三菱▲世界初公開されたスモールサイズの電動SUVコンセプトカー「MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)」

第46回東京モーターショー2019において、三菱は世界初公開のコンセプトカーを2モデル、日本初公開となるコンセプトカーを1モデル出展する。

さらに、アウトランダーPHEVやエクリプス クロス、デリカD:5などの国内で販売されている人気モデルも展示している。

MI-TECH CONCEPT

三菱
MI-TECH CONCEPT▲軽量・小型化した新しいプラグインハイブリッドEV(PHEV)システムを搭載

軽量・小型化した新しいプラグインハイブリッドEV(PHEV)システム、4モーター方式の電動4WDシステム、先進の運転支援技術と予防安全技術をスモールサイズのSUVに凝縮したコンセプトカーが「MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)」。

コンセプトは、“光と風を感じながら大地を駆け抜ける電動SUV”。

車の電動化は全世界共通のテーマであり、三菱はアウトランダーPHEVをいち早く登場させているが、コンパクトSUVでもそれを打ち出した形になる。

その特徴は大きく3つある。

①PHEVシステム PHEVのシステムをスモールサイズSUVに搭載するため、発電用エンジンをガソリンエンジンからガスタービンエンジンにして、軽量・小型化が図られている。EV走行モードおよびシリーズ走行モードによって、電動車ならではの滑らかで力強い走りを実現している。

②電動4WDシステム【Quad motor(クアッドモーター) 4WDシステム】 2年前の東京モーターショーで三菱が発表した「デュアルモーターAYC」(2つのモーターで左右の駆動配分を行うシステム)を前輪と後輪に搭載。四輪すべてに最適な駆動力を伝える4モーター方式の電動4WDシステムを搭載。日常では安心・安全な思いどおりの操縦性を実現し、オフロードでは圧倒的な走破性を発揮できるように。

③先進の運転支援技術および予防安全技術 先進の光センサーを用いたセンシング技術により検知した、様々な情報をフロントのARウインドウシールドに映し出すヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を搭載。ドライバーに的確な注意喚起を行うとともに、ステアリングおよびブレーキ操作をサポートする運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」、衝突被害を回避または軽減する予防安全技術により、ドライバーに安心・安全、運転する歓びを提供する。

また三菱ブースでは、コンセプトカーを様々な角度や距離から見ることができるVR展示も行われる。テーブル上に映し出されるコンセプトカーを説明する映像は回転、拡大、縮小、シーンの切り替えなどが可能。

VRならではの演出を俯瞰視点で体験できる他、回り込んだり、のぞき込んだり、下から見上げたりと、自由に移動したり、アングルを変更しながらMI-TECH CONCEPTの世界観を体感できる。

SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT(スーパーハイト軽ワゴンコンセプト)

三菱
SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT▲軽スーパーハイトワゴンに求められる性能と機能を盛り込みながら、三菱自動車らしいSUVテイストのデザインに

日産との折半出資で設立したNMKVで、軽自動車を開発している三菱。今年3月に登場した、三菱 eKワゴンとeKクロスは日産 デイズとの兄弟車になる。

そんな三菱が、新世代のスーパーハイト軽ワゴンのコンセプトモデルを世界初公開。そのコンセプトは「いろいろなところに行ってみたい、もっと遠くまで行ってみたい」というドライバーの気持ちに応える軽自動車だ。

スーパーハイト軽ワゴンならではの広々とした居住空間を実現し、同カテゴリーに求められる性能と機能を盛り込みながら、三菱自動車らしいSUVテイストのデザインを実現。eKクロスに通じるデザインコンセプトだ。

居住空間を最大化させながら、キビキビと小気味よい走りを実現し、また、高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT」や、衝突被害軽減ブレーキシステム、踏み間違い衝突防止アシストなど「サポカーSワイド」に該当する予防安全技術を採用することで、ドライバーの負担を軽減。乗る人すべてに安心・安全を提供する。

このモデルは本年度内の発表が予定されている。

MITSUBISHI ENGELBERG TOURER

MITSUBISHI ENGELBERG TOURER▲2019年3月のジュネーブ国際モーターショーで世界初披露されたミッドサイズSUVを東京モーターショーでも出展

ツインモーター4WD方式のプラグインハイブリッドEV(PHEV)システムを搭載した、ミッドサイズの新世代クロスオーバーSUVのコンセプトカー「MITSUBISHI ENGELBERG TOURER(ミツビシエンゲルベルクツアラー)」を日本初公開。

MITSUBISHI ENGELBERG TOURERは、どんな気象条件や路面状況でもドライバーが自信をもってドライブできる高い走行性能と、PHEVならではの長い航続距離が特長。

PHEVシステムを構成する様々なコンポーネントを搭載しながら、3列シートによる多人数乗車を可能とするパッケージングにより、SUVとしての魅力をいっそう高めている。

電動DRIVE HOUSE

電動DRIVE HOUSE▲V2Hは災害時の電力供給や太陽光発電による電力の固定価格買い取り制度終了後(After FIT)の電力活用方法として注目されている

三菱は、電動車、V2H充放電機器、太陽光パネル、家庭用蓄電池などで構成するVehicle to Home(V2H)システムをパッケージ化。販売・設置からアフターメンテナンスまでをワンストップ化したサービスである「電動DRIVE HOUSE」の販売を開始した。

三菱ブースで、プラグインハイブリッドEVであるアウトランダーPHEVとともに展示。

太陽光発電による電動車への充電や、電動車から家庭への電力供給という流れをビジュアル化し、電気代の節約や緊急時の非常用電源としての利便性など、様々なメリットを提案している。

アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEV▲前後のモーターで常に四輪の駆動力を最適制御するS-AWDを搭載

アウトランダーPHEVは、2018年8月のマイナーチェンジで駆動用バッテリー容量を増大。EV走行の航続距離が57.6km(WLTCモード)になった。

2019年9月の一部改良で、510Wのパワーアンプと8個のスピーカーシステムが組み込まれた臨場感あふれる「ミツビシパワーサウンドシステム」や、「Android Auto」「Apple CarPlay」がコントロール可能な「スマートフォン連携ナビゲーション」を搭載。

デリカD:5

デリカD:5▲衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、レーダークルーズコントロールシステムなどをセットにした“e- Assist”を採用

3列シートを備えるミニバンに、タフな4WDシステムや高剛性により高い操縦安定性をもたらすリブボーンフレームを採用し、独自路線を貫くデリカD:5。

最新モデルは、三菱のデザインコンセプト“ダイナミックシールド”を採用した精悍なスタイルに。エンジンは、2.2Lディーゼルターボのみの展開となる。

RVR

RVR▲洗練された都市型クロスオーバーSUVという路線が強調された

コンパクトなクロスオーバーモデルとして、独自路線を走るRVR。

2019年8月の一部改良で、エクステリアのダイナミックシールドを進化させるとともに、テールランプのデザインなども変更。安全かつ快適なドライブをサポートする予防安全技術“e-Assist”に、前進時の誤発進 抑制機能が追加された。

エクリプス クロス

エクリプス クロス▲前後の駆動力配分の最適制御と同時にAYC、ASC、ABSを統合して左右輪間の駆動/制動力を制御するS-AWCを搭載

2018年3月にデビューしたエクリプス クロス。当初は1.5L直噴ガソリンターボエンジンのみだったが、2019年6月に、2.2Lのクリーンディーゼルターボを追加。

直噴ガソリンターボには8速スポーツモード付きのCVT、ディーゼルターボには8速ATが組み合わされる。

eKクロス

eKクロス▲ダイナミックシールドにより軽自動車らしからぬ力強い雰囲気に

eKワゴンのカスタムモデルにあたる存在になるeKクロスは、SUVテイストを盛り込んでアクティブな雰囲気に。三菱のデザインアイデンティティ、“ダイナミックシールド”を大胆に取り入れたフロントマスクが印象的。

高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT」が、GとTにパッケージオプション設定されている。

RVR
文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/尾形和美
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL