達人キャンパーこだわりの逸品! 物を語れば、その人の物語が見える|Carsensor IN MY LIFE


人生は選択の連続だ。何気なく選んだ物と、こだわり抜いて選んだ物。そこから生まれる違いは? 毎日を、どんなふうに彩ってくれるのだろうか。選択の巧者になれば、人生はもっと鮮やかになる。そこで、今回はサーフ&キャンプの達人・柴田アルベルト将吾さんに「こだわって選んだ物」を見せてもらった。

物は、目よりも口よりも雄弁に語る

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

柴田アルベルト将吾さんは有力サーフアパレルブランド勤務などを経て、現在は大手セレクトショップに勤務。そのアンテナとして日々「物選び」の目利きとして奔走する。その柴田さんの趣味はサーフィン。波待ちしながらキャンプも楽しむ、サーフ&キャンプの達人だ。得意技は、ゆったりと時間を楽しむこと。仲間と過ごす時間を豊かにするための「アイテム」がこれらだ。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

麻ひもの火口とチャークロス 「着火は儀式です!」

「火を起こすと、もうキャンプらしくなる」。そう言う柴田さんはムード作りに余念がなく、とりわけ着火に細心の注意を払う。ガスライターや着火剤などは使わない。取り出すのは火打ち石。スムーズに火種を作るため、古いTシャツを切って炭化させたチャークロスと、ワンコインショップで買った麻ひもを用意していた。さらに、防風林から松ぼっくりを拾ってきて着火の準備完了! あえて手間暇かかる道具で、これから始まる時間を“特別”に演出する。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

コールマンのステンレスパーコレーター 「コーヒーには手間を惜しみません」

アウトドア×コーヒー=美味しい。この鉄板の法則を、甘受するのにうってつけなのがパーコレーター。「愛用のステンレスパーコレーターはもう何年使ってるのかわからない。かなり気に入っています。これで4~5カップ分はいけるから、仲間と来るのにサイズ的にもちょうどいいんです」。そう言いながら粗く引いた豆をワイルドに注いでポットにセット。まるでコーヒーを育てるようにジックリと淹れていくと、香ばしい風が漂いだす。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

コールマンのシーズンズランタン 「色で選ぶ、ノリの軽さも信条」」

もはやコレクターズアイテムになっている、コールマンのシーズンズランタン。毎年、発売されると即完売が常になっているリミテッドエティションだ。柴田さんが選んだのは2018年モデル。「コレクター? いえ、違うんです。この色を見たときにピンときたんですよ。絶対に、うちのクルマに合うって!」。柴田さんが乗るフォルクスワーゲンのヴァナゴンは淡いブルー。そのブルーにランタンのイエローがとてもマッチしている。色で選ぶだけの価値があった。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

自作デッキチェア 「捨てられないのでキャンプサイトのローチェアに(笑)」

浜辺で仲間とキャンプしながら波待ちする時間は格別。もちろん、サーフィンは波があってこそ。自然が相手だから、そうそう都合よくいかないことも……。「そんなときはスケートボードで盛り上がるんですよ。みんなでアツくなって時間を忘れるくらい!」。乗り倒して、いつしか湿気ってしまって旬を過ぎたデッキがいくつもある。もう乗らないけど捨てられない。そこでワンコインショップで脚を買ってきて取り付けた。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

フィアマのサイドオーニング 「どこでもリビングにしてしまう魔法のパーツ」

「サイドオーニング」はいろいろあって、選ぶときに熟考した。「決め手はアナログというか手動式。なるべくシンプルな物にしたのは、壊れないことを優先させたからです」。サードオーニングを広げて陽を遮るだけで、まるでリビング。いやリビング以上に居心地のいい空間が生まれる。浜辺は風が強くなることも珍しくないので、クルマを風上にすると風除けになる。設営も実にスマートでアッという間。「これ必需品です!」と柴田さんは笑う。

フォルクスワーゲン ヴァナゴン

フォルクスワーゲンのヴァナゴン 「一目ぼれでした!」

「本当は70年代の日産 ブルーバードを探していたのに、このヴァナゴン キャラット(1990年式)と出会ってしまい……」。ボディカラーのかわいさに一瞬で恋に落ち、即決で購入したのだとか。内装はセンターテーブルを備えており、サードシートがフルフラットベッドにもなるキャンパー仕様だ。

自分らしい物は、自分らしい時間を生む

サーフブランド、サーフアパレルブランドなどでマーチャンダイザーとして活躍する柴田さん。現在はセレクトショップのバイヤーとして働きながら、サーフィンやキャンプ、スケートボードなどをエンジョイする。そんな彼の人生が、お気に入りの逸品から読み取れる。自分らしい物に囲まれた柴田さんのひとときは、とても潤って見えた。

文/ブンタ 写真/阿部昌也