▲サスペンションなどの装備には当時の最先端技術を搭載 ▲サスペンションなどの装備には当時の最先端技術を搭載

「初めての機能」にこだわった当時の最先端テクノロジーが満載

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2014年9月30日に発見したのは「日産 ブルーバードマキシマ」です。日本初の2L V6ターボエンジン+FFという組み合わせで登場しました。

通称「PLASMA」と呼ばれたこのエンジン。名前の由来は…「P」=Powerful & economic 「L」=Lightweight 「A」=Accurate 「S」=Silent 「M」=Mighty 「A」=Advanced の頭文字を取ったもので、直訳すると「パワフルかつ経済的。軽量で正確なうえ、静かで凄い、最先端のエンジン」なんです(笑)。

そんなエンジンのネーミングセンスはさておき、この頃の日産は当時の最先端技術を駆使したモデルが多く、最上級グレードである「ルグラン」は超音波路面ソナーを持つスーパーソニックサスペンションなるものを搭載していたんです。

これは、超音波路面ソナーが路面の状況をチェックして、ショックアブソーバーの減衰力をHard、Medium、Softの3つのセッティングから最適なものに瞬時に可変するというもの。現行のM・ベンツ Sクラスがステレオカメラで路面状況を把握し、サスペンションのセッティングを可変させるのと基本コンセプトはほぼ同じ。なんとこの技術を28年も前に実用化していたんです。

▲M・ベンツの現行モデルに搭載されているのと同じような機能を28年前の車に採用! もちろんこれは世界初の機能でした ▲M・ベンツの現行モデルに搭載されているのと同じような機能を28年前の車に採用! もちろんこれは世界初の機能でした

他にも「セーフティドライブアドバイザー」機能が付いています。これは積算の運転時間が表示されるもので、約2時間おきにティーカップのマークが点灯し、ブザーでドライバーに休憩を促すもので、これも世界初の機能でした。

当該中古車、写真を見るかぎり非常にキレイな状態に保たれています。しかも、カーステレオもホイールも「オリジナル」。今まで廃車処分されることなく生き残ったことも凄いですが、フルオリジナルで保たれてきたことはほぼ奇跡です。

▲シート地はなんとベロア。昭和を感じさせるノスタルジックな感じが満載です ▲シート地はなんとベロア。昭和を感じさせるノスタルジックな感じが満載です

新車時登録から20年以上が経過したネオクラシックな車には中古車相場が存在しませんし、価格競争もありません。いわゆる販売店の「言い値」状態で、中古車価格は上昇しがちです。そんな中、総額33万円のブルーバードマキシマ、しかも最上級モデルのルグランでフルオリジナルであることを鑑みるととてもリーズナブルに感じます。

ひとたび座席に座れば昭和にタイムトラベルしそうな雰囲気に包まれることでしょう。昭和を知る人も、知らない人も、このノスタルジー、面白く感じられるはずです。

物件詳細にて、この雰囲気、ぜひご覧になってみてください!

■本体価格(税込):18.0万円 ■支払総額(税込):33万円
■走行距離:5.0万km ■年式:1986(S61)
■車検:無 ■整備:付 ■保証:無
■地域:埼玉

text/古賀貴司(自動車王国)