スチャダラパーBoseが、都会派リフトアップに惚れ込んだ!
2017/08/28
人と違うことをやりたい。そしてリフトアップの道へ
1990年のデビュー以来、日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパー。中古車マニアでもあるMC、Boseが『カーセンサーnet』を見て触手が動いたDEEPでUNDERGROUNDな中古車を実際にお店まで見に行きます!
今回はCar House ATHLETEにお邪魔した記事(関連リンク参照)の後編です。
編集部:カスタムというと一般的には車高を落としたローダウンになると思いますが、こちらのお店が手掛けているのは逆に車高を高くしたリフトアップ。奥が深いですね。実車を見てがぜん興味が湧きました。
Bose:カッコいいと思う感覚は人それぞれ。その分、カスタムのベース車やカスタムの方法もいろいろなんだよね。でもオンロードを意識したリフトアップはまだ新しいジャンルだと思う。稲葉さんは長くアゲ系のカスタムを手がけているのですか?
Car House ATHLETE 稲葉さん(以下、稲葉):私はもともと、大手の中古車販売店で20年ほど勤務していました。そこで販売のイロハを学び、独立したんです。修行中からカスタムが好きで、趣味でシボレー アストロなどを自分でローダウンしていました。そのため、独立した頃は販売とカスタムが50:50という感じでしたね。でもだんだんとカスタムの仕事の割合が増えてきて、現在ではカスタム販売がメインになっています。
Bose:自分の趣味と仕事が結びついて花開く。仕事をするうえで理想的だよね。きっと毎日楽しいはずだよ。
稲葉:独立当時のカスタムの主流はローダウンで、私もローダウンを手がけていました。ところがよそと同じことをやっていても、私のような新参者で店の規模も小さいところだと、お客さんが見てくれないんです。しかも神奈川県は激戦区ですからね。デモカーを専門誌に掲載してもらっても反応はゼロ。つらかったですよ。
Bose:ローダウンも、一時期各ショップがどこまで下げられるかを競い合っていましたからね。中にはどうやって走るんだろうというものまであった(笑)。
稲葉:そう。そこでいろいろ考えて、世間の流行とは逆の方向でやってみようと思ったんです。それが今から6年ほど前です。僕が知る限り、こういう車でリフトアップをしたのはうちが初めてだと思います。だから最初は本当に手探りでしたよね。そして1年ほど試行錯誤して、前回話したボディリフトという方法にたどり着いたんです。
リフトアップのカスタムが、仕事人からも注目されている!?
Bose:僕が雑誌でリフトアップしたカスタムを見つけて「いいじゃん」と思ったのもそのくらい前なんだよね。お店の名前はチェックしなかったけれど、稲葉さんが手がけた車だったのかも。ところで、こちらで手がけているカスタムのベース車はエブリイ、ハスラー、キャリイトラックと、全部スズキ車。何か理由があるんですか?
稲葉:もともとエブリイが好きで、古いのから新しいのまで、エブリイを買っては自分でローダウンしていたんですよ。エブリイは雰囲気がアストロに似ているというのもありますね。その流れで最初にリフトアップしたのもエブリイでした。
Bose:アストロのローダウン、カッコよかったもんね。その流れがエブリイにあるんだ。
稲葉:そしてスズキ車を選んだのはもう一つ理由があります。スズキは一つの部品を多くの車種で長く使うので、カスタムパーツも流用が効くんです。だからいろいろな車種に応用しやすいんです。ダイハツをはじめ、他のメーカーでカスタムの相談を受けることもあるのですが、足回りを見ると構造が複雑なうえに車種ごと、さらに同じ車種でもモデルチェンジごとに構造が変わっていることが多いんですね。そうなると、例えば100セットほどキットを作って在庫を抱えてもモデルチェンジで全部使えなくなってしまう可能性があるんです。
Bose:スズキは同じ部品で違う車を作るのがうまいというもんね。カスタムするうえでも都合がいい。でも逆に、他のメーカーは贅沢な作りをしているのかな。
編集部:ハスラーも、ワゴンRをベースに作っているというのは有名ですもんね。新しいワゴンRはFZやスティングレーがアメ車っぽい雰囲気だし、カスタムのベース車になるんじゃないですか?
Bose:ダメだよ。ワゴンRを稲葉さんがやるとしたら、間違いなくサゲの方向に走るから。ショップのコンセプトが揺らいじゃう(笑)。
稲葉:そうですね。あれは下げたくなっちゃいます(笑)。
Bose:今回実車はなかったけれど、キャリイトラックのカスタムはどんな人が乗るんですか? 軽トラという究極の実用主義を完璧に遊びの方向に振るんだから、興味あるよ。
稲葉:もちろん遊び車としてカスタムする人が多いですが、一方で仕事で使うという人も増えているんです。これは私も驚きました。
Bose:仕事で使うってどういうこと?
稲葉:例えば農作業をする方から、「車高が上がっている方が便利だから」とホームページを見て連絡をいただくことがあるんです。今、店にある白いエブリイは車検で入庫しているのですが、オーナーは林業を営まれている方です。山の中は切り株などがあるので車高が高い方がいいと。山といえばジムニーを想像する方も多いでしょうが、ジムニーだとチェーンソーが積めないらしいんですよ。この方はエブリイとキャリイのリフトアップにお乗りいただいています。キャリイの方は本気で山の中で使うので、外装は傷だらけです。木にぶつかったり、泥だらけになったりしますからね。
Bose:すごい! 社長は都会的で、言葉は悪いけれどチャラチャラした路線を狙ったのに、プロからの需要が高まっているんだ。
稲葉:だから私もお客さんからいろいろ教えていただきながら勉強しているところです。例えばファッションとしてのカスタムだとエブリイならロールーフが基本です。ボディが薄い方がアゲ感を強調できますからね。でもプロは荷物がたくさん積めるハイルーフじゃないとダメ。ボディサイドのスカートもアゲを強調するために外していたのですが、プロはついていた方がいいと。他にも最近は工務店を経営されている方が会社のイメージアップで乗ってくれたり、変わったところでは狩猟をやられている方からの問い合わせもあります。エブリイやキャリイにケージを積んで、車内から鳥などを狙うそうです。
Bose:狩猟! どんどんガチになってるよ(笑)。
もちろんベース車は中古車でもOK。2WDの方が選択肢が広がりそう
Bose:カスタムは新車、中古車、どっちでもOKですか。
稲葉:今は新車でカスタムしたいという人が8割くらいですが、もちろん中古車でも大丈夫です。ただ、中古車だと一つ問題が出てきます。
Bose:どんな問題ですか?
稲葉:リフトアップでタイヤも大きいものを付けるので、8割以上のお客さんがベース車に4WDを選ばれています。車高が高い=4WDというイメージがあるんですね。ただエブリイを新車で買う人は仕事で使うケースが多いので、実用性や燃費のことを考えて2WDを選ぶ人がほとんど。つまり4WDの中古車流通量が極めて少ないんです。4WDは雪国でハードに使われた車なので、融雪剤の影響でボディが傷んでいるものが多くなります。だからベース車を探すのが大変なんですよね。もちろん2WDをベースにするならなんの問題もありません。
Bose:プロが使うなら別だけど、街中で乗るなら2WDでも問題ないだろうし、中古でやりたいならその選択もアリかも。ところで、稲葉さんは内装のカスタムはやらないんですか?
稲葉:基本は外側ですが、お客さんの要望があればやりますよ。
Bose:僕からの提案なんだけど、このスタイルでキャンピング仕様を作りませんか? エブリイを見て、これでキャンプに行きたいなって思ったんですよ。僕は軽キャンパーも好きでいろいろチェックしているんだけど、キャンピング仕様を作っている人はどれだけ室内を快適にできるかに全力を注いでいるから、外側はいたってノーマルという車ばかりなんだよね。せっかくキャンプに行くのだから、僕としてはキャンプ場に似合う車で遊びたい。このお店のエブリイを見て、これでキャンピングカーが作れたらって思ったんですよね。
稲葉:実は先日家族で赤レンガ倉庫に出かけたときにたまたまキャンピングカーショーをやっていたんですよ。ちょうどBoseさんと同じ発想ですね。
Bose:決まりだよ。アゲカスタムのキャンピングカーがあれば絶対に盛り上がるって。稲葉さんが手がけてくれること、期待しています!
年末恒例のワンマンライブ、今年も開催!
スチャダラパーが東京・恵比寿のリキッドルームで毎年開催しているワンマンライブが今年も決定! タイトルは「暮れの元気なごあいさⅢ(KGGⅢ)」!!! 年の瀬には欠かすことのできない、ファンとスチャダラパーの生存確認。カーセンサー読者もぜひ!
『暮れの元気なごあいさⅢ(KGGⅢ)』
出演:スチャダラパー
会場:恵比寿 LIQUIDROOM
公演日時:2017 年12 月10 日(日)
開場時間:16:00 /開演時間:17:00
料金:前売5,000円(税込) オールスタンディング ※ドリンク代別
チケット発売日:9月9日(土)
INFO:HOT STUFF 03-5720-9999
www.red-hot.ne.jp
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