【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、現行VW ゴルフカブリオレを推す
2014/02/20
その見た目と裏腹な運動神経に、ある種の車好きは萌え死するだろう
中村俊輔選手のギャップに学ぶ(?)車選び
いきなり若干セクシュアルな話で大変恐縮だが、まぁ聞いてほしい。男性にとっても女性にとっても「脱いだらすごい」は最強のフレーズである。
これを「最強」ととらえているのは日本人だけで、諸外国ではちょっと違うのかもしれない。しかしとにかく、よくわからないが杉本彩みたいな人が「脱いだらやっぱりすごかった」というより、全然すごそうには見えない○○○○さん(←お好きな清純派の名前を入れてください)が「……ぬ、脱いだらすごかった!」というほうが100万倍はありがたいものだ。
これは女性目線であっても同じことで、筆者の勝手な想像だが、サッカー元日本代表の中村俊輔選手は子供の頃から女性にモテモテだったはず。なぜならば俊輔選手はパッと見、運動神経良さそうには全然見えないから!
なんとなく天文部とかに在籍してそうな中学生、シュンスケ君。しかしそんなシュンスケ君が体育の時間、野球部の奴よりも遠くに球を投げ、体操部の人よりも速く鉄棒でクルクル回転している様を見たら、筆者が女子中学生だったら確実に萌え死するだろう。要するに「魅力のキモ、それはギャップです」ということだ。
さて、輸入車の世界にもそんな、中村俊輔的「脱いだらすごいCAR」は存在する。そのひとつが、11年10月に登場した現行VWゴルフカブリオレだ。
見た目にはフツーの4座カブリオレである。非スポーティということもないが、特段スポーティなビジュアルでもない。搭載エンジンも1.4LのTSI。もちろんフォルクスワーゲン自慢の新世代ダウンサイジングターボエンジンなわけだが、当然フェラーリのV8やBMW Mの直6のような超絶パワーとフィーリングを備えているわけではない。
見た目地味なのに、脱いだら(踏んだら)凄いんです!
しかし、おそらくは固定ルーフがないことが直接の原因だろうが、その1.4LエンジンがゴルフⅥカブリオレに搭載された途端、ひたすらスポーティに感じられるのだ。「スポーティ」というのもかなり漠然としているので具体的に言えば「良い音」であり、「踏んだら踏んだ分だけ即座に反応するリニアリティ」である。そのエンジンが(現代の車としては)小柄なボディと、決してハードではないが十分引き締まった足回りと組み合わされたことで、現行VWゴルフカブリオレは実は第一級のスポーティカーとなった。見た目地味で、ゆっくり走らせる分にはフツーなのに。もちろん「スポーツカー」ではないのでサーキットでウンヌンという車ではないが、たまの休日に海沿いの道や山坂道で“小気味良い瞬間”を味わいたいなら、世界最強の選択肢のひとつである。
そんなステキな車だけあって新車価格429万円となかなかお高いのが(筆者にとっては)問題だったのだが、ここへきて値ごろ感のある物件も多数登場。筆者調べによれば支払総額280万円前後で走行数千kmの物件が狙え、2万km前後であれば総額240万円ほどでイケる状態になってきた。
フツーに見えて、実際フツーに使えて、しかし「脱いだら(踏んだら)すごい!」という車を200万円台で探しているならば、筆者は今、これ以上の選択肢をちょっと思いつかない。
ということで、今回の伊達セレクションはずばり「現行VW ゴルフカブリオレ」だ!
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現行VW ゴルフカブリオレは、旧型ゴルフをベースとする4シーターオープン。1.4Lのツインチャージャーエンジンとツインクラッチの7速DSGを採用する
外から見られる機会が多いだけに、カブリオレの内装センスは非常に重要。その点この車はインテリア各部の質感、デザインともに十分な高級感があって◎
特段速いとかそういった話ではなく(まぁ結構速いけど)、エンジンの回転感覚と音、そしてタイトな走行フィールのバランスが非常に良い車なんです!
【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中