HKS GATE TOKYO BAY▲2020年3月20日にオープンした「HKS GATE TOKYO BAY」壁一面にチューニングパーツがずらりと並ぶ

ネット社会だからこそリアルに見聞きできる場所が必要

大手カー用品店、オートバックスを展開する株式会社オートバックスセブンとチューニングパーツメーカーHKSは、東京都江東区東雲にある「A PIT AUTOBACS SHINONOME」内に、「HKS GATE TOKYO BAY」をオープンした。

「A PIT AUTOBACS SHINONOME」はいわゆるカーマニア以外も楽しめるように、書籍やアパレルなど、カー用品以外の商品も充実。店内には中央にスターバックスが配置されるなど、一般的なカー用品点とは一線を画す造りになっている。

そして店舗の3階は車に関する様々な相談を専門スタッフに相談できるスペースに。「HKS GATE TOKYO BAY」は「A PIT AUTOBACS SHINONOME」の3階にオープン。
 

A PIT AUTOBACS SHINONOME▲「スーパーオートバックス東京ベイ東雲」をリニューアルし「A PIT AUTOBACS SHINONOME」として2018年11月23日にオープンした
A PIT AUTOBACS SHINONOME▲カー用品以外の商品が多く並ぶのも特徴のひとつ
A PIT AUTOBACS SHINONOME▲店舗3階にはスポーツシートやステアリングなどのチューニングパーツが充実している

店舗のコンセプトは“いろいろなパーツを見て、触って、相談できる”情報発信拠点。店舗にはHKS GATEの専任スタッフが常駐し、チューニング、カスタマイズに関する相談を気軽にできる店造りになっている。

スバル WRX STI(VAB)をベースに、HKSがスバル車の特性を検証してトータルバランスをとりながら安心・安全なチューニングを実現したBBi tuneの他、トヨタ 86/スバル BRZ、日産 GT-R、スズキ ジムニーなどのチューニングパーツを多数展示。実際にパーツを見ながらスタッフと話をすることができる。

インターネットの普及により消費者の購買スタイルは大きく変貌。今やどんなものでもネットで買うのが普通になっている。それはカー用品でも例外ではない。

一方で、ネットショッピングでは迷ったときに詳しい人に相談するのは難しい。そんな時代だからこそ、部品を実際に見て、触って、相談できる空間があってもいいはずだ。これが「HKS GATE TOKYO BAY」を立ち上げた理由だという。
 

店舗オープンの狙いやどんなことができるのか?
エッチ・ケー・エスの坂詰氏にインタビュー

オープン初日の3月20日にはオープニングセレモニーが開催され、株式会社エッチ・ケー・エス取締役営業部部長の坂詰達也氏や、株式会社オートバックスセブン執行役員の山添龍太郎氏など、関係者がテープカットを行った。
 

A PIT AUTOBACS SHINONOME

そこで、エッチ・ケー・エスの坂詰氏に、「HKS GATE TOKYO BAY」をどのような場所にしていくのか話を聞いてみた。

――HKSが「A PIT AUTOBACS SHINONOME」内に店舗をオープンさせた狙いを教えてください。スポーツカーをはじめ、一般のお客さまのチューニングに対するハードルを下げるという思いがあるのですか?

坂詰さん 一括りで言うとそうなります。HKSは様々な製品を通じてこれまで一貫して『チューニングはちゃんとした方法でやれば車にダメージを与えずに楽しめる』ということを発信してきました。それを一層多くの方にお伝えしたいと考えています。

チューニングはお客さまが望めばどんなことでもできますが、一方で車は機械です。セオリーから反することを行えばトラブルも起きやすくなる。逆にきちんとやれば安心して楽しめる。そこをお伝えできれば、チューニングに興味をもっていただける方も増えるでしょうから。

――坂詰さんのこれまでのご経験で、車をいじることに興味はあるけれど、誰に何を相談したらいいかわからず、踏み出せないでいる人は多いと感じていますか?

坂詰さん はい、感じています。この仕事に携わってそれを感じる部分もありますし、私が学生の時などチューニングはどちらかというと危ない話も多かったので。

そのイメージを今でもおもちの方もいるでしょう。また、経験がない人だと具体的な相談の手前で「何からやったらいいのかわからない」という人もいらっしゃいます。

私たちは2004年からオートバックスさんと一緒に、お客さまが安心・安全にチューニングライフを楽しめるB.B.tuneを展開しました。私たちは単にチューニングで性能を上げるだけでなく、“その車がどう生きるか”を考えて開発を行っています。

これを実現するためには開発者の技量はもちろん、マーケットからのフィードバックも重要になります。我々がお客さまにお伝えしたいこともありますし、逆に我々がお客さまから勉強させていただくこともあります。

「HKS GATE TOKYO BAY」は我々とお客さまの架け橋にしたい。そういう意味を込めて“GATE”という言葉を使いました。

――店舗には展示されるパーツとして6車種の名前が上がりましたが、「HKS GATE TOKYO BAY」でチューニングの相談ができるのはこの6車種に限られるのでしょうか?

坂詰さん 車種に関してはHKSで扱うすべての車種をこちらで対応します。車種を絞るのではなく、あらゆるお客さまのチューニングをサポートしていけたらと考えています。

――「HKS GATE TOKYO BAY」ではどんなチューニングの依頼が多くなると予想していますか?

坂詰さん これは実際にお客さまと話してみないとわかりません。内容もこちらから提案することもありますし、お客さまから「こんなふうに楽しみのだが、どうすればいい?」という相談を受けることもあるでしょう。

私は、エアフィルターを替えたい、プラグを交換してみたい、いつもと違うオイルを使ってみたいというのもチューニングを楽しむ一歩だと思っています。でもインターネットだとお客さまにこういう話をするのは案外難しいと思っています。

これまでチューニングには足を踏み入れなかったけれども、まずはライトに楽しみたいという人からディープなお客さままで、実店舗で様々なお客さまにチューニングの面白さをお伝えしていきたいですね。

――店舗を訪れて、実際にチューニング作業に入るまで、どのような流れになるのですか?

坂詰さん お客さまとお話しする際はご来店いただくことが前提になりますが、もちろん電話などでの問い合わせもお受けいたします。

また、店舗でいろいろお話をさせていただいた後に、納期など細かい部分を電話やメールなどで詰めていくということもあると思います。

「HKS GATE TOKYO BAY」は「A PIT AUTOBACS SHINONOME」内の店舗ですので、チューニング作業はこちらのピットで行います。

ピットの混雑状況により変わってきますが、ライトなものは当日の作業、チューニング内容によってはお車をお預かりしての作業になります。このあたりも店舗にお越しいただいた際に、お客さまと相談できればと考えています。
 

A PIT AUTOBACS SHINONOME▲A PIT AUTOBACS SHINONOMEのピットはモノトーンで統一され清潔感がある
文/高橋満(BRIDGE MAN)、写真/奥住圭之
高橋満(たかはしみつる)

インタビュアー

高橋満

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。愛車はフィアット500C by DIESEL