インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

2代目となる今回のモデルはさらにアグレッシブなデザインに

インフィニティ FX35 フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 インフィニティ FX35 リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑外見は先代モデル以上にアグレッシブな仕上がり。フロントグリルが特徴的で、ヘッドランプとマッチした雰囲気は、チーターが口を開いて襲ってきそうなイメージ
インフィニティブランドとしては、G35(日本ではスカイライン)に負けない人気を誇るのがクロスオーバーSUVのFX。FXは日本では未販売のモデルで、2008年6月から2代目の販売が開始されました。
ラインナップはV6の3.5Lエンジンを積んだFRと4WDのモデル、5LエンジンのFX50には4WDモデルと計3モデルが用意されています。サイズは日本でも販売されている日産 ムラーノと比べても全高こそ50mm低いものの、全長で35mm、全幅で30mm大きくなっています。
パッケージには、革シートやシートクーラーやウォーマーが装備されるプレミアムパッケージ、ナビゲーションパッケージ、居眠り運転などの事故を防止するレーン・デパーチャーシステムなどを装備したテクノロジーパッケージ、そして20インチホイールが装備されるデラックストゥーリングパッケージなど様々なバリエーションがあります。なかでも今回ご紹介するのは303馬力のパワーを引き出す、V6エンジンを積んだ4WDモデルのFX35です。

インフィニティ FX35 インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 インフィニティ FX35 運転席|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑インテリアのデザイン&クォリティはかなり上がっています。インフィニティお馴染みのダブルウェーブのパネルデザインや、革シートのステッチパターン、部分的に革でラップされているパドルシフトからはスポーティな印象を受けます
初代モデルからのスタイリングテーマは「バイオニックチーター」で、2代目となるモデルの外見はさらに派手&アグレッシブなデザインに変更。とくにフロントグリルの波を打つようなデザインは、車を華やかに引き立て、フロント&テールランプやボディラインはより鮮やかに仕上がっています。外見は少し大胆な雰囲気に感じますが、中に入るとインテリアは落ち着きがあり、上質な仕上がりになっています。シートのホールド感も高く、SUVというよりスポーツカーに乗っている雰囲気を感じさせます。

インフィニティ FX35 エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 インフィニティ FX35 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑FX35に搭載される3.5LのVQエンジンは、Z33型やスカイラインV36モデルと同じエンジン。303psからは満足のいくパワーが引き出され、スポーツ走行も楽しめます
ミッションには7ATが採用されパドルシフトも装備。アダプティブ・シフト・コントロール(ASC)やダウンシフト・レブ・マッチ(DRM)も標準装備され、ワインディングなどでのスポーツ走行も楽しめます。プラットフォームにはスカイラインでも採用されているFMプラットフォームを使用し、ライディングクォリティやハンドリングをさらに向上。
FXモデルのライバルはポルシェ カイエンやフォルクスワーゲン トゥアレグなどになりますが、FX35のコストパフォーマンスは他車と比較すると完全に上回っているように感じます。
3.5Lエンジンで十分なパフォーマンスを引き出してくれるFX35は、「チョイ悪」なイメージで日本でも人気が出るのでは、と思ってしまうだけに販売予定がないのはとても残念です。

並行輸入で日本に入ってくることもありますから、この車種の物件が気になった方は、下の検索窓に「インフィニティ FX35」と入れて探してみてください。
 


主要諸元のグレード:FX35 4WD 駆動方式:4WD トランスミッション:7AT 全長×全幅×全高:4860mmX1925mmX1680mm ホイールベース:2885mm 車両重量:1950kg 乗車定員:5名 エンジン種類:DOHC V型 6気筒 総排気量:3.5L 最高出力:303ps/6800rpm 最大トルク:36.2kg-m/4800rpm 10・15モード燃費(km/L):- ガソリン種類/容量:無鉛プレミアム/90L 車両本体価格:$43,600(約400万円)

(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)