、手堅い車作りをしていたトヨタが放ったミッドシップスポーツクーペだけに、その衝撃は大きかった。
ツウからは型式「AW」で呼ばれたMR2
全長3950×全幅1665×全高1250㎜、1.6Lの直4DOHCと1.5LのSOHCエンジンをデビュー当初はラインナップ。途中からスーパーチャージャーエンジンも加わった。
いまでも根強い人気があり、40代以上の方なら学生の頃読んだ漫画でMR2のMRをとって「ミスター」という愛称で呼ばれていたのを覚えているだろう。また車好きの間では車名より型式で呼ばれることが多いのも特徴的。
初代MR2は型式番号の頭をとって「AW」と言われることのほうが多い。ちなみに1989年に登場した2代目は塔載エンジンの関係から「SW」と呼ばれている。
初代MR2がデビューした頃は、「ボーイズレーサー」と呼ばれるモデルの人気が高かった時代。1.6Lの軽量・小型のスポーツエンジンを、コンパクトなハッチバック車やクーペに塔載したモデルは、「テンロク」と言われた。
エンジンをシートの直後に収めたミッドシップといえば、それまでの日本人にとってはランボルギーニカウンタックやフェラーリといった「スーパーカーの世界」の話だったが、トヨタによるMR2の投入で、ミッドシップスポーツカーが一気に身近な存在となったといえよう。
いまではプリウスなどハイブリッドカーが有名となり、すっかり「エコメーカー」的色彩の強くなったトヨタだが、当時はMR2をはじめ「ハチロク(カローラレビン&スプリンタートレノ)」、スターレットなどコンパクトでキビキビ走るボーイズレーサー的な車を数多くラインナップしていた。日産ではサニーやパルサー、ホンダがシビック、CR-X、マツダがファミリアにと、各社が大衆車にスポーツグレードを設定していた時代であった。
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