シトロエンと聞いてすぐに「ハイドロ」を思い浮かべる方は、かなりの車ツウでしょう。今回はそんな人にグッと来るであろう1台、シトロエンのC5ツアラーをご紹介します。

登場は2008年10月。「快適な乗り心地」と「高い走行安定性」が魅力のステーションワゴンです。両方を可能にしたのが「ハイドラクティブⅢプラス」と呼ばれるサスペンション。ハイドロと呼ばれるシトロエンの代名詞的存在のシステムです。

一般的なサスペンションがスプリングとダンパーを使うのに対し、ハイドロは窒素ガスとオイルを使用。これにより快適な乗り心地と、高い安定性を実現しています。実際に乗ってみると、段差があるのにそれを感じないといった不思議な乗り心地が味わえます。

それだけに「ハイドロに乗ったら離れられない」というファンも多く、特にこのモデルは、姿勢を一定に保つ「セルフレべリング機能」や、任意に車高を調整できる「ハイトコントロール機能」のほか、ノーマル/スポーツ2種類のサスペンションモードも備えています。

また、安全性能の高さも魅力のひとつです。ヨーロッパの自動車衝突安全テスト「Euro NCAP」では、ラージファミリーカークラスで最高レベルを獲得。さらに全車「ESP(横滑り防止装置)」や9エアバッグを装備しています。

さて、そんなC5ツアラーですが、登場から5年近くがたち、ようやく100万円台の中古車が登場してきました。まだ台数は2台のみ(5月29日現在)ですが、ともにベースグレードの2.0で修復歴はありません。走行距離は4.7万km(198万円)と2.9万km(199.9万円)。当時の新車価格は419万円だったので、いよいよ半額以下で買えるようになってきたのです。

ただし、流通量は20台前後と少なく、相場のボリュームゾーンもまだまだ200~300万円台。じっくり待つ余裕と豊富な資金があるなら別ですが、コレと思える1台が見つかったら、即行動に移したほうが良さそうです。

Text/金子剛士

クロームで仕立てられたダブルシェブロンが象徴的なエクステリア。鋭角的なヘッドランプなど、ひと目でシトロエンとわかるデザインを採用

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伸びやかなルーフラインをリアエンドで締め、エレガントさとダイナミック感を演出。フロントからリアまで一体感あるデザインとなっています

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インテリアは400万円オーバーという高級車の名に恥じない質感が特徴。シートは2Lモデルがハーフレザー、3Lモデルがレザーとなります

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