【名車への道】’96 アルファロメオ 155 Q4
2019/12/15
■これから価値が上がるネオクラシックカーの魅力に迫る【名車への道】
クラシックカーになる直前の80、90年代の車たちにも、これから価値が上がる車、クラシックカー予備軍は多数存在する。そんな車たちの登場背景、歴史的価値、製法や素材の素晴らしさを自動車テクノロジーライター・松本英雄さんと探っていく企画「名車への道」。
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
天才が手掛けた90年代を代表する名車予備軍だね
――今月も車探し、苦労しました。
――アルファ155です。しかもMTで走行距離も少ないQ4です。どうです?
――ちょうどよく素晴らしい個体を見つけたんですよ。あ、こちらがそうですね。
――全然知りませんでした……。
――4WDだからQ4がベースですか?
――イタリア車って四駆モデルの評価が二駆より低いとき、ありますよね?
――4WDシステムが一緒ってことは、ランチア インテグラーレとプラットフォームが同じだったんですかね?
でもエンジンルームなんか見るとほとんどデルタも155も変わらない感じだった。あ、ちなみにエンジン自体はフィアットのブロックにアルファロメオが設計した16Vのシリンダーヘッドが搭載されているんだ。このエンジンのレイアウトデザインがいいんだよね。
――そもそもデザイナーは誰ですか?
アルファロメオだとTZ(*4)なんかがそうだね。コーダトロンカの代表するストラダーレのスポーツカーでレーシングカー。美しい形で有名なSZもそうなんだよ。
――それは凄い方ですね……。
大抵のモデルは初期型の方がいいとされるんだけど、僕は断然ブリスターフェンダーの後期型だね。
――改めて見ると素敵ですよね。
もっともレースで活躍していた頃はナローボディのタイプだったんだけどね。ナローボディーのQ4は2600台近く作られているんだけどワイドボディの155 Q4はなんと110台程度しか生産されなかったんだ。
――え? それも知りませんでした。
――確か1992年から98年ですよね?
――結構グレード豊富なんですね。
■注釈
*1 ランチア デドラ
プリズマの後継として1989年から発売。セダンとワゴンボディがあり、約10年と兄弟車の中で最も長く生産されたモデルである。
*2 エルコール・スパーダ
1938年生まれのイタリア人デザイナー。ザガートやBMWに所属し、多くの名モデルを生み出した。代表モデルはジュリエッタSZなど。
*3 アストンマーティン DB4 GTザガート
アストンマーティンラゴンダが作ったスポーツカーで生産は1960~63年。DB4GTを軽量化し、総生産台数は19台のみ。
*4 TZ
1963年に開発されたジュリエッタSZの後継モデル。正式名称はジュリアTZ。多くのレースに参戦し、輝かしい結果を残している。
アルファロメオ 155(初代)
アルファ75の後継車として1992年から1998年まで製造された4ドアセダン。フィアットグループ内の3社による開発プロジェクトで生まれたモデルで、ランチア デドラやフィアット テムプラと兄弟車種となる。発売期間が短い割にグレード数は多めで、Q4は4WDモデル。
※カーセンサーEDGE 2019年11月号(2019年9月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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