アウディ e-tronスポーツバック▲アウディ初のピュアEV、e-tronスポーツバックを一般道&高速道路で試乗。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が、その感想をお伝えする

アウディの気概を感じる一台

アウディから満を持して電気自動車が発売された。しかもプレミアムSUVであって、フル電気自動車(BEV)、e-tronスポーツバックである。

「e-tron(イートロン)」というブランドは2009年からあるが、実はこのe-tron スポーツバックが、アウディとしては初めての量産型BEV。

アウディ e-tron スポーツバック

プラットフォームはMLB evoという2016年のQ7から用いられているものを採用している。

MLB evoは、フラッグシップモデル向けのプラットフォームで、ポルシェ カイエンターボや、ランボルギーニ ウルスにも使われている。それほどハイパフォーマンスに対応した骨格であるということだ。

自動車というのは、内外装や動力のクオリティがどれだけ良質でも、骨格がプアでは元も子もない。アウディは量産初のピュアEVを中途半端なものにしたくなかったに違いない。それぐらいの気概が感じられるプラットフォームということである。

それでは、エクステリアからレポートしていく。

アウディ e-tron スポーツバック
アウディ e-tron スポーツバック
アウディ e-tron スポーツバック

スポーティで堂々としたパネルとモールディング、レンズなどの樹脂類に至るまで隙がない。オンリーワンのデザインと技術の粋を稠密にして造られたと感じる精度だ。

カメラを使ったバーチャルエクステリアミラーのデザインも、飛行機の主翼のようで空力を感じさせる。

続いてインテリア。

アウディ e-tron スポーツバック
アウディ e-tron スポーツバック

クオリティは“さすがアウディ”といった仕上がりである。

良質な素材と高精度な表面処理を駆使して、未来的なハイクオリティさを予感させる。EVだからといってガラリと変えている様子はうかがえない。少しサイドに目をやり、バーチャルエクステリアミラーから映し出されたモニターを認識するまでは、同クラスのアウディと変わりない印象だ。

しかし、この唯一の未来感とも言っていいモニター部分も、インテリアのデザインに違和感なく組み込まれており、いい意味で「今までと変わらないアウディ」である。

アウディ e-tron スポーツバック

では、本題の試乗レポートに移ろう。

走り出しの感触は、とても素直で扱いやすい。EVならではの軽快さだ。

一般道を走ると、バッテリーの重量が手伝って、どっしりとした重厚感のある乗り心地を感じた。常用速度はとにかくスムーズで、文句のつけどころがない。アクセレーション時のモーター制御は、例えるなら6Lクラスの高級車のようで、負荷をかけても、急にアクセルオフをしてもスムーズで滑らかである。

そのまま高速道路に出る。2.5トンに迫る車重のはずだが、コーナーでとにかく重さを感じない。四輪の制御で実に滑らかに曲がるのだ。

そして急に加速させても、もちろんとても速いのだが、どこか上品さが残る。

アウディ e-tron スポーツバック

車線変更時、先述したバーチャルエクステリアミラーの視認性もいい。

こういったミラーレスの機能には、各社の能力とコストのかけ方を感じとれる。車によってはカメラと投影されるモニターにわずかな差があり、車酔いのようになることもあるのだが、e-tronスポーツバックの高解像度カメラとモニターの相性は非常に良く、そういったズレは感じられない。映像もとてもクリアに映り、スタティック状態でも視認性は良好だ。これは明らかに技術力とコストを投じている。

アウディの様々な歴代モデルたちは、これまでもベンチマークにされるような存在であったが、ピュアEV、しかも高級志向のSUVというジャンルで、今後またベンチマークされそうだ。

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●55 クワトロ 1st エディション バーチャルエクステリアミラー仕様 4WD

型式 ZAA-GEEAS 最小回転半径 5.7m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.9m×1.94m×1.62m
ドア数 5 ホイールベース 2.93m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.65m/1.65m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2560kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.19m
マニュアルモード -
標準色

アンティグアブルーメタリック、ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、フロレットシルバーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト

オプション色

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掲載コメント

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型式 ZAA-GEEAS
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アンティグアブルーメタリック、ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、フロレットシルバーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.9m×1.94m×1.62m
ホイール
ベース
2.93m
前トレッド/
後トレッド
1.65m/1.65m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2560kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 EAS-EAW 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 408ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
664(67.7)/-
エンジン型式 EAS-EAW
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 408ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
664(67.7)/-
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。