登録済み未使用車ならではの「価格的ダイナミズム」を200％味わう方法

カテゴリー: クルマ

2015/02/18

▲国産新車の販売では一般的な「値引き」。しかし輸入車の場合は？

元の値段がある程度高めのモデルでこそ未使用車の「破壊力」は機能する

国産新車の販売および購買活動はある意味「値引き」を前提に動いている部分もあり、世の中には「値引き情報専門ジャーナリスト」的な方もいらっしゃるようだが、輸入車の場合は新車も中古車も、あまり表立って値引きについて語られることはない。しかし筆者取材によれば、輸入新車並びに中古車も決して「絶対に値引きゼロ」というわけではないようだ。

プライバシー保護および取材源秘匿の観点から詳しくは申し上げられないが、筆者の友人は過去に某社の某認定中古車で結構な値引きを獲得しており、また知人の職人氏は某輸入新車において割と大きな値引き額を引き出した模様。

かように輸入車の世界にも値引きという行為は確実に存在するわけだが、だからといっていきなり「じゃ、これから輸入車ディーラー行って値引き交渉してみるか！」と考えるのは早計だ。なぜならば「すべての輸入車に大幅値引きが適用される」というわけでは決してないからだ。むしろ値引きが提示されないケースのほうが圧倒的に多いだろう。

先ほどの例でいうと某認定中古車を購入した筆者の友人は「高額車で、長期在庫で」という前提があっての話であり、職人氏の場合は「高額車で、なおかつマイナーチェンジ前モデルのディーラー在庫だったから」という事情がある。要するにディーラーが「在庫しておくよりは、早く買い手がついた方が…」と考える個体については値引きが適用されることもあるが、そうではないもの、放っておいても正札で売れるモデルをわざわざ値引きする人はいないのである。

ということで今現在、何らかの輸入車を（それも新車か、あるいは新車に近いような中古車を）割安なプライスで買いたいと考える人は、「さしあたって今、ディーラーがなるべく早く売りたいと思っているモデルは何だろうか？」ということ考えてみれば、自ずと狙うべき車種は見えてくる。

本当は1軒ずつディーラーを回って実地調査をしたり、新聞折込チラシを取り寄せて解析するのが、今お買い得な車種を探すうえではもっとも確実なのだろうが、筆者を含む忙しい現代人がそんなことをやっているヒマはなかなかないものだ。

そんなときにヒントとしたいのが、カーセンサーnetおよびカーセンサーEDGEnetの検索パネルにおける「登録（届出）済未使用車」というボタンだ。これによりさしあたって今、登録済み未使用車が多いモデルは何かを知ることができ、登録済み未使用車が多いということは、「おそらくだけどディーラーは今、それをなる早で売りたいのだろうな」という推測ができるわけだ。その推測が100％合っているかどうかはさておき。

で、さしあたって今、登録済み未使用車の数が多いモデルの一つとして現行VWポロがある。

▲VWのベーシックラインを受け持つ現行ポロ。2014年8月にやや大がかりなマイナーチェンジを実施

本稿執筆日現在で、2014年8月のビッグマイナーチェンジ前後の2014年式未使用車が全国で26台。なかなかの数であり、探しやすいのだが、しかし価格がいけない。いや十分安いのだ。例えばだが新車価格228万円のTSIコンフォートラインが、未使用車であれば180万～190万円ほどで探せる。安いがしかし、新車価格との価格差が「微妙」なのである。これが100万円ぐらいの差があるなら即決だが、40万円前後の差となると「確かに魅力的だが、そのぐらいの差ならいっそ新車を…」という考えも頭をよぎるのが人間というものだろう。

要するに「そもそもの価格がある程度高いモデルじゃないと、登録済み未使用車の価格的ダイナミズムは味わいにくい」と言うことができる。ポロぐらいの価格帯でも十分お得はお得なのだが、「ドーンとお得！」的なダイナミズムにはやや欠ける…ということだ。

そうなると狙うべきは新車価格300万円以上、できれば400万円以上ぐらいのモデルの登録済み未使用車ということになるだろうか。で、そういったなかで今注目したいのがボルボのステーションワゴン「V60」だ。

▲2011年6月に登場したボルボのミドルサイズ・ステーションワゴン。実はフロントシートの出来も絶品

ご承知のとおり現行V60は2013年8月にいくつかのマイナーチェンジが施された半年後の2014年2月に、新世代パワートレーン「Dirive-Eパワートレーン（自社開発の2L 直列4気筒直噴ターボエンジン＋8AT）」を採用。そしてさらにその約半年後の2014年10月には先進安全装備の「IntelliSafe10」が全車標準に…という立て続けのマイチェンの影響で今、2014年10月前後の個体が結構な数の登録済み未使用車として出回っているのだ。

具体的には、本稿執筆日時点で2014年式ボルボ V60の未使用車は33台。そしてそのプライスは、当然個体の状態やオプション装備などにより様々だが、新車価格450万円のT4SEが370万円前後。そして新車価格665万円のT6 AWD R-DESIGNはマイナーチェンジ後の物件が500万円前後であり、旧フェイスでも問題なければ400万円前後でも狙えてしまう。665万円－400万円＝265万円ということで、価格的なダイナミズムは十分以上といえるだろう。

もちろん安いモノには安いなりの理由がある。前述の400万円級 T6 AWD R-DESIGNの顔つきは正直古いと感じる人もいるだろうし、「IntelliSafe10」と比べるとアクティブセーフティの部分で劣っている個体もあるだろう（このあたりは初代オーナーが選んだオプションの内容によるので一概にはいえないが）。

▲ちなみに前期V60の顔つきはコレ。筆者は割と好きですけどね

しかしそういった部分を納得ずくの折り込み済みで狙うのであれば、2014年式ボルボV60の各種登録済み未使用車は非常にお買い得な選択となるだろう。またディーラーもこういった在庫をいつまでも持っているわけにはいかないため、筆者は苦手だが、人によっては効果的な「値引き交渉」によりさらなるプライスダウンを引き出せる可能性もゼロではない（ま、このあたりは断言はできませんが）。

ということで今回のわたくしからのオススメはズバリ「2014年式ボルボ V60の登録済み未使用車」だ。