ホンダ N-BOX モデューロX▲コンプリートカーブランド「モデューロX」の第1弾として2012年12月に登場したのが、N-BOXカスタムをベースにとしたN-BOX モデューロXだ

全体の0.7%ほどしか掲載されていない激レア車

「N-BOX+」や「N-BOXスラッシュ」を含めて、年間販売台数で度々ナンバー1となり、累計100万台以上を売り上げた初代ホンダ N-BOX。そんな超人気車ともなると、駐車場などで他人とカブってしまいがち。

もちろん、純正や市販品のカスタムパーツなどで、自分らしい個性を出すこともできるが、最初から「他人とは違うN-BOX」を選ぶという方法もある。例えば、今回オススメする「モデューロX」もそのひとつだ。

2011年12月に登場したN-BOXに、ホンダのアクセサリー用品を手がけるホンダアクセスが開発するコンプリートカーの「モデューロX」が追加されたのは2012年12月。このN-BOXを皮切りに、ステップワゴンやS660、ヴェゼルへと展開されている。

ホンダこだわりのスポーツモデルであるN-BOX モデューロXなのだが、原稿執筆時点で見ると、初代N-BOXの総台数が6400台以上あるのに対し、なんと約0.7%にあたる44台しかない!

1000台のN-BOXとすれ違って、たった7台(自分の車を除くと6台)しか現れない計算になる。

他のグレードはというと、例えばGが3000台以上(約47%)、カスタムGターボなら1000台以上(約16%)といった具合。見た目で違いの分かりやすい特別仕様車の2トーンパッケージでも、度々登場したことや設定グレードが多かったこともあり、約200台(約3%。モデューロXを除く)ある。

しかも2017年9月に登場した現行型に、今のところモデューロXは設定されていない。だから存在自体が希少車だ。

ちなみに台数の少なさだけでいえば、モデル末期の2015年11月に設定された、最も廉価な「C」が25台と最も少ない。しかし、「装備が簡素化されたお手頃価格」モデルという位置付けなので、中身で比べれば断然モデューロXの方が魅力的だ。

では、N-BOX モデューロXとは一体どんな車なのか? おさらいしておこう。

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ホンダN-BOX(初代)×モデューロX系グレード×全国

精悍なエクステリアとスポーティかつしなやかな乗り心地
ホンダ N-BOX モデューロX(初代)

ホンダ N-BOXモデューロX▲エクステリアでは専用グリルやフロントバンパーなどが備わる。これらは繰り返し行われた走行テストや風洞テストを通して、高速道路での走行安定性を高めるために備えられたものだ
ホンダ N-BOXモデューロX▲フロントグリルのようにハニカム(蜂の巣)形状の専用リアバンパーガーニッシュが備わる。2015年2月のマイナーチェンジでヘッドライトやリアコンビネーションのハウジング部分がブラックアウトされ、精悍さが増した。写真は2015年2月のマイナーチェンジ時

2012年12月に発表され、2013年1月から販売されたモデューロX。ベースとなったのはカスタムGで、モデューロX Gと、モデューロX Gターボパッケージの2タイプが用意された。どちらも2WDのみで、4WDの設定はない。

基本的な装備はモデューロX Gの装備がカスタムG Lパッケージに、モデューロX GターボパッケージはカスタムGターボパッケージにそれぞれ準じている。

つまり、基本装備はN-BOXの中でもトップクラスというわけ。例えば、モデューロX Gならアイドリングストップやリア左側パワースライドドアが標準装備となり、モデューロX Gターボパッケージは両側パワースライドドアで、カスタムGターボパッケージではオプションだったナビ装着用スペシャルパッケージ(リアワイドカメラ、ワンセグTV対応マイクロアンテナなど)も標準装備される。

ホンダ N-BOX モデューロX
ホンダ N-BOX モデューロX▲インテリアも、ベース車よりブラック部分が増えている。さらに、ステアリングには青いステッチも入る。写真は2015年2月のマイナーチェンジ時のもの。前期型に対しシート生地が変わった他、ブルーのインテイリアイルミネーションが足元なども照らすようになった

こうした基本装備に加えて、スポーティなイメージの専用品がエクステリアとインテリアに備わるのだが、モデューロXはただ単にレアなモデルというだけではない。真骨頂は、なんといっても走りの専用装備だ。

まず、専用ローダウンサスペンションが備わり、車高が15mmダウンする。15mmローダウンされたにもかかわらず、しなやかなストロークで滑らかな乗り心地を味わうことができ、軽ハイト系ワゴンにありがちなふらつきも抑えてくれる。

さらには15インチアルミホイールや、レッドのブレーキディスクローターもモデューロX専用。車の基本性能が大きく向上しているのだ。

2013年12月には他のN-BOX同様、低速域での衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能を備えた「シティブレーキアクティブシステム」を含む「あんしんパッケージ」がオプションで設定された。

2015年2月にN-BOXのマイナーチェンジが行われたが、モデューロXのデザインに大きな変更はない。また、N-BOX全車にオプション設定されたチップアップ&ダイブダウン機構付きスライドリアシートやシートバックテーブルが、モデューロXでもオプションで用意されている。

ホンダ N-BOX モデューロX▲ブラックパール塗装の専用15インチアルミホイールが装着される。チラッと見える赤いフロントブレーキのディスクローターとともにスポーティなイメージを演出
ホンダ N-BOX モデューロX▲専用ローダウンサスペンションにより、車高は15mmダウン

2012年12月に発表された時点での新車車両本体価格はモデューロX Gが178万円、モデューロX Gターボパッケージが188万円。

原稿執筆時点で見ると価格帯は約60万~160万円。N-BOXカスタムと比べると、20万~30万円ほど高く、新車時の価格差がほぼそのまま反映されている状況だ。

先述のとおり、中古車の台数はわずか44台。うちモデューロX Gターボパッケージが32台と、ノンターボ車よりも割合は多い。また、2013年12月から2トーンカラースタイルが選べるようになったが、中古車の台数は6台しかない。ここまでくると1万台に9台という割合なので、まず他人と街中ですれ違うことはないだろう。

日本一売れたN-BOXのレアモデル。ぜひ検討してみてほしい。

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文/ぴえいる、写真/ホンダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。