ロングセラーSUVをベースにした異色のオープンカー

メルセデス・ベンツ Gクラスは細部のアップグレードは幾度も行われてはいるものの、ゲレンデヴァーゲンとしてデビューした1979年以来、一度もフルモデルチェンジが行われていません。エンジンや内装を除けば、基本的な大部分は往時のままで、本稿執筆時点では正規輸入されている現行車としてかなり歴史のあるモデルとなっています。

ゲレンデヴァーゲン/Gクラスの長い歴史の間には様々な派生モデルも誕生しました。ロングボディ、ショートボディだけでなく、かつてはオープンモデルとなるカブリオも発売されていて、現在も海外では一部で販売されています(名称はコンバーチブル)。今回はこの1997年~2004年に正規輸入されていた、メルセデス・ベンツ Gクラスカブリオをご紹介します。

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当初、ゲレンデヴァーゲン/Gクラスは直6やV6エンジン搭載のショートモデルが主力でしたが、次第にハイパフォーマンスのV8ロングモデルが人気を集めるようになってきました。カブリオもこの流れに合わせ、1997年~1998年まではV6の「G320」を設定。最高出力は215ps、新車時価格は840万円でした。1998年7月のマイナーチェンジ以降はV8エンジンを搭載した「G500」が加わっています。最高出力は296ps、新車時価格は1150万円でした。

ルーフは電動ソフトトップで、フロントウインドウとロールバーを除けばフルオープンとなる仕組み。とかく剛性不足が懸念されるオープンカーですが、「頑丈」の代名詞的存在のGクラス。車高が高いという不利をものともせず、高い安定性を誇ります。安心のパートタイム4WDは雪道も安心。オープンエア時の高速走行も安定感バツグンです。

内装はレザーシート&トリムとウッドパネルの組み合わせ。ハンドルは左のみとなっています。リアシートは3人乗れるベンチシートタイプですが、センターはヘッドレストがなく、シートベルトも2点式。ラゲージはトラックのようなリアゲートとなっており、タイヤハウスの張り出しは大きいものの、まずまずのスペースが確保されています。

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本稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件数は12台です。このうち正規輸入車は7台で、価格は248万~455万円となっています。グレードはすべてが「G320」ですが、それでも新車時価格と比べれば半額以下。走行距離は10万km以上の3台を筆頭に全体的に多めですが、品質と耐久性に定評のあるメルセデス・ベンツですから、不安は少ないでしょう。

オープンカーの中でも異色の存在といえるGクラスカブリオですが、存在感のあるスタイルは現在でも人気を集めています。無骨なデザインと高級感が絶妙にマッチした独特の味わいを、ぜひ非味わってみてはいかがでしょうか。興味を持った方は下の検索窓に「Gクラス カブリオ」と入力して、検索してみてください。


Text/渡瀬基樹