噛めば噛むほど味が出るM・ベンツのアッパーミドルワゴン

国産のステーションワゴンは、レガシィが唯一健闘しているものの、全体的には低迷気味。中古車相場でもオトク感の高いプライスがついています。一方、輸入車勢、M・ベンツやBMWのステーションワゴンは大人気。セダンがグングン値を下げる中で、なぜかワゴンは高値をキープしています。じゃあ「おいしくないじゃん」ということなんですが、M・ベンツのEクラスワゴン、実は狙い目なんです。

現行型のEクラスワゴンが登場したのは2003年の8月。セダンから約1年遅れでの登場となりました。ドッシリとした印象の旧型に対し、現行型はフロントビューの傾斜を強めるなど、ずいぶんとスポーティなスタイリングに変貌。それでいて高級感も併せ持っている点が何ともニクイところです。
  • M・ベンツ Eクラス 走り(フロント)|おいしい中古車
  • M・ベンツ Eクラス リア|おいしい中古車
↑誰が見てもM・ベンツとわかるスタイルは、ステイタス性抜群。リアビューは重厚感を、ルーフラインはフロントからリアへの一体感を印象づける(左右)
登場時のエンジンラインナップは、V6の2.6L(E240)と3.2L(E320)。そしてすぐにV8の5Lエンジンを搭載したE500アバンギャルドが加わりました。ミッションはE240とE320が5AT、E500アバンギャルドには7ATが搭載されています。

その後、2005年には3.2Lが3.5Lに(E350)、2.6Lは3L(E280、E300)にエンジンの排気量がアップ。ちなみにこれらにはすべて7ATを搭載しています。さらに2006年には、フロントグリルやスポイラー、ヘッドライトなど、フロントマスクに若干の意匠変更が施されています。

ついに100万円台の物件も登場!

とは言え、オトク感が高いのはやはりE240やE320といった初期型モデル。当たり前の話ですが、新車価格が高いので数年前のモデルはまだまだお高いというのが現状です。しかし、初期型とは言っても現行型。M・ベンツが送り出すアッパーミドルクラスの高級車ですからね。乗ればその良さはおわかりいただけるはずです。

筆者自身も以前、初期型のE320(セダンですが)に3日ほど乗る機会がありました。初日は「ふーん」てなもので、格別良いとも感じません。2日目になって「意外と良いなぁ」に変わり、3日目には「返したくない」気持ちでいっぱいになりました。
  • M・ベンツ Eクラス インパネ|おいしい中古車
  • M・ベンツ Eクラス ラゲージ|おいしい中古車
  • M・ベンツ Eクラス MC後の意匠|おいしい中古車
↑内装はシンプルで飽きのこない仕立て(左)ラゲージには広大なスペースが広がる(中)MCで意匠変更が施されたが、スタイルは大きくは変わっていない(右)
モータージャーナリストでもない私が言うのはおこがましいですが、この車には何か奥深さというか、乗り手に徐々に馴染んでくる感覚があります。例えば、初対面では何とも思っていなかったクラスメートが、いつしか無二の親友になっていた、という感じに近いかもしれません。

さてさて、そんなEクラスワゴンですが、ついに200万円を切る物件が登場してきました。E240の走行距離6.4万km、修復歴なしの物件が189.8万円です。このモデルの新車価格は640万円だったので、1/3以下、450万円以上安いわけです。E500アバンギャルドも、走行距離こそ11.4万kmと多いですが、修復歴なしの物件が218万円。当時の新車価格が900万円なので、そのオトク感は言わずもがなです。

Cクラスではステイタス性が物足りない、かといってSクラスでは大きいボディを持て余す、そんな人にとって、Eクラスはピッタリの一台ではないでしょうか。新車のプリウスを狙うのもいいですが、それと同じ金額で、こんな車を買うこともできるんです。
Text/金子剛士