’61 MERCEDES-BENZ 300Sc

VINTAGE EDGE PDF版を公開

2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'61 MERCEDES-BENZ 300Sc」、「'90 FERRARI F40」、「'63 PORSCHE 356 SC」、「'70 FERRARI 365GT 2+2」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'61 MERCEDES-BENZ 300Sc】 このモデルは所有できるようなクルマではなかった

'61 MERCEDES-BENZ 300Sc

ベースとなる高級サルーンの300リムジーネが51年に登場し、その後王侯貴族たちが乗るさらに高級なクルマとして生産されたのが300S。ボディタイプはカブリオレ、ロードスター、クーペの3種類が用意され、使われる素材、製法、そして性能と当時のメルセデス・ベンツの技術がすべて注ぎ込まれていた。そして55年に追加されたのが今回撮影している300Sc。出力は175psにまで高められ、その生産台数は世界98台と言われている、超希少車である。



【'90 FERRARI F40】 このクルマは本当の意味でフェラーリ最後の血統だよ

'90 FERRARI F40

「レースにそのまま出られる市販車」というコンセプトでフェラーリ創始者のエンツォ・フェラーリが生涯最後に手がけたスペチアーレモデル。当時現役F1ドライバーだったゲルハルト・ベルガーが「雨の日には絶対に乗りたくない」と話したというのは有名な逸話。それほどまでに過激なパワーが与えられ、最高速度は324㎞/h。新車価格は日本のディーラーで4650万円。生産台数は1311台、日本へは59台正規輸入されたと言われている。



【'63 PORSCHE 356 SC】 ボクが一番好きなポルシェ、それが356なんだよ

'63 PORSCHE 356 SC

1948年から製造が開始されたスポーツモデルで初めてポルシェの名前で発売された名車。実用性の高さとスポーツ性能を併せ持ち、瞬く間に人気を得た。タイプ64の延長上として55年まで作られたモデルが第1世代、56年から356Aとなり第2世代となる。356Aは56年から59年、356Bは59年から63年、356Cは63年から65年まで製造された。356SCは63年に登場し、エンジンも改良。最高出力やブレーキが改良され、当時から高い人気を誇った。



【'70 FERRARI 365GT 2+2】 フェラーリの作るGTはとにかく格好いい

'70 FERRARI 365GT 2+2

1967年に330GT2+2の後を受けて登場し、僅か3年間だけ製造された2ドア4シーターのGT。クイーンメリーと呼ばれる美しいデザインだけでなくフェラーリ初の独立懸架リアサスペンション、4.4LのV12エンジンなど、当時のフェラーリのプレステージモデルに相応しい、多くの最新技術が採用されていた。またリアシートも大人が十分乗れるだけのスペースが確保され、GTらしい作りとなっている。今回の撮影車両はボディカラーがバーカンディで、美しくレストアされているため車両のコンディションも非常に良い状態。