ポルシェ 911(タイプ964)|伊達セレクション
写真上はオリジナル911と同じ顔つきの911としては最後の世代になるタイプ964。ATであるティプトロニック仕様なら200万円ほどから狙えるが、走行距離少なめのMT仕様は400万円オーバーが当たり前で、ここ最近はさらに上昇傾向。写真下はさらに1世代前のタイプ930のターボ仕様。言わずと知れた名車である。こちらは今も昔も良質物件はかなりの高値。
ポルシェ 911ターボ(タイプ930)|伊達セレクション
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値上がり中の空冷911MT車で今こそ資産形成を!?

英国の日刊紙「フィナンシャルタイムズ」によれば、「最も優良な投資先」とは株でも不動産でもなくクラシックカー、特に「クラシックフェラーリ」なのだという。例えば1959年製のフェラーリ250GTベルリネッタは、2003年の時点で119万5691ドルの値がつけられたが、2012年には同型車が671万ドルに。実に約400%の上昇である。たしかにこれは大変優良な投資であるのだろう。

ここまでの上昇幅になることはもちろんないだろうが、空冷エンジンを搭載したポルシェ911、とりわけタイプ964までの「オリジナル911と同じ顔立ちの911」が今、じりじりと平均相場を上げている。

筆者の独自取材によれば、2010年頃までは歳月とともにそれなりに相場を下げていたタイプ964以前のポルシェ911だが、2011年頃からはほとんど下がらなくなり、ここ1年ほどは完全に横ばいか、あるいは微上昇に転じているのだ。

もちろん964以前のポルシェ911なら何でもかんでも値上がりするわけではなく、いくつかの条件はある。まず走行距離を中心としたいわゆるスペックが上物の部類に入り、かつ実際のコンディションも上物と呼べる水準であること。そしてATのティプトロニックではなくMTであること。フルノーマルか、それに近いニュアンスであること。それが、今後さらに資産価値が増加するかもしれない空冷ポルシェ911の条件だ。

しかし911という車は毎日乗り倒してナンボです

しかし無論、ここで筆者が言いたいことは「空冷911の資産バブルが起きるかもしれないから、良さげなやつを早めに買って車庫にしまいこんで、数年後に売却して儲けましょう!」などということではない。

いや、そうしたければ勝手にすれば良いとは思うが、クラシックフェラーリと違い空冷911は「しまい込まれること」が本懐であるとは到底思えない。コンビニにも911で……というのは少々やり過ぎかもしれないが、しかしなるべく普通に使ってあげることこそが、ポルシェ911という車本来の役割であるはずだ。

それゆえ、言いたいことは二つ。今後は良質物件のタマ不足がさらに進むはずなので、「伝説の空冷911に乗るという夢は早めに叶えておこうではないか!」という、ある種ロマンの部分。そして第二に「で、買った空冷911を数年後に売却するとしても、良い状態をキープしとけば結構な価格で売れるはずだから、何かと安心じゃないすか!」という、セコい計算。

以上の二点である。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
さらなる値上がり必至の良質空冷911、今のうちにどうですか?


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE