日産の実用化直前最新技術を一足早く体験!

自動車メーカーが日々開発しているのは、エンジンやハイブリッドシステムばかりではありません。車をさらに使いやすく安全で便利なものにしようと、さまざまな研究が行われています。しかし、その研究の成果を私たちが見られるのは、その技術を搭載した市販車が登場した時。
ところが今回、実用化がもうすぐ!?という日産の最新技術を体験することができました。ぜひとも早く市販車に反映してほしい、そんな技術をちょっとだけご紹介したいと思います。

■駐車ガイド付きアラウンドビューモニター
 これなら誰でも縦列駐車がラクラク?

自分の車を、あたかも俯瞰するように見ながら駐車することができるシステム、アラウンドビューモニター。すでにエルグランドをはじめ、ミニバンを中心に日産各車に装備されていますが、今回試乗できたのはその進化版。駐車ガイド機能が付いたことで、さらにどんなところでも駐車しやすくなっています。ともかくその便利さは下の動画をご覧いただければ一目瞭然です。

ちなみにアラウンドビューモニターの機能、意外なところからもオファーがあるそうです。それは「しんかい6500」。深海を調査する際に、小さな窓から見て作業用アームを操作しなければならないので、この機能があれば作業時間を飛躍的に短縮できると。
ただし、現在は2次元で表現されているアラウンドビューモニター(動画の左側の画面参照)を3次元にする必要があり、これを解決すべく研究を進めているそうです。

■ECOペダル
 燃費の悪化を防ぐため、ランプだけでなくアクセルペダルを…

その名の通り、燃費の悪化を防ぐために開発されているアクセルペダルです。
燃費は普段の運転の仕方でかなり改善されたりします。例えばガツンとアクセルを踏み込むのではなく、ゆるやかに加速していくように踏むなど。とはいえ、どんなふうに踏んでいいのか、燃費向上のレクチャーでも受けないとなかなか難しいもの。

簡単に言えば、ECOペダルはそれをペダル側が教えてくれるようなものです。具体的には燃費が悪くなりそうなアクセルワークをしようとすると、ペダルに反力が働き、一瞬ペダルが重たくなるような感覚をドライバーに伝えます。もちろんそれでもアクセルを踏み込むことはできますが、ドライバーは「そこが燃費向上の分かれ目」であることを足の感覚で即座に知ることができるというわけです。

最近では、燃費のいい走りをしている時にはECOマークなどがメーターに表示されるようになり、それを見ながら気をつけて走っている方もいるはず。しかしECOマークばかり見ていては運転できませんよね。その点、ECOマークとともにペダル自体が感触として教えてくれるこの機能なら、運転に集中できるし、体で覚えやすくなるというわけです。
なおアクセルペダルの反力は、ドライバーに応じてさまざまな強さに変えることができるように考えられています。
日産ECOペダルメーター|CS探偵団 日産ECOペダル システム|CS探偵団
(左)燃費が良いとグリーンのランプが点灯するが、悪くなると黄色になる (右)必要以上にアクセルを踏むことで発生する破線部分のエネルギーを抑制する
■サイドコリジョンプリベンション
 ぶつからない車、を実現するための一つの技術

安全性を考える上で「他の車にぶつからない」というのは究極の技術。すでに先行車との距離を一定に保つ技術は日産以外でも実用化されています。今回試乗できたのは、高速道路など、2車線以上の道路上での車線変更に伴う事故を減らす技術です。
具体的にどんな機能かというと、左右どちらか隣の車線の後方から、自車に近づいて来る(追って来る)車がいた場合、そちらへの車線変更を車が“いやがる”システム。
仕組みとしては、サイドセンサーが隣接レーンの車の状況を感知し、接近する車がいるほうへ車線変更しようとハンドルを切ると表示と音で警告が出るとともにハンドルに反力が働いて、車線変更させないように動きます。ただし、さらにハンドルを切れば曲がってくれます。つまり最終的に判断するのは人間。車にすべてを頼っているわけではありません。

日産サイドコリジョンプリベンション|CS探偵団 日産サイドコリジョンプリベンション|CS探偵団
(左)接近する車がいると警告音とともに左右ドアミラーの付け根にあるランプが点灯する (右)接近する車がいる方向へ車線変更しようとすると、反対方向へ車自体を向けようとする
■GPS携帯協調歩行者事故低減システム
 歩行者との事故を防ぐために、ケータイを使うという方法

対車だけでなく、対歩行者との事故も防ごうというのがこのシステム。
最近は誰もがケータイを持ち歩いており、ケータイにはGPS機能が付いています。これを利用して、壁や建物、停車中の車の陰に、歩行者が隠れていることをナビ画面と音声で教えようというものです。

もちろん、何でもかんでも警報していたら、街中を走行中の場合などは、ただうるさいだけ。そこで注意喚起が必要な状況や場面を判断するシステムがキモとなります。そのため、どのような歩行者の情報を、どのタイミングでドライバーに伝えるのがいいのかを実験を繰り返して検証しているそうです。

日産GPS携帯協調歩行者事故低減システム ナビ画面|CS探偵団 日産GPS携帯協調歩行者事故低減システム 想定図|CS探偵団
(左)近くに見えない歩行者がいるとナビ画面にこのような大きな歩行者マークが点灯する (右)このような場面では車から歩行者を発見するのは難しい。そんな時に便利なシステム
このように“未来の車”が少しずつ現実に近づいています。
もちろん日産だけではなく、他社もしのぎを削っていますから(例えば新型ホンダオデッセイのマルチビューカメラシステムは日産のアラウンドビューモニターとほぼ同じ考え方です)、最新技術搭載車の登場は、これからも次々と続くはず。
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<カーセンサーnet編集部デスク・ぴえいる>