古めの車への課税強化に関する個人的対抗策
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/06/02
中途半端な年式ではなくグッと古い年式を買い、納得ずくで税金を納める
過日、神奈川県藤沢市の湘南T-SITE(蔦屋書店が運営する複合商業施設)の「CAR LIFE LAB」というコーナーで、希少なモーリス ミニ トラベラーを拝見する機会があった。詳しい年式などは調べなかったので不詳だが、おそらくは60年代末期の1台であり、そのクラシカルなたたずまいは本当に素晴らしかった。買って帰りたいと思ったし、その場で買わないまでも、家に買ってカーセンサーEDGE.netなどを通じて同年式の1台を買いたいと強く感じた。
しかし同時に思ったのが、「そういえば今年の4月から、旧車に対する自動車税の割増分が10%から15%に上がったんだよなあ……」ということだった。
ご承知のとおりいわゆる「自動車税のグリーン化」により、排出ガスおよび燃費性能の優れた自動車に対しては自動車税が軽減されるようになったわけだが、逆に古い車については「環境負荷が大きい」ということで重課がなされるようになった。具体的には、ガソリン/LPG車の場合は初度登録年月日が2002年3月以前の場合、これまでは10%だった自動車税の割増分が15%まで上がってしまったのだ(※ディーゼル車では初度登録年月日が2005年3月以前の車が対象)。
最近はすっかり物覚えが悪くなったため、「初度登録年月日が2002年3月以前」と言われても、その頃どんなモデルが新車として販売されていたのかがまったく思い出せない。そのため自宅に帰りPCにて検索してみて驚いた。お若い人がどう感じるかは知らないが、筆者のような中年の感覚では「ついこないだ登場した比較的新しい車」であるアレもコレもが、「旧車だから環境負荷がデカいでしょ?」という理由で重課の対象となっているのだ。
例えばポルシェ 911のタイプ996。しかも、その後期顔。
あるいは旧々型BMW 3シリーズ(E46)の、これまた後期型。
またあるいはアルファロメオのアルファ156。
……さっきも申し上げたが、どれもこれも筆者のようなおっさんからしてみれば「わりと最近の車」だ。それが、例えば1950年代に作られたアメリカ車と同じように「環境に悪いから」という言い分で、税金が高くなるのである。
ここで政治的な発言や議論をするつもりはないが、車好きとして「マジかっ!」と叫ばずにはいられないし、また単純に、自分からすればまだまだ全然新しい車にクラシックカー並みの税金を支払うのは業腹でもある。そして「それならいっそ新車買うよバカヤロー!」とも思ってしまうのだ。まあそれこそが関係省庁の目論見どおりな行動であり、それもまた業腹ではあるのだが。
ポルシェ 911のタイプ996やアルファ156などを売っている中古車販売店の営業妨害をするつもりはまったくないのだが、この業腹感をなんとかするためには中途半端な年式の中古車ではなく、グッとクラシカルな年式の輸入車を買うしかないのかもしれない。一例に過ぎないが、冒頭で紹介したようなローバー期ではない「モーリス」や「オースチン」時代のミニだ。
ミニに限らずこういった年代の車であっても、ポルシェ 996と同じように15%の割増自動車税は納めねばならない。しかしこれならばあきらめもつくというか、ステキなデザインとステキな味わい、そして確かに濃いめだろう排ガスを出してしまうことへの責任として、重課にも納得がいくというものだ。
まあとにかく、筆者としては自動車税のグリーン化に対していろいろと言いたいことはあるが、それはさておき1人の中古車愛好家としてこれからもクラシカルな車を快調に維持し、安全に運行させることを楽しみたいと思う。そして政府が何と言おうとも、「古い物を大切に使い続けるカーガイ」としての誇りを持って生きたいと思っている。
ということで今回のわたくしからのオススメは、「いっそグッと古い年式の輸入車」だ。
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- Conditions:1989年以前&修復歴なし&定期点検記録簿付き
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