平田の家+布施 茂(前編)
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2010/06/08

コンクリートとガラスに囲まれた愛車とともに過ごすための家
ダークトーンのコンクリートで構成された住宅のなかに一歩足を踏み入れると、ガラスに囲まれた不思議な空間が現れる。浮遊感のある居住スペースは、まさに愛車と暮らすために創造されたものといえる。
美術館設計のノウハウを一般住宅に反映
千葉の中心地から東京都心へ向かう幹線道路。そこから一本裏の路地に入ると、幹線道路の喧騒が嘘のように静かな住宅街となる。周囲は、長い築年数を感じさせる家々が並ぶが、角を曲がった瞬間に、一際目を奪う外観をもつ住宅が正面に現れた。
角地に建ってはいるが、道路に対して水平ではなく斜めにオフセットすることで、クルマの出入りを容易にするとともに、インパクトのある佇まいを実現している。
見上げると、建物を水平にカットしたようなガラスエリアに目が奪われる。道路に面した2方向、そして真裏に当たる面を含む3方向をガラスで囲む造形は、一般住宅というよりも、美術館やショールームといった印象だ。華美な印象こそないが、ダークトーンのコンクリート壁面とガラスエリア、そして正面の引き戸が織り成すコントラストが、独特の雰囲気を醸し出している。
設計を担当した建築家は、布施茂さん。武蔵野美術大学の教授でもある布施さんは、じつは一般住宅よりも美術館などの設計を多く手掛けてきた。代表的な作品に群馬県立美術館があるが、ここは来場者の動線を巧みにガラスエリアで構築することにより、従来にはない革新的な造形を持っていることが特徴だという。
今回訪れた住宅は、そのノウハウを一般住宅に反映させた、じつに興味深い「作品」なのである。

平田の家 建築家・布施 茂
一級建築士事務所 fuse-atelier
tel.043-296-1828 http://www.fuse-a.com
所在地:千葉県市川市 主要用途:専用住宅 家族構成:夫婦
構造:RC造 規模:2階建 敷地面積:86.32㎡ 延床面積:95.70㎡
設計・監理:一級建築士事務所 fuse-atelier/布施 茂
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・木村 博道 photos / KIMURA Hiromichi
構成・石井 隆 editorial / ISHII Takashi

上階のフロアを交互に組み合わせたこと、3面にわたる窓から差し込まれる自然光によって、明るく開放的な印象のガレージが完成する。隣のリビングとは、ガラスで仕切ることができ、それにより、一体感がありながら別空間ともなる

リビング奥からガレージを見たカット。中央の仕切りガラスがなくなるだけで、リビングにいながらにして愛車と濃密な時間を過ごすことができる

ガレージの扉は横に移動させる引き戸タイプ。モノトーンな建物と、アルファGTVの鮮やかな赤いボディが見事に調和する
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