原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年4月26日に発見したのは「日産 マキシマ」です。「MAX.RELAX」というキャッチコピーのテレビCM、覚えていらっしゃいますか? デーブ・スペクター、ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソンと当時、人気の外国人タレントが勢揃いでした。マキシマがデビューした頃、日本はバブル絶頂期で世界一の経済大国だったはずですが、“ドメスティック”な雰囲気をかもし出しています。

1988年10月に登場した3代目マキシマは3ナンバー専用ボディで、アメリカでマツダ ルーチェ(輸出名は929)に次いで「ミッドサイズ」と呼ばれた国産車です。日産がCMでMAX.RELAXとうたったように、広々としたリアシートには驚かされたものです。なにせ同時期のセドリックやグロリアより広かったのですから。

ボディサイズは大きくなったものの旧型モデルよりも若干軽く仕上げられています。だからというわけではありませんが、日産はMAX.RELAXだけでなく「4Door Sports Car」の称号もマキシマに与え、北米モデルの窓ガラスに「4DSC」というステッカーを貼り付けました。

搭載しているエンジンは最高出力160psの3LV6エンジンで、1991年のマイナーチェンジ後には195psのパワフルなものも投入されました。当該物件は1989年の前期モデルですからエンジンは前者です。車両重量は約1400㎏ですから必要十分なパワーです。

当該物件、24年前のものながら7万8000㎞しか走っていません。しかもワンオーナー記録簿付きで、写真を見るかぎりシートもエンジンルームも驚くほど状態が良いです。個人的な先入観ですが、ディーラーオプションのシートカバーを付ける人は、ディーラーお任せの充実したメンテナンスを施すタイプか、車を大切に維持するタイプが多いように思います。中古車選びにおける「掘り出しもの」とは、こういう車と巡り合うことを指すんでしょう。

斬新なデザインをしているわけではありませんが、今見ても時代錯誤を感じさせない普遍性が漂っています。もう日本に現存している台数も少なくなっているでしょうし、今からじっくり付き合っていく相棒としていかがでしょうか? 世界まれに見る経済成長期の産物ですし、日本の自動車史において語り継がれるモデルであることに違いありません。

Text/古賀貴司(自動車王国)

日産 マキシマ

日産 マキシマ

本体価格(税込)59.5万円
支払総額(税込)68.3万円
走行距離7.8万km
年式1989(H1)年式
車検
整備
保証
地域愛知