▲居住性よりもスタイリングが重視される三菱の新型クーペSUVには、三菱の新世代フロントフェイス、ダイナミックシールドが用いられ、力強さと個性が発揮される ▲居住性よりもスタイリングが重視される三菱の新型クーペSUVには、三菱の新世代フロントフェイス、ダイナミックシールドが用いられ、力強さと個性が発揮される

スポーツ・アクティビティ・クーペの元祖、BMWもビックリ

得意とするSUVづくりを企業活動の柱に据える三菱自動車。同社は、今後も車高の高いクロスオーバー市場が拡大するとの予測に基づいて、商品プロジェクトの見直しを敢行した。ラインナップ拡充を狙って新たな車種を投入する方針だが、既存モデルとどう違うのか。

SUVと電気の力で一歩先へ。これは三菱が東京モーターショーで掲げたキーフレーズだ。これからの同社の車づくりを象徴している。また、デザイン改革にも注力し、「ダイナミックシールド」をアイデンティティとして採用していくことも訴求している。

アウトランダーPHEVが予想以上に売れて輸入車からの代替えも生じているなど、SUVと電動化技術の組み合わせが市場で受け入れられていることを実感したようで、三菱はSUVラインナップの拡充へと舵を切ることにした模様。そこで浮上してきたのが、ここでお伝えするクーペSUVだ。

クーペSUVといえば、BMWが頭に浮かぶ。独自の呼称、SAC=スポーツ・アクティビティ・クーペの第1弾として、X6で市場を切り開き、競合社メルセデス・ベンツも遅まきながら追従することになったクーペSUVは、欧米でプレミアム層に支持されており、BMWはワンクラス下にX4も投入して勢力拡大を目論んでいる。

フォルクスワーゲンとマツダも同様のコンセプトカーを公開するなど、今後も新規モデルが続々と参入してくることは、想像に難くない。

▲早くからクーペSUVを手がけてきたBMWのX4。ここで紹介する三菱のクーペSUVと、いいライバルになりそうだ。BMWでは、さらにコンパクトなX2を開発している ▲早くからクーペSUVを手がけてきたBMWのX4。ここで紹介する三菱のクーペSUVと、いいライバルになりそうだ。BMWでは、さらにコンパクトなX2を開発している

三菱も負けじとクーペSUVを計画してきたことは、2013年公開のコンセプトXRで明かされた。そのスタイリッシュなフォルムと迫力ある表情は高い評価を獲得、三菱は次期RVRとして投入する方向でプロジェクトを進めていた。2015年春には、進化版ともいえる第2弾を公開したことからも明らかだ。

ただ、一方で三菱社内では「RVRのオーナーもカバーできるのか」との疑問が浮上し、計画そのものが見直されることとなった。その結果、やや複雑でわかりにくいが、コンセプトXR改め、クーペSUVが新規モデルとして計画され、次期RVRはこれとは別に用意されることとなった。

コンセプトXRの時点では、2016年の発売が計画されていたが、1年ほど予定が遅れ、2017年にクーペSUVはリリースされるようだ。これには、一部で報じられたように、車体の軽量化に伴う開発で、困難な課題に直面し、これが意思決定会議の場で共有されなかったことも原因といわれている。

▲次期RVRとして2016年の発売を視野に入れて開発が進められていたコンセプトXR。計画の見直しで白紙に戻された ▲次期RVRとして2016年の発売を視野に入れて開発が進められていたコンセプトXR。計画の見直しで白紙に戻された

こうした事情を受けて2017年にデビューするクーペSUVは、FFプラットフォームに電動化技術が与えられ、コンパクトクロスオーバーのRVRと、アウトランダーの間に位置する車として投入される。仮称から想像できるように、クーペのようにスラントしたバックウインドウが用いられ、フロントには、新世代三菱車の顔である「ダイナミックシールド」が織り込まれるだろう。

※2015年12月23日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年
■全長x全幅x全高:4500x1765x1600(mm)
■搭載エンジン:2L 直4+モーター

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、三菱自動車、BMWジャパン