▲今年のイヤーカーに輝いたマツダ RX-8。人気の秘密は何なのか ▲今年のイヤーカーに輝いたマツダ RX-8。人気の秘密は何なのか

状態の良い即戦力物件の存在も人気を後押し

今年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーは、マツダ RX-8が1位に輝いた。昨年の1位、CX-5のポイントを僅差で上回り、イヤーカーとなった理由は何だったのか。相場・流通量の推移、問い合わせの割合からその背景を読み解こう。

2014年11月~2015年10月の1年間のRX-8の流通量は、増減はあるがおよそ530~650台の水準で推移している。条件を絞り込んで選ぶには物足りないが、マニアックなモデルとしては十分すぎる、といったボリューム感だ。

注目は平均価格。流通量に大きな変動がないわりに、平均価格は下がっている。これは高価格物件が売れ、低価格物件の市場ストックが増えたことを意味している。一定数いるマニア層に加え、スポーツカー人気の再燃に反応した潜在ユーザー層も状態の良い即戦力物件に注目したことが、イヤーカーという結果につながったと考えて良いだろう。

▲年間の中古車相場・流通量の推移を示したグラフ。掲載台数に大きな変動はないが、平均価格が下がっている ▲年間の中古車相場・流通量の推移を示したグラフ。掲載台数に大きな変動はないが、平均価格が下がっている

唯一無二の存在だけあってRX-8一択ユーザーが3割も

RX-8の中古車物件に対するユーザーからの問い合わせの傾向を見てみよう。グレード別では、それぞれの流通量におおよそ比例。価格帯別では、相場の平均価格より安い車両本体価格60万円以下の物件への問い合わせが半数近くを占めるのが特徴。興味レベルではなく購入を視野に入れた現実的な段階で行われる問い合わせの性質を考えると、安い物件へ視野が傾くのは当然かもしれない。一方で150万円以上の高額物件の問い合わせが約12%あるのは、上記の考察を裏付ける結果と言えるだろう。

興味深いのはRX-8との比較車種だ。最も割合が高いのはRX-8同士で比較した例で、全体の32.8%を占める。実に3人に1人がRX-8一本に絞って中古車を探していたということだ。

▲グレード別、価格帯別の問い合わせの割合。価格帯別では本体価格60万円以下の物件に問い合わせが集中している ▲グレード別、価格帯別の問い合わせの割合。価格帯別では本体価格60万円以下の物件に問い合わせが集中している

高価格帯の即戦力物件ならスピリットRに注目

今、RX-8を狙うなら攻め方は2つ。平均価格以下の低価格物件を狙う方法と、好状態の即戦力物件を狙う方法だ。低価格物件選びでは状態の見極めが重要。RX-8の場合、激しいスポーツ走行やチューニングの有無も見極めポイントだろう。メンテナンスが行き届いていれば安心だが、念のため保証を付けられる物件を優先したい。

本体価格70万円以下なら、AT車が流通量、ノーマル率、保証率で有利だ。グレードはベースモデルとタイプEの二面待ちで。一方、即戦力物件は付加価値の高さもポイント。最低でも2008年3月以降の後期型、できれば1000台限定の最後の特別仕様車スピリットRを。本体価格200万円を超えるが、高年式、低走行、高付加価値で、買いの満足度は非常に高い。

text/編集部
photo/篠原晃一、編集部