VWゴルフカブリオ・クラシックライン
写真上は90年代前半まで販売されたVWゴルフカブリオ・クラシックライン。もはや20年落ち級の車ではあるが、作り自体がシンプルなためさほどの故障はしないし、したとしても「ややこしい壊れ方」はほとんどしないはず。写真下の旧型アルファロメオ・アルファスパイダーも、電動ソフトトップは鬼門だが、あとはオイル管理をしっかりやっておけば、さほどの手間はかからない場合が多い。
アルファスパイダー
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
http://www.sgt-date.com

甘い果実は「リスク」の先にある

前回のエントリにて「テッパン路線」すなわち故障リスクの低そうな総額100万円輸入車について述べた。今回は、同じ総額100万円以内でも「アドベンチャー路線」である。つまり年式的に若干古く、そしてややマニアックなモデルであるため「購入後、何が起こるかわからない!?」といったイメージのモデル群についてだ。

気の早い人はさっそく当欄下部の物件リンクをクリックしてみていただいて構わない。どうだろうか? いかにもヤバそうな気配満点で、しかしそれでいて輸入車愛好家の琴線に触れまくる、ある種の妖気漂うモデル群であることをご理解いただけたと思う。個人的にはこちらの「アドベンチャー路線」こそが、総額100万円系輸入車の大本命と考えている。やはり人生、ある程度のリスクを取ってこそ、より甘い果実を得られるわけで。

で、これらモデルというのは本当にリスキーなのか? 実は意外とそうでもないのか? 不肖わたしの経験に基づき言わせてもらえば、「基本的には騒ぐほどではない」というのが結論だ。

もちろん一部にはかなり難敵なモデルもあり、ハッキリ言ってそういった車種は納車後も故障続きになってしまう可能性は否定できない。しかし一般的には、なんと言うか「車は車」なのだ。どういうことかと言えば、「車が走るための構造」というのは、古いモデルだろうが最近の車だろうが基本的には変わらない。そのキモとなる部分さえ劣化していないか、あるいは整備しておけば、日本車でも古めのイタリア車でも、車というのはそう簡単に立往生などしないものだ。実際あなたも「昨日と今日の2日間だけで、路肩で立往生してるイタ車を10台は見たよ、ワッハハハッ!」みたいなことはないはずだ。・・・ま、たまに1台ぐらい見かけるかもしれないが・・・。

そしてリスクを事前に軽減するのは難しくない

問題は、前述の「キモとなる部分さえ劣化していないか、あるいは整備しておけば」という前提を、販売店がきちんと満たしてくれているかどうかだ。この前提が崩れるとさすがに、残暑厳しき路肩で救援を待つハメになる。

しかしそこを見極めるのも、実はさほど難しくはない。良い評価も悪い評価も包み隠さず載せているカーセンサーnetの「口コミ」でそのお店のことをチェックしてみることに加え、現車の内外装とエンジン、足回りの状態を軽く確認し、あとは社会人としてごく常識的な感覚でそのお店とスタッフのことを観察してみるだけだ。すなわち、

●店舗内外は(築年数の古い・新しいではなく)キレイか?
●スタッフは時間などの約束にルーズではないか?
●スタッフの身だしなみは(スーツ着用かどうかという問題ではなく)ちゃんとしているか?
●良いことばかりを大げさに、早口でしゃべってはいないか?

などの、ビジネスマンとしてのごく基本的な資質を見る。ここがちゃんとしている販売店が売る100万円系物件は、もちろん中古車ゆえ「完璧」ではないが、ほとんどのケースでそれなりにちゃんとしているものだ。事実、わたしはこの見立てだけで過去6台ほどの100万円級アドベンチャー物件に「全勝」している。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
濃厚100万円級ガイシャという冒険、いってみる?


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE