スチャダラパーBoseが大興奮!マニアックな60~70年代イタリア車を取り扱う販売店に行ってきた!【中編】
2020/04/14
日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseがカーセンサーで気になる中古車を探して実際に見に行く本企画。
今回は1960~70年代の珍しいイタリア車を多く扱う、秘密の倉庫のようなショップを潜入調査!
スチャダラパー
Bose
「今夜はブギー・バック」などで知られる、スチャダラパーのMC。ヒップホップ最前線でフレッシュな名曲を日夜作りつづけている。4月8日には待望のニューアルバム『シン・スチャダラ大作戦』をリリース、詳細は公式HPへ。愛車はフォルクスワーゲン ゴルフIIとフィアット ウーノターボ
60~70年代の超レア車を潜入調査
~語り:Bose~
前回は1960~70年代のフィアットを得意とする「SCC」の高田社長に、なぜ今のようなラインナップでお店をやっているかを伺ったんだ。
ところで僕は、1980年代に登場したフィアット ウーノに乗っている。他にも初代フィアット パンダや2代目パンダに設定された100HPにも乗ってきた。
そして今、興味が湧いてきたのがこれまでに乗ってきた車よりも、もう少し古いフィアット。車名に数字が使われているモデルなんだよね。
今回はそんな古くてレアなモデルも在庫にある「SCC」で、僕が気になったモデルを紹介しよう!
SCC 代表
高田佳弘さん
1960~70年代のフィアットを専門に扱う神奈川県藤沢市の販売店「SCC」代表。イタリアから代表の高田さん御自身が直輸入を行い、希少なイタリア車を販売している。
フィアット 127(1973年式)
いきなり本気な雰囲気が漂うやつを見つけた。これは127ですよね?
127のシリーズ1ですね。これはイタリアでヒルクライムに参加していた車両をそのままの状態で持ってきました。
どのあたりをいじってあるんですか?
エンジンのカムとキャブ、エンジンもボアアップしてありますね。元々は私がヒルクライムなどで遊ぼうと思って仕入れたんですよ。しばらく乗っていましたが欲しいというお客さまが現れたので私は手放しました。そのお客さまが手放すことになって、うちに戻ってきました。
必然的にそうなるよね。だって高田さんがこの価値を一番わかっているんだから(笑)。じゃあ前のオーナーもこれでレースをやっていたんだ。うらやましいな。カーセンサーを見ていたらこれがパッと目に留まって、ぜひ実車を見たいと思ったんですよね。
ヒルクライム仕様なので、他にもボディ補強なども行っています。
これを自分で仕上げようとなるとかなり高額になるはず。その意味では、この年代で最初から仕上がっているものっていうのはかなりお得なんじゃないかな。ブルーのボディカラーもかわいいよね。
こういう色を作れるのは、さすがイタリア人と思いますね。日本をはじめ、他の国にはないセンスだと思います。もしかしたら私たちとは見えている色が違うのかもしれないですね。ちなみにこの車のリアウインドウには“Scuderia Ciociaro Corse”(スクーデリア・チョチャロ・コルセ)というステッカーが貼ってあります。イタリアのレースチームのステッカーなのですが、うちの店名はこの頭文字から取ったんです。
今までは意識しなかったけれど、最近、この時代の車でレースに出たら面白いかもと思うようにもなったんですよ。いつか乗ってみたいな。
ランチア フルヴィア(1965年式)
フルヴィアといえば僕はクーペのイメージでしたが、セダンもあるんですね。フロントウインドウの直立具合がたまらないな。
4枚ドアはベルリーナと呼ばれます。
僕はアルファロメオのジュリアスーパーがすごく好きで。それに似ていますね。当時の日本の車もブルーバードとかがこのあたりのエッセンスを取り入れていますよね。
そうですね。影響を受けているかと思います。
パッと見たところは普通のセダンなのに、よく見るとめっちゃ速そうっていうのがいいよ。不思議な違和感だよね。これもレースとかに出ていたんですか?
これもイタリアでヒルクライムやラリーに出場していた車体です。
イタリアのヒルクライムってみんなどのくらいガチでやっているんですか? 僕は映像もあまり見たことがないんですよね。
イタリアはヒルクライムが盛んで、こういう車がガチでバンバン攻めていますよ。動画サイトでいろいろ見ることができます。コースはターマック(舗装路)なので、グラベル(非舗装路)を走っていた車より傷みは少ないですね。
タイヤがすごく小さいですね。
イタリアではレース用のタイヤを履いていたのですが、日本ではレギュレーション違反になるのでこれに履き替えました。
これくらいコンパクトでセダンってすごく魅力的だよね。今はこういうセダンがないのが残念。
フィアット 128
この128もいい感じですね。
128のエンジンは元々1.1Lなのですが、これは1.3Lにエンジンスワップ(載せ替え)されています。エンジンはビッグバルブになってハイカムも入っていますね。ミッションも4速から5速に載せ替えています。
イタリアの人は車の楽しみ方がすごいですよね。さすがラテン系! これが街を走っていたというのが信じられない。
この車の四角いテールランプは元々が1.1Lの2ドアセダンだという証しです。128にはスポーツモデルのラリーというグレードもありました。ラリーのテールランプは丸型になります。
フィアット 128 ラリー(1971年式)
この128もレース仕様ですね。
これがラリーというモデルで、エンジンが1.3Lになります。この個体もヒルクライムやラリーに出場していたやつですね。
そういうイベントに趣味で出場できるというのはすごくうらやましいと最近思うんですよ。ハードルはかなり高いけれど、どういう人が集まっているのかのぞいてみたい。
今は日本でもクラシックカーのラリーイベントが開催されています。そこへの出場を目指している方が多いですよ。この車だと、改造範囲が狭いクラス1を目指せます。出場している方は50歳でも若手だから、Boseさんもいけると思いますよ。
イタリア人のモータースポーツ愛に脱帽!
こうやって見てみると、イタリアの人のモータースポーツへの本気度が伝わってくるよ。
排気量が小さくてコンパクトな車も、思い切り走らせると楽しいんだよね。イタリア人たちは、昔からそういうふうに楽しんでいたんだろうね。
こういう車は他のお店ではなかなか見かけないから、一同に見られるのはとても楽しいよ。スポーティなモデル以外にも面白そうな車がまだまだたくさんあるよ。次回はそのあたりも紹介していこう!
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