ランチア デルタ HF インテグラーレ 内装|伊達セレクション
写真上はまさに不肖伊達が所有する私物デルタ(94年式エボⅡ)のメーター回り。今年6月に購入した直後の写真のため距離計は約6.2万kmを指しているが、現在は約6.8万km。その間もエンジンオイル交換以外は特別な整備もなしで健康体で過ごせている。写真下は市販車ではなくWRC(世界ラリー選手権)の92年シーズンに参戦したラリーカー。このカラーリングに憧れる人もいまだ多し。
ランチア デルタ HF インテグラーレ グループAカー|伊達セレクション
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結論。デルタ インテグラーレは壊れない

不肖わたくしの自家用車は94年式のランチア デルタである……と、のっけから私事で恐縮だが、これも公益性のある話への前振りゆえ、どうかお付き合い願いたい。さて、デルタとは巷で「ブチ壊れまくる」というウワサが絶えない車であり、わたしもそれを覚悟で今年6月に購入した。

納車後しばらくは期待に反して(?)なかなか壊れなかった。で、その後の夏を乗りきり、秋をやり過ごし、そろそろお餅が食べたい季節になった今、我が94年式デルタはどうなっているか?

相変わらずまったく壊れない。

いや正確に言えば、片側のブレーキランプが接触不良でたまに点灯しなかったりはする。が、肝心カナメの部分はまったく無事である。

ということで、そろそろ「結論」を出しても良いだろう。デルタは壊れないのだ。世間のウワサほどには。

無論、「なんでもかんでも壊れない」と断言してしまったら、それは明らかに間違いだろう。様々な前提条件は必要である。ということで不肖わたくしがこの半年間、日本各地の地べたを這いながら収集し確信した「(たぶん)壊れないデルタの3条件」を明らかにしよう。

1. 絶対ではないが、最終型の「エボリューションⅡ」を狙う
2. お金持ちが乗っていた「棚ぼたデルタ」を狙う
3. 購入後も「放置プレイ」は厳禁と知る


「棚ぼたデルタ」をちゃんと整備しつつ乗るべし

それぞれに解説が必要だろう。まずは1の型式問題。エボⅠ以前のデルタが必ず壊れるわけではないが、様々な話を総合すると、やはり望ましいのは93年以降の最終型「エボリューションⅡ」と、その派生モデルであるジアッラやコレツィオーネなどであるようだ。

2の「棚ぼたデルタ」とは、財力のある前オーナーが、その財力にモノを言わせてきっちり整備していた物件。そういった物件であれば、巷で言われているほど壊れまくることはない。具体的には以下が、棚ぼた系か否かの判別ポイントとなろう。100%確実な判別法ではないが、それなりの精度はあると確信している。

・記録簿に記載されている工場のグレード(ネームバリュー、立地など)
・塗装状態(特にレッドは、屋根なし駐車場保管だとすぐに色あせする)
・サイドシル上端内装側の表皮(デルタを屋根なし駐車場で保管すると、紫外線のせいでココがめくれ上がってしまうことが多い)

3の「放置プレイ厳禁」とは要するに、棚ぼた系であっても「デルタ=身体の弱い子」であることには変わりない、ということ。点検および整備に積極的でなければ、残念ながらやはり早晩壊れるだろう。具体的には異音や違和感に敏感になることと、3000kmごとを目安にDIYではなく“専門工場で”エンジンオイルを交換することが重要となる。オイル交換自体もそうだが、その際ついでにプロの眼で各部の状態を見てもらうことこそが実は重要なのだ。

若干長くなってしまった。が、これも巷の根強い偏見を打ち破るためのことゆえ、ご容赦願いたい。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
本当に欲しければイッテみるべきです、デルタ インテグラーレ!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE