スチャダラパー ▲東京モーターショー2019でのホンダとのコラボで実現した、スチャラダラパーのTMSスペシャルライブ!

ホンダ × スチャダラパー

カーセンサーの連載や特集に長年出演いただいているBoseさん。

実は、初代シティカブリオレの元オーナーで、「いつかワンダーシビックを買う!」と公言していたり、1969年に発売されたダックスというバイクの復刻版に乗っていたこともあるなど、ホンダとは何かと縁深い関係なのだ。

そんなBoseさんが率いるスチャダラパーとホンダが、第46回東京モーターショー2019開催にあたり夢のコラボレーション!

ホンダのコーポレートスローガンである“The Power of Dreams”をテーマにした楽曲を制作した。そして、そのムービー公開に合わせ、東京モーターショーの会場でスペシャルライブを開催。

この記事では、そのライブの模様と、Boseさんから伺った楽曲制作裏話を紹介する。

ライブでやるのは最初で最後!?「The Power of Dreams」を披露

スチャダラパー ▲Boseさん

2019年11月1日。金曜日の夕方ということもあり、有明~青海エリアで開催された東京モーターショーには大勢の人が詰めかけ、展示される各社のコンセプトカーや最新モデルを思い思いに楽しんでいた。

そんな中、特設ステージでスチャダラパーがライブ! フロアにはライブが始まる前から多くのファンが詰めかけた。

スチャダラパー ▲ANIさん

そして18時30分、スチャダラパーがステージに登場! 周辺に訪れていた人も足を止め、ステージに注目する。

「ステージがどういう空気になっているかわからず、何も考えずに出てきてしまいました。スチャダラパーでございます!」

Boseさんのそんなユルいあいさつでライブがスタート!

スチャダラパー ▲SHINCOさん

まずは1998年にリリースされたスチャダラパーの代名詞的な名曲「アーバン文法」でフロアにあいさつ。続いて2015年発売のアルバムに収録されている「中庸平凡パンチ」、ポンキッキーズのオープニングでも使用された「GET UP AND DANCE」と、新旧織り交ぜた楽曲でフロアを温める。

ANIさんが「東京モーターショー、What's Up!!!」とオーディエンスをあおると、ステージ上の2Fフロアからも声援が上がる。撮影が自由ということもあり、会場に遊びに来た外国人ツーリストまでも足を止めて、スマホでスチャダラパーのステージを撮影してゆく。

スチャダラパーの曲を初めて聴く人もいたと思うが、それでも曲に合わせて一緒に楽しむ人たちに向かって「みなさんいい感じじゃないですか!」とBoseさんは応える。

スチャダラパー

Bose「とはいえ、わざわざ東京モーターショーでスチャダラパーを見に来て、知らない曲ばかりやられてもね……」

ANI「じゃあ知っている曲はどんな曲?」

Bose「あれでしょ?『心のベストテン第1位』の曲」

こんなやり取りで会場の期待を高める2人。フロアからは「待ってました!」という歓声が上がる。

そしてDJのSHINCOさんに目配せし、世代を超えて多くの人に愛されるスチャダラパーの名曲「今夜はブギー・バック」がスタート!

スチャダラパー

ステージ後ろの巨大モニターにもスチャダラパーの映像が映し出され、フロアの人たちは曲に合わせて手を振ったり、スマホで録画したりと、思い思いにライブを楽しんでいる。

「これを(SNSに)上げればいつもより“いいね!”が多くなるよ」そんなトークでフロアを和ませるBoseさん。

そしていよいよスチャダラパーとホンダがコラボした「The Power of Dreams」を披露するときが……。

スチャダラパー

ANI「ホンダのことを勉強するために、マンガ本田宗一郎伝を読みましたからね」

Bose「ホンダが初めて作ったバタバタ(補助エンジン付き自転車)から(来年発売される)Honda eまで、ホンダの歴史を網羅するからね。『1曲になりますか?』と思わず言っちゃった(笑)」

ANI「初めてライブでやるからすごく緊張しているよ」

Bose「E300(発電機)とかBF8B(船外機)とか、いつもはラップで使うことがないような言葉がいっぱい出てくる! この曲は僕らが自分のライブでやるのも変だからね、ここでしかやらないかもね」

ANI「映像があっての曲だからね」

(現段階では)他の場所で披露する予定がないという「The Power of Dreams」、この日、会場のFUTURE EXPOに来た人は超ラッキー!!

スチャダラパー

曲は、四輪、二輪、耕運機や発電機などの汎用製品、レース活動、そしてHonda JETやASIMOなど、ホンダの歴史がすんなりと入る作りになっている。

ホンダの製品が世界でどれだけ愛されてきたか、未来のホンダがどうなっていくかなど、スチャダラパーが手がけたリリックに胸を打たれるはず。

ホンダを代表する名車がたくさん登場し、「The Power of Dreams」の世界観を表現する聴きどころたくさんの曲となっている。

スチャダラパー

曲が終わった後、Boseさんは「あれ?どうやって終わるんだっけ?」とフロアを笑わせる。

そして「せっかくだからみんなで写真を撮ろう!」とステージからフロアに集まった多くのお客さんと一緒に記念撮影。

30分という短い時間ではあったが、濃密かつユルい雰囲気のスチャダラパー×ホンダのコラボライブに、多くの人が癒されたはずだ。

カーセンサーが独占取材!
Boseさんが語る「The Power of Dreams」制作裏話

スチャダラパー

※オレンジ:編集部、黒:Boseさん

――「The Power of Dreams」はホンダの歴史が詰まった超大作! レコーディングを終えたときの感想を教えてください!
「どうやってもこぼれてしまうくらいホンダの歴史が偉大かつ膨大なので、内容を詰め込むのが大変だった……(笑)」

――完成した「The Power of Dreamsムービー」を見ていかがでしたか?
「どうしても歌詞だけでは説明しきれない部分が結構あったので、映像でそれを補ってもらって『やっと完成形になった』と思った。この曲は映像ありきの作品だね!」

――こだわったのはどのあたりでしたか?
「明るい未来を感じさせる雰囲気。作っているのは中年の我々でも(笑)、若々しい感じを出せたらと思って……」

――Boseさんがとくに気に入っている歌詞はどの部分ですか?
「ベトナムのところは書いていても歌っていても泣けたね……あとはASIMOのくだりも好き!」

――曲作り前には、ツインリンクもてぎにある「Hondaコレクションホール」に行ったそうですね! そこで見た車でどれが気に入りましたか?
「カーセンサーで何度も話しているけれど、僕はやっぱり初代シティが好き。デザインが秀逸!あのデザインありきで復活希望!!」

――「The Power of Dreams」で「ホンダはこれからどうなっていくのだろうか!?」と問いかけていますが、スチャダラパーはこれからどうなっていきますか?
「自分たちが実際に若返ることは不可能だけれど、作るものはどんどん若々しく馬鹿馬鹿しくなっていくのがいいかな!」

スチャダラパー「The Power of Dreams」

スチャダラパー

▼ミュージックビデオ(Youtube)

▲スチャダラパー x Honda “The Power of Dreams” Movie
文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/山本佳代子、ホンダ

高橋 満(たかはしみつる)

インタビュアー

高橋 満(たかはしみつる)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット500C by DIESEL