国土交通省は奈良県において、自動車保有に関係する手続のワンストップサービス(OSS)を7月から開始すると発表した。先行して自動車販売協会連合会奈良県支部の協力のもと、4月より同支部会員販売店の社用車などの一部手続きを対象に試行運用する。

OSSは自動車を保有するために必要な多くの手続(検査・登録、保管場所証明、自動車諸税の納税など)をオンラインで一括して行うもの。国民負担の軽減及び行政事務の効率化などが目的で、型式指定車(国がサンプル車を審査済みの量販車)の新車新規登録が対象となっている。

現在導入されているのは1都1府8県で、東京・神奈川・愛知・大阪が2005年から、埼玉・静岡が2006年から、岩手・茨城・群馬・兵庫が2007年から開始している。申請のために窓口へ出向く必要がなくなるため、運輸支局が遠方にある新車ディーラーなどでは格段に手間が短縮される。

当初は2011年時点で利用率90%を目指していたものの、2008年時点で新規登録件数におけるOSSの割合は10都府県合計で1.28%に留まるなど、長らく利用率は低迷していた。しかし2011年10月には50%を超え、増加している。

OSSは現段階でも試験運用の形をとっており、国土交通省はまず対象地域を拡大することを目的としている。なお導入前は新車新規登録だけでなく、継続検査(保安基準適合証有り)の導入も目標としていたが、こちらは現時点で目処が立っていない。

型式指定を受けている新車であれば、個人でも手続きすることは可能。なお軽自動車は対象外となっている

型式指定を受けている新車であれば、個人でも手続きすることは可能。なお軽自動車は対象外となっている