辰巳氏が追いかけるスバル車の可能性(後編)

昨年、辰巳英治氏が手がけたレガシィB4 tuned by STI を1200km試乗した後、彼にメールを入れた。すると彼から「第2弾の開発をすでに始めている」という、その時点では極秘扱いのメールが届いた。そして今年1月11日、幕張で開催された東京オートサロンで辰巳氏のスペシャリティカー第2弾「スバル レガシィ B4 S CONCEPT」 がベールを脱いだ。
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レガシィ B4 S CONCEPTは、2.5Lツインスクロールターボエンジンをベースに、たび重なるEU圏のサーキット(ニュルブルクリンクなど)や一般道(アウトバーンなど)でのテストを経て完成された。今あるオートマチックミッションでは、この車のエンジンパワーを受け止められないらしく、現時点ではマニュアル車の設定しかない。

もともと、STIの生産計画の中にこの車は存在しなかった。辰巳氏の想いをSTIが受け止めて急きょ計画されてできた、イレギュラーな一台なのである。現行B4のポテンシャルを知り尽くした男が、彼の考える「楽しく走るための車」を作るため、そのすべてをSTIの技術者たちにぶつけてできたのが今回の車。残念ながらまだ試乗していないので、そのポテンシャルを実感することはできないが、現行のB4を間違いなく最高の車に仕立て直しているであろう。

発売は未定とされているが、年内中それも夏前くらいには発売されるのではと予想する。さらに今後のこういったSTIスペシャルの予定だが、以前よりNAのフィーリングが好きな辰巳氏は、インプレッサでNAスペシャルカーを計画しており、コンセプトモデルが東京オートサロンで出品されていた(スバル インプレッサ NA CONCEPT by STI)。それと、背が高くて走りの良いモデルも、フォレスターで考えているそうだ。
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余談だが辰巳さんは今年2台の車を購入した。一台は研究用のBMW Z4。もう一台はスバルR1。これは大好きな一台なのだとか。STIでR1のSTIバージョンを作りたいと伝えたようだが、さすがに無理らしい。「子育てが終わった大人が、夫婦2人でちょうど良い走りの楽しい小さい車。R1は最適なんだがなぁ」と、あきらめていない様子なので、いずれ出てくるのでは?と期待しておこう。
合掌!
<奈落院煩悩寺和尚>