現行と旧型の見分けがつきにくいアウディはお手頃な旧型で実は十分という新説
2016/09/03
中年はAKBの見分けがつかず、非車好きは新旧アウディの見分けがつかない
昨年夏に登場した現行のアウディ TTおよび今年初めに登場した現行A4/A4アバントを、このところ街で見かける機会が増えてきた。そうした際に一瞬思うのは、「……アレって現行か? それとも旧型?」ということだ。遠目からは一瞬見分けがつかないのである。
さすがに筆者は自動車メディア業界の末席に身を置く人間なので、一瞬ではなく「ニ瞬」めには「あぁ、現行型か。最近は増えてきたな」と正しく把握できる。しかし輸入車にさほど詳しくない人からすると、現行も旧型もたぶんほとんど見分けがつかないのが、このところのA4シリーズおよびTTのデザインなのではないか。
「冗談じゃない。そもそも性能も全然違うけど、デザインだってずいぶん違うじゃないか!」と、アウディ愛好家は言うかもしれない。
わたしもアウディに詳しくないわけではないので、それはわかる。が、「門外漢の視線」というのはそんなモンなのだ。筆者はアウディにはそれなりの興味があるため、ワンテンポ遅れてだが現行と旧型の見分けはつけられる。しかし今流行っているらしいAKBなんたらの人たちの顔は、興味ゼロであるため実はほとんど見分けがつかない。輸入車に興味がないAKBファンの人から見た現行A4と旧型A4だって、おそらくはそんな感じに見えているはずなのだ。
であるならば……これは「硬派自動車愛好家道」からすると完全に邪道なのは承知だが……素人目には現行型との見分けがほとんどつかない旧型のアウディ A4/A4アバントまたはTTを格安プライスで購入し、周囲から「おおっ! なんか高そうなアウディ買ったじゃん! すげえなお前!」と言われてみるのも、なかなかオツな購買行動なのではないかと思うに至った。
旧型なら走行5万km以下の物件もおおむね160万円以下
ただ、中古車評論家を自称するわたしも毎日いちいちアウディの中古車相場をチェックしているわけではないので、旧型のA4シリーズおよびTTが本当に「格安プライス」なのかどうかは知らない。ということでカーセンサーnetにて調べてみると……確かにこれはお安い!
走行距離5万km以下の「まあまあ好条件」と思われる物件に絞っても、セダンのA4は最初期08年式の1.8 TFSIをおおむね120万~150万円の車両価格で探すことが可能。人気のステーションワゴンであるA4アバントも、同じく走行5万km以下の1.8 TFSIを140万~160万円あたりで見つけられる。ちなみにこちらの年式は08~10年式付近だ。
旧型アウディ TTはどうだろうか? こちらは走行5万km以下の格安物件はやや少なめだが、それでも車両価格150万~160万円付近で07年式の2.0 TFSIが何台か流通している。A4およびA4アバントと比べると1~3年ほど古い年式にはなるが、美観および整備履歴に優れる個体に巡り合うことができたなら、これまたナイスな選択になる可能性は高い。
あらためて問う。この2台ってだいたい同じに見えません?
問題は、これら格安予算で購入する予定の旧型モデル各位が、現行モデル各位に匹敵するほどの各種能力を本当に備えているのか? ということだ。能力といってもいろいろあるので、二つの項目に分けて考えてみよう。まずは「ビジュアル能力」。旧型と現行は本当にほぼ見分けがつかないのか? そもそも旧型は今もイイ感じの雰囲気を醸し出せているのか?
これについてはあらためて新旧の画像を掲載し、各自の判断に任せるしかない。一例としてアウディ A4セダンでやってみよう。
……自動車マニアとしての目線で見ると「やっぱ全然違うかな?」とも思うが、まるで筆者がAKBの皆さんを見るような目線で見てみると、「……ま、ほとんど同じだな」とも感じる。判断は人それぞれだろうが、少なくとも「旧型A4のルックスもまだ全然イケてる!」ということは言えるのではないかと思う。
お次は「車としての純粋な能力」だ。つまり、ゆったり走るときは安楽に、そうでないときは快活に、なるべく故障しないで、極力ガソリン消費を抑えながら走る能力……等々である。これについては正直、比べるまでもなく現行モデル群の圧勝だ。現行と旧型では開発タイミングが約8年も違うので、圧勝してくれないことには逆に困る。ただ、ごく普通に市街地や高速道路を走行し、希に旅行などでロングドライブをする程度の使い方であるならば、「旧型でも全然十分っちゃ十分」という見方もできることを、我々は忘れるべきではないだろう。
結局のところ、「旧型アウディ A4シリーズおよびTTは今なお魅力的なのか?」という問いに対しては「各自の価値観に基いて判断するほかない」という、やや投げっぱなしな答えにならざるを得ない。また、「安く買える旧型で見栄を張ろうと思うのがそもそもダサい」という硬派な見方もあるだろう。そこについては筆者もある程度同意する。
しかしそれでもなお、新型が300万円以上することを考えると、車両価格160万円以下というなかなかのお手頃プライスで走行5万km以下の個体が買えてしまう旧型アウディの中核モデル群は、様々な可能性を秘めた魅力的な選択肢であると確信している不肖筆者なのだ。
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