新しいこだわりが凝縮されている、プジョー流PHEV 3008 ハイブリッド4【Car as Art !】
カテゴリー: プジョーの試乗レポート
タグ: プジョー / SUV / 4WD / 3008 / EDGEが効いている
2021/05/25
PHEVや最新ADASだけがニュースではない、3008 HYBRID4という反骨の電動化
先に白状しておくと、昨年9月に催されたオンライン発表会では「キツい顔つきになっちゃったな」と、少し引いた。プジョー 3008のマイナーチェンジ版の顔つきを、リモートとはいえ初めて見たときの印象は決して芳しいものではなく、むしろシュッとしたマスクの前期型がここから半年、買いかな? とすら思えた。
ところが、フェイスリフト顔となって日本に上陸した「3008 GT HYBRID4」と実際に向き合って、すっかり宗旨替えさせられた。歌舞伎役者の隈取りのようにエグく見えたLEDヘッドライト下にまでグリルメッシュが伸びる表情は、実物の方がずっと精悍に見える。牙状のデイランニングライトも最新のプジョー顔の文法通りだ。とはいえ新しい3008のデザインの秀逸さは、気分的な美醜やセンスの問題ではなく、その最重要ポイントは別にある。
それは3008のフロントグリルが、フレームレスとなったことだ。戦前の馬蹄型ラジエターの時代から連綿と続く超老舗メーカーであるプジョーにとって、古典的ディティールたるラジエターグリルを電動化の時代にどう扱うかは、一過性のトレンド的問題ではない。いかにも、EV専業ブランド的な鉄仮面か、国産メーカーに増えてきたボディ一体型グリルか、手法はいろいろあるが、「パラメトリック(不等長の、という意)」に広がる凸部アクセントをボディ同色バンパーと馴染ませ、古くささとも新奇さとも無縁の個性とした。その手並みのキレ味たるや、鮮やかというほかない。
明快なロジックに貫かれたデザインは、内装にも及んでいる。
ダッシュボード上面から水平に、i-コックピットならではの小径ステアリングから上は、視線の上下移動をできるだけ減らした視覚ゾーン。その下はエアコン吹き出し口やトグルスイッチ、バイワイヤのシフトレバーなどを配した操作&触覚ゾーン。さらに下はボディゾーンで、シートやサポート類が乗員を体幹からしっかり支えこむ。
二の腕を大きくもち上げずとも、直進時は快適に保持しつつ、操舵時は正確に切り込める独特のインターフェイスは、小径ステアリングだけでできている訳ではないのだ。
180psを発揮する1.6LターボのFFをベースに、110psのフロントモーターと112psのリアモーターを備えたPHEVとして、総計ではないシステム出力300psは、控えめに聞こえるかもしれない。だが4WD化されているうえに、最大トルクは520Nmにも達する。使い切れないパワーを数値スペックとして掲げるよりも、素早く引き出せるパワートレインとシャシーの掛け合いと、その高効率性こそが、3008 GT ハイブリッド4の大きな魅力だ。
それは、具体的にまず欧州CセグSUVとしては長い、ゼロ・エミッションでの最大レンジに表れる。WLTCモードで約64㎞と、ストップ&ゴーの多い街中でも実質距離にして50㎞は電気だけで走れる。13.2kWh 大容量でリアシート下に収まるリチウムイオンバッテリーは、なるほど確かに重く、車重は1850㎏に達する。だが、前後重量バランスは54:46と従来のFFモデルよりも優れており、パワーウェイトレシオは1psあたり6.1kg少々。このパワーウェイトレシオ値に従来のプジョーで最も近かったのは、205 T16の5.7㎏/psもしくは205 GTiの6.8~7.7㎏/psといえば、その素性の良さが伝わるだろうか。
通常ペースで走っている分には、それなりにマスの大きさは感じる。だがひとたび積極的に走らせると、リアモーターの素早い蹴り上げトルクが立ち上がり、3008 GT ハイブリッド4は突然、プジョーらしい滑らかだが切れ味鋭いハンドリングと、軽快なレスポンスの1台に生まれ変わる。ワインディングで面白くないはずもない。車としてのスポーツ性というか、「プジョーかくあるべし」とか「こう走らせたい」というビジョンが、電動化されてもホットハッチの頃から変わっていないことを、ある意味、思い知らされるような走り味なのだ。
電動化によってドライバビリティや使い勝手が刷新され、新しさを感じさせるのは当たり前といえば当たり前。PHEV化と同時に、あえて歴史的背景や懐かしさすらほうふつさせるプジョーの仕立てには、ほとんど反AI的といっていい知性すら宿っている。
▼検索条件
プジョー 3008(2代目) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●プジョー 3008 GT ハイブリッド4
型式 | 3LA-P845G06H | 最小回転半径 | 5.6m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.45m×1.84m×1.63m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.68m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.58m/1.59m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1850kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.18m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ハリケーン・グレー、セレベス・ブルー |
||
オプション色 |
パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、プラチナ・グレー、ヴァーティゴ・ブルー |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3LA-P845G06H |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ハリケーン・グレー、セレベス・ブルー |
オプション色 | パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、プラチナ・グレー、ヴァーティゴ・ブルー |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.6m |
全長×全幅× 全高 |
4.45m×1.84m×1.63m |
ホイール ベース |
2.68m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.58m/1.59m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1850kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.18m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 52リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 16.9km/L |
総排気量 | 1598cc | 燃費(WLTCモード) |
15.3km/L
└市街地:11.5km/L └郊外:16.7km/L └高速:16.7km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 200ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/3000 |
エンジン型式 | - |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 200ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/3000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 52リットル |
燃費(JC08モード) | 16.9km/L |
燃費(WLTCモード) | 15.3km/L
└市街地:11.5km/L └郊外: 16.7km/L └高速: 16.7km/L |
燃費基準達成 | - |
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