レース本番に向けて、事前練習走行会を敢行!

Stage1:カラーリングの回でお伝えしたとおり、記憶にある中(ここ7年ぐらい)では初となる練習走行を行いました。練習走行の舞台となるのは、栃木県にあるヒーローしのいサーキット。平面的な筑波サーキットとは異なり、ダイナミックな上りと下りが特徴的なサーキットです。

昨年のリタイヤや、毎年20位を境に行ったり来たりするリザルトをなんとかするために設けられたこの練習走行。ただ、素人ばかりが集まって走っても意味がないということで、チームのエースドライバーとして、そして助っ人として何度も参加してくださっているレーシングドライバーの飯田 章さんを講師に招きました。
メディア対抗ロードスター4時間耐久レース|日刊カーセンサー
↑今回はこの4名+飯田さんの5名でレース本番に臨みます。この写真が物語るとおりなんですが、練習会もレース本番も、飯田さんだけが頼りです…ホント
飯田 章さんをエースとして迎える今回のカーセンサーチームのメンバーは

・馬弓 良輔(本誌関東版編集長・昨年リタイヤの雪辱を果たしたい)
・椿 貴之(カーセンサーEDGE編集部員・成長著しい若手のホープ)
・小田 光直(埼玉営業所営業所長・直前にAライ取得も、キラリと光る才能)
・福田 曜(カーセンサーnet編集部員・まぁ、よしなに頑張ります)

という5名。昨年のリタイヤもあり、今年は完走を目標に走ることにしました。

講師役の飯田さんと協議の上、組まれた練習走行のプログラムは以下のとおりです。Stage1~3まで、3段階に分けてメンバー4人が走りこみます。果たして練習の成果は得られるのでしょうか?

Stage1:メンバーそれぞれの走りを見るため、とりあえず走ってみる
Stage2:飯田さんを隣に乗せて同乗走行(その後、飯田さん運転でレクチャー)
Stage3:本番を想定し回転数に縛りを設け、6500/6200rpmで走り込む

パッと見ると、“えっ、これだけ?”っていう内容ですが、いやいや、この成果がスゴかった。

練習の成果はスゴかった!本番も期待できるかも!?

Stage1ではメンバーが各々にコースを走ります。講師の飯田さんはピットで待機。なんですが、ただ待機しているだけでなく、メンバー4人が運転時に出す“音”をしっかりと聞いていました。その音とは、ブレーキやシフトアップ時に出す“キュッ”とか“ゴリゴリ”といった音です。音で何がわかるかというと、運転のスムーズさでした。どうしても素人は、ラップタイムを上げようと躍起になるばかりに運転が粗くなって、操作が雑になりがちとのこと。4人のメンバー全員が同じようなことを指摘されました。この時点でのラップタイムは、58秒から1分といったところ。
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↑ドライバーのレベルを見極めたあとに交代(左) 運転中はもちろん、ピットに戻ってからもレクチャーは続く(中) 結果、コンスタントにタイムが出せるように(右)
それを踏まえてStage2。今度は助手席に飯田さんを乗せ、隣で運転の指導が行われます。指摘が多かったのは、ステアリングの持ちかた、タイムを詰めようとコーナーで突っ込みすぎ、など。気持ちの焦りからくる雑な操作を指摘されました。メンバーが運転して一通りレクチャーを受けたあと、飯田さんの運転によりさらに細かなレクチャーが行われます。助手席に座って驚かされたのは、運転のスムーズさ。全然ガチャガチャしていない。アクセル、ブレーキ、シフトアップ/ダウンのすべての操作がなんのストレスもなく行われます。

同乗走行で学んだことが、どこまで実践できるか試されるStage3。ここでは本番を想定し、回転数の上限(シフトアップ)を6500rpmに設定して走ります。なぜこんな練習をするのかというと、メディア4耐は燃費がキツイから。事実、2006年には我々カーセンサーチームを含め、数チームが燃料切れでリタイヤしています。

同じテツは踏むものかと、練習走行の段階からしっかりと意識の統一を図ろう、という試みです。また、回転数に上限を設けることにはもう一つ意図がありました。回転数の上限を意識しながら走ると運転がスマートになる(飯田さん談)んだそうです。車だけでなく、心をしっかりとコントロールしよう、ということですね。
  
↑飯田さんによる良い/悪い運転のデモ。微妙な差も見比べると明らか(左・中) 編集長・馬弓の運転。だいぶスムーズになったものの、まだ粗が目立つ(右)
Stage3までの練習を終えて気がついたのは、サーキットが静かになったということ。これが何を表しているのかと言うと、タイヤのスキール音やシフトミスなど、車にストレスを与える操作が少なくなったということです。長時間戦う耐久レースでは、燃費だけでなく車を労わりながら走ることも重要なことですからね。

メディア対抗ロードスター4時間耐久レース|日刊カーセンサー もちろんタイムも向上しました。54秒から57秒と、Stage1と比べて平均で3~4秒ほどアップ。さらにラップタイムをコンスタントに出せるようにもなってきました。一発のタイムよりも、そこそこ速いタイムを刻み続けるのも耐久レースでは必要となってきます。

各々がそれぞれの欠点を認識して、克服する第一歩となった練習走行。飯田さんも「いつもよりは上位にいけるかな?」と冗談半分に言ってくれました。あとは本番で、練習したことがどれだけ生かせるか。今年はリタイヤ?例年どおりの定位置?本番はいよいよ明日です。

Report/カーセンサーnet編集部フクダ Photo/尾形和美