朝からいきなり前代未聞の大ピンチに!!

今回で最終回となるロードスターレースシリーズ。昨年の反省をこめて前回ヒーローしのいサーキットにて、プロドライバー飯田 章氏による虎の穴改め、“アキラの穴”と称したドライビングレッスンを行い、ドライビングの欠点を修正したドライバー4人。その成果やいかに!?

メディア対抗ロードスター4時間耐久レース|日刊カーセンサー
↑右上の2名が今回の混乱を招いた張本人です…!!
…と、すんなり始まりたいところだったのですが、懸念された台風13号はスピードアップし、太平洋にそれ、 天気は晴れてきたにもかかわらず、我がカーセンサーチームはなんだか大荒れの様相…。

まず、前日から歯痛がはじまった本誌関東版編集長の馬弓が欠席!! これに追い打ちをかけたのが若手編集部員、椿。なんと、このロードスターレースを走るのになくてはならないA級ライセンスを紛失!! 大会のレギュレーションで、1チームのドライバーは最低4人必要と定められているのに、気づけば現状3人しかいません!このトラブルで、そもそも出走できないという論外な大ピンチに!!

そんなことをよそに、大会関係者からは昨年の事故(だけではなく、正しくは過去の数々の事故など)の印象が強かったため「今年はた・の・む・よ!! 」という激しいプレッシャーがかけられます(汗)。

メディア対抗ロードスター4時間耐久レース|日刊カーセンサー 一体どうなっちゃうの!? そう思った矢先に颯爽と助っ人が登場!! 大会主催者のはたらきかけで、ロードスターのパーティレース(※)に参加してる関 裕さんがメンバーとして加わることに。これでようやく出走態勢が整ったぞ!!

※JAF公認のナンバー付車両によるレース。イコールコンディションを実現するため、使用可能なのはロードスターとRX-8の指定グレードのみで、オプションパーツもマツダ純正のものに限られる。



いよいよサーキット走行開始!

10時45分に練習走行がスタート。パーティレースに出ているものの、メディア4耐のロードスターレースは初めての関さんと、レース初トライの営業・小田がマシンに慣れるためにピットを離れていきます。お腹が気になる小田はシートポジションの確認をするなど、レースに向けての準備に余念がありません。

レース車には、フルバケットシートと4点式のシートベルトが装着されています。コース上で1秒を縮めるのは大変なことですが、ドライバー交代をうまく行うことで比較的容易に短縮が可能なので、上位に食い込むためにはドライバー交代の迅速さがキモになってきます。

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すると、そこへ飯田選手が登場。朝からのドタバタ劇を聞いて苦笑いです。

その後、飯田さんとの打ち合わせをもとに、ドライバーの順番決めに入ります。ここで、ファーストドライバーだけは編集長 or 副編集長、もしくは女性というルールがあるのですが、いずれも当てはまる人がいないという事態に…。結局、事務局のはからいで、唯一の編集部員である福田がファーストドライバーとなりました。以下、2.飯田選手、3.埼玉営業所のメタボが気がかりな小田、4.救世主の関さん、5.再び飯田選手という順番に。

レースは水モノ、何が起こるかわからない!?

12時40分、いよいよ予選が始まりました。各チームの代表ドライバー1名が、最速ラップを競います。ちなみに、わがCSレーシングチームは飯田プロが1'10.816という好タイムを叩き出し、全体で5位という好ポジションを獲得!!


しかし、予選アタックを終えた飯田選手から「この車、アンダーオーバー(ようは挙動がメチャクチャ、ってこと)がキツイね。しかもブレーキングしてコーナーに入るとき、車の挙動がブレるよ。これは昨年事故った影響かもね…」との指摘が。もちろん、きちんと修理はされていると思いますが、やはり後遺症は残っているのか!?

決勝を迎える前に、このレースのレギュレーション(規定)を軽く説明しておきましょう。

・ドライバーは4~5名(プロドライバーの助っ人は1名までOK)
・レース時間は4時間(16時スタート→20時チェッカー予定)
・1人のドライバーの連続運転時間は50分、合計運転時間は96分まで
・総ガソリン給油量は、スタート時の満タン50Lを含む90Lまで
・レース中の給油は1回20Lで、2回まで(それ以上はペナルティが科せられる)
・競技車両は完全にワンメイク(一切の改造を禁止)

単純に周回の速さだけではなく、燃費の計算やドライバー交代、給油のタイミングなど、様々な要素がレースの行方を左右します。

西日が眩しくなりはじめた午後4時、ついに決勝のスタートです。ピットにも緊張が走ります。しかし、ここで最も緊張していたのがファーストドライバーに任命された編集部福田。あとで聞いたところ「スタートドライバーを言い渡されたときは、おウチに帰ろうかと思うぐらい緊張しました。このレースに初参戦したのが3年前になるけど、その時に匹敵するほどでした。しかも過去2年、ウチのチームはリタイヤしてたし、ファーストドライバーとして、とにかく次のドライバーにトラブルなくつなげることしか頭にありませんでした」とのことでした。

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↑計25名のドライバーが車に向かっていくスタートはかなりの迫力(左) ドライバー交代の瞬間。ここが勝負どころだ!! (中) 新カラーリングで気分も一新(右)
レース自体は、ピットレーンの速度超過やネオン管のレギュレーション違反(明滅)、コース外走行という3つのペナルティを受けながらも、最終的には10位にすべり込むという、近年まれにみる好結果に。当日の現場の臨場感を味わいたいかたは、下の動画をチェック!!


終わり良ければすべて良し。今年もお疲れさまでした

最後に、レースを終えてのドライバーのコメントとベストラップをご紹介します。

・飯田さん:お疲れさまでした。来年はさらなる上位を目指しましょう!! もう少し全体的に上位を走るという意識をもってレースに取り組むのも大事です。それ以前に、編集長は必ず参加を!! 次回の課題はもう少し燃費を意識した走行を心がけることかな。(1'11.793)

・関さん:チームとして全体的によくまとまっていてレースを楽しんでいたね。来年はより上を目指してがんばれ!! あと、次はちゃんとメンバーが集まるといいね(笑)。(1'13.683)

・福田:スタートで順位を大きく落としたのは残念でしたが、何事もなく飯田さんにバトンを渡せたのは良かったです。最終的に、ベスト10に入れたので、20周年となる来年は表彰台を狙いたいです。(1'14.097)

・小田:レース直前は、緊張でのどがカラカラで水ばっかり飲んでましたが、終わってみると「楽しかった」が一番の感想です。 悔やまれるのは最後まで最終コーナーを攻略できなかったことです。こう見えて結構負けず嫌いなのでこっそり筑波の走行会に行こうと思ってます。(1'17.956)

おまけになりますが、レース後、編集長馬弓の「俺がいないおかげで完走できたでしょ!? お疲れさまでした」という、KYな伝言がチームの総監督を務めた萩原より伝えられたことも明記しておきましょう。チームメンバーの、その場の空気の凍りつき具合はご想像にお任せします。

メディア対抗ロードスター4時間耐久レース|日刊カーセンサー 毎年行われるこのメディア対抗のロードスターレースですが、イベント自体の面白さはもとより、様々な人たちと一つのチームの中で協力して目標を目指す、というどこか学生時代の部活動を思わせるような空気は、個人的には大好きです。来年は記念の20回大会ということで、ぜひぜひ2003年以来の表彰台を期待したいところです。僕もいつかは走ってみたいなぁ…。



Report/カーセンサーnet編集部・山口 Photo/尾形和美