▲昨年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーで1位に輝いたマツダ CX-5。ディーゼル車も選べる点が強みに ▲昨年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーで1位に輝いたマツダ CX-5。ディーゼル車も選べる点が強みに

CX-5が注目を集めた3つの理由

12月も半ばになり街にも年末の空気が漂ってきましたが、年末といえば日本レコード大賞など今年1年間の大賞やランキングが発表される時期。先日も日本カー・オブ・ザ・イヤーの発表がありましたが、実はカーセンサーにも今年注目を集めた中古車を決定するイベントがあるんです。その名も、カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー! ユーザーからの問い合わせやカーセンサーnetの掲載台数などを元に、注目度の高かった車種を発表します。

今年の「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」の発表は12月19日。1位が気になるところですが、その前に昨年のランキングを振り返ってみましょう!

昨年、カーセンサーnetに掲載された6000を超える車種の中から見事1位に輝いたのはマツダ CX-5。その背景のポイントはズバリ、以下の3つ。
①2014年の上半期に猛威をふるったガソリン価格の高騰
②2.2Lディーゼルエンジン搭載車も選べるラインナップ
③2012年2月の登場から2年経過し、年間の中古車流通量が200~400台と、“そこそこ選べる”程度に増えてきたこと

覚えている方も多いと思いますが、2014年上半期はガソリン価格が高騰しました。レギュラーが160円/L(!)を超えるなんてことも。ユーザーの目が、燃料代の安い軽油=ディーゼル車へ向かうのも当然です。2014年時点で「中古車で買えるディーゼル車」は、まだまだ選択肢が少なく(現在もさほど変わりませんが)、2.2Lディーゼル仕様を擁するCX-5に注目が集まるのは必然でした。

流通量も絶妙でした。カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーでは、モデルごとの総掲載台数、ユーザーからの総問い合わせ数、そして1掲載物件に対するユーザーからの問い合わせ件数=集中率の3つを独自ルールでポイント換算しているため、流通量が多すぎても少なすぎてもポイントを獲得できない仕組みになっています。CX-5の年間の掲載台数200~400台。その内、ディーゼル車の割合は6割強。ある種の飢餓感も加わって、そこにユーザーの問い合わせが集中したわけです。  

▲2.2LディーゼルターボエンジンのJC08モード燃費は18.4km/L(2WD)。レギュラーガソリンより価格の安い軽油を使用するため、経済性は高い ▲2.2LディーゼルターボエンジンのJC08モード燃費は18.4km/L(2WD)。レギュラーガソリンより価格の安い軽油を使用するため、経済性は高い

色褪せないディーゼル車人気

当時、最も問い合わせの多かった価格帯は230万~260万円。問い合わせ全体の36.4%。CX-5を欲しいと思った人の実に3人に1人が、中古車としては決して安くない価格帯の物件にアタックしています。人気のグレードはターボ車のベースグレードとなる2.2XDディーゼルターボ(2WD)。新車の車両本体価格が280万円強なので、2014年に総額250万円前後で手に入れていたとしたら、かなりおいしい買い物だったはずです。

そんなディフェンディングチャンピオンのCX-5ですが、今年もその勢いは衰えていません。2014年9月のデミオに続き、2015年2月にはCX-3が、1.5Lディーゼルエンジンを引っさげてデビュー。BMW、メルセデス・ベンツ、ボルボなど輸入車メーカーもディーゼル車を次々日本マーケットに投入しています。途中、フォルクスワーゲン問題も勃発しましたが、ディーゼルへの注目度は依然として高いままです。
 

今年はスポーツカーに追い風!?

さらに、登場から3年経過し物件数が増加。とはいえ、500~600台で推移しているため、ほどよい飢餓感はキープされています。一方、相場はゆるやかな下落傾向にあり、2.2XDディーゼルターボ(2WD)で総額200万円を切る物件も出始めました。同グレードの最安値帯は総額190万~210万円の水準まで下がっています。昨年と比べガソリン価格はかなり下がっていますが、ディーゼル車の魅力を減じるほどの影響はないでしょう。

果たして、今年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーの栄冠に輝くのはどの車種なのでしょうか。様々な状況を鑑みるに、CX-5の2連覇は固そうですが……。唯一の不安材料は、日本・カー・オブ・ザ・イヤーでマツダ ロードスターとホンダ S660というオープン2シーターが上位を占めたこと。2015ー2016年は、もしかしたらスポーツカーに強い追い風が吹いているのかもしれません。CX-5の2連覇なるか!? 19日の発表にご期待ください。
 

text/編集部
photo/尾形和美、マツダ