▲名古屋市内の閑静な住宅街の一角に現れる、麻宮騎亜さんのマンガのキャラクターが描かれた看板 ▲名古屋市内の閑静な住宅街の一角に現れる、麻宮騎亜さんのマンガのキャラクターが描かれた看板

オーナーズクラブでの交流から始まった唯一無二の「車マンガカフェ」

メルセデス・ベンツにレクサス、アウディ、フィアットなど、ここのところ各メーカーがこぞって自らの名前を冠した「カフェ」をオープンしている。しゃれた雰囲気でそれまでの車ファン以外でも楽しめる身近さが特徴だ。またイベントなど期間限定の店舗ではなく、常設店舗というところに各メーカーの気合いを感じる。そんなメジャーな存在になった「車カフェ」に対し、なんと新たに「車マンガカフェ」と呼べるものが今年7月にオープンしたことをご存じだろうか。それも常設店舗で、日本一のカフェ(というか喫茶店)激戦地・名古屋にだ。

それが今回ご紹介する「カノカレかふぇ」(愛知県名古屋市昭和区石仏町2-25)。亡くなった父からポルシェ 911カレラRSを受け継いだ主人公、轟麗菜の日常を描いた麻宮騎亜さんの人気漫画「彼女のカレラ」※(以下「カノカレ」)をモチーフにしたカフェだ。オーナーの後藤さんは麻宮さんとはオーナーズミーティングで知り合ったというポルシェ仲間で、「カノカレ」の愛読者だったという。ポルシェをテーマにしたカフェは数あれど、ポルシェ漫画のカフェはどこにもない。そこで「カノカレ」のカフェをオープンしたい! と麻宮さんに相談したのだが、実は当初反対されたのだという。

「この場所はもともと、先生が名古屋に来たときのたまり場だったので『僕の寝る場所がなくなる』って言われました(笑)」。また麻宮さんには、別の反対理由もあった。「正直驚きました。既存のカフェを期間限定でコラボするのではなく、建物自体を実際に建ててしまうと聞きましたから」。そう、「カノカレかふぇ」は後藤さんが建物からこだわって一から作ったカフェなのだ。
 

店内は原画が並ぶ「カノカレ」づくしの雰囲気

店内には麻宮さんの希少な原画が所狭しと飾られており、コーヒーも「麗菜」「愛華」「ぱるこ」など、キャラクターの名前が付けられている。「コンセプトは、オーナーズミーティングの延長。ポルシェに限らず、車好きの方に来ていただいて、お客さん同士が友達になってほしいですね」と後藤さん。そんなこだわりのカフェの様子を以下写真でご覧いただきたい。

ちなみに営業時間は午前11時~午後5時。基本的に毎週金・土・日曜のみの営業だが、祝日などの影響で臨時休業や臨時オープンする場合があるので、事前にホームページでチェックしたうえでご来店を。駐車場は店舗前に数台分用意されている。

▲こぢんまりしたシックな佇まいの「カノカレかふぇ」の外観 ▲こぢんまりしたシックな佇まいの「カノカレかふぇ」の外観
▲実は、後藤さんは『彼女のカレラRS』3巻に描かれた「仙導明菜」のモデルでもある ▲実は、後藤さんは『彼女のカレラRS』3巻に描かれた「仙導明菜」のモデルでもある
▲1996年式のポルシェ 911カレラ(993型)など、複数のポルシェオーナーでもある後藤さん ▲1996年式のポルシェ 911カレラ(993型)など、複数のポルシェオーナーでもある後藤さん
▲いたるところに麻宮さんの原画やポルシェグッズが飾られている店内 ▲いたるところに麻宮さんの原画やポルシェグッズが飾られている店内
▲原画は1ヵ月に2~3点ずつ交換される。ここにしか存在しない描き下ろしの作品もあるという ▲原画は1ヵ月に2~3点ずつ交換される。ここにしか存在しない描き下ろしの作品もあるという
▲有機コーヒーの「ぱるこブレンド」700円。コーヒーにはキャラクターの名前が付けられている。 ▲有機コーヒーの「ぱるこブレンド」700円。コーヒーにはキャラクターの名前が付けられている。
▲コーヒーはサーバーで2杯分が提供される。他にマイルドな「麗菜ブレンド」(500円)、苦みと甘みのハーモニーがたまらない「愛華ブレンド」(500円)なども ▲コーヒーはサーバーで2杯分が提供される。他にマイルドな「麗菜ブレンド」(500円)、苦みと甘みのハーモニーがたまらない「愛華ブレンド」(500円)なども
▲コーヒー通でもある後藤さん。3分かけてじっくり入れるコーヒーは、その間は一切の注文も受けずに集中して作るこだわりっぷりだ ▲コーヒー通でもある後藤さん。3分かけてじっくり入れるコーヒーは、その間は一切の注文も受けずに集中して作るこだわりっぷりだ


※『週刊プレイボーイ』(集英社)などでの連載を経て、現在『デンシバーズ』(幻冬舎コミックス)で連載中。11月21日時点で、単行本は「彼女のカレラ」が全24巻、「彼女のカレラRS」が0巻~5巻まで発売されている(6巻は12月24日発売予定)。

text&photo/渡瀬基樹