ポルシェ911(タイプ997) | 伊達セレクション
写真上は最新世代から数えて直近のポルシェ911である「タイプ997」。写真下は言わずと知れた70~80年代にかけて活躍した古豪、タイプ930(写真はカブリオレ)。純粋な「技」だけでいえば当然タイプ997のほうが圧倒的に優れているが、「心・技・体のバランス」という観点で見れば「どちらも名横綱」ということもできる。特に「空冷」という「心」は、ある種の層には強く響くだろう。
ポルシェ911カブリオレ(タイプ930) | 伊達セレクション
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お相撲さんだけでなく輸入中古車も「心・技・体」が重要だ

モンゴル出身の力士・日馬富士が過日、大相撲の第70代横綱に昇進した。力士としては小兵ながら最高位にまで登りつめた日馬富士関には今後とも「心・技・体」をより一層極めていただき、平成のベビーフェイス横綱としてさらなる活躍をしていただきたいと願っている。

同時に、相撲道において重要な「心・技・体」とは、輸入中古車道にも当てはまるのではないかと思う不肖伊達である。

相撲における心・技・体とは、言うまでもなく「精神力/技術/体力」の3要素を指す。ただ強いだけでなく、これらのバランスが取れていて初めて「名力士」とされるわけだ。

そして輸入中古車の心・技・体とは無論、相撲におけるそれと同じではない。わたしが考える「中古車の心・技・体」は、こうだ。

●心:その車となら心中してもいい! と思わせるほどの神話性あるいは伝説をもっていること。要するに「ストーリー」だ

●技:これは文字どおり技術、「テクノロジー」である。車好きの琴線に触れまくる何らかの男っぽい技術。決して「最新技術」である必要はないが、「とにかくオレ好みの強力なテクノロジーを含有しているのだ!」という自己満足が、車好き(特に男子)にとっては重要なのだ

●体:中古車としての「コンディション」であり、「パワー(体力)」でもあり、また「デザイン性(体の線)」でもある。

自動車界の「大横綱」はやはりポルシェ911か

下駄としての車を買うのであれば、ハッキリ言って何でもいい。燃費が良くてエココンシャスならそれでいい、という見方もあるだろうし、「とにかく安けりゃいい!」という価値観もある。「なんとなく乗り心地がいい」「なんとなく形が好き」というのだって立派な“理由”であろう。

しかし、そうではなく「伴」あるいは「友」としての車を選ぶのであれば、絶対に「心・技・体」の3要素を意識したほうがいい。「技」だけの車はすぐ飽きるし、そもそも、その「技」だって日進月歩の世界ではすぐに陳腐化する。「体」もまたしかりだ。新しい車のパワーにも美にも、そしてコンディションにも、悲しいかな人間はすぐに慣れてしまい、麻痺するものだ。そしてもちろん「心」だけでは、車は1ミリたりとも前には進まない。

しかし「心・技・体」が高次元でバランスした1台を見つけることができたあかつきには、あなたの日々のカーライフはバラ色になるだろう。道具ではなく「伴」または「友」として付き合うのであれば、そんな1台であってほしいものだ。

「100%の客観」というものは世の中に存在しないが、しかし、なるべく客観的に「心・技・体にすぐれる輸入車」を探そうと思うと、やはり下記リンクにある「ポルシェ911」が最有力候補になる。抜群の心(ストーリー)と、世界最上に近い満足度を自動車愛好家に感じさせる「技」、そして、評価は人により異なるだろうが、一般的に言ってすばらしい「体」。これらの三位一体により、ポルシェ911という車は世界中のカーガイから熱い支持を受け続けているのだ。

しかし無論、ポルシェ911というのはあくまで一例に過ぎない。とにかく「心・技・体のバランス」を見据えたうえで、あなただけの「名横綱」を探していただきたい。わたしが言いたいのは、それだけだ。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
大切なのは「心・技・体」。ということでとりあえずはポルシェ911!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE