※この記事はカーセンサー関東版41号(2000年11月2日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

しなやかな足とリニアな手応えで理想的なスポーツカーになった

  • マツダ RX-7 走り|ニューモデル試乗
  • マツダ RX-7 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑走りは非常にダイレクト感が強く、よい緊張感が漂うスポーツモデルに仕上げられている(左)ボディカラーは専用のスノーホワイトパールマイカ。175台の限定モデル(右)
精度の向上が、今回のRX-7改良の大きなテーマだ。メカニズム面の改良としては、パワステ特性を変更しステアリングフィールを向上させている。また、ABSの制御を16ビット化とし、きめ細やかな作動とした。さらに、EBD(電子制御制動力配分システム)を追加することで制動配分を最適化しブレーキング時の安定性を高めた。また、ダンパーは減衰力をわずかに落とすことで、よりしなやか感のある足の動きを実現している。

結果、走りはスポーツモデルとして理想的な高い質感を伴うものとなった。ステアリングの手応えはよりリニアになり、足回りも不快な衝撃をうまく和らげながらも、スポーツ性と両立した味つけとなった。ロードスターもそうだったが、フィット感が抜群に良くなった。つまり、走りのマシンとして精度が向上したと言える。

まさに「名刀」。復活したRZは究極のRX-7!

  • マツダ RX-7 インパネ|ニューモデル試乗
  • マツダ RX-7 ストレージボックス|ニューモデル試乗
↑メーターはマツダ車共通のホワイトとなり、照明もアンバーに変更されている(左)RZは2シーターゆえ、リアシート部分にストレージボックス(小物入れ)を用意する(右)
注目は、2シーターのスパルタンモデル「RZ」の復活だ。タイプRSに比べ10Okg軽量化されたボディに、レカロシート、BBSホイール、ビルシュタイン製ダンパーなどを備える。

RZは、今回の改良による精度の向上に加え、さらに鋭い切れ味を味あわせてくれる。メカニズム部分は足回りの設定以外はRSと大差ないが、体感としては非常にダイレクト感が強く、緊張感の漂うスポーツモデルらしい感覚。まさに「名刀」だ。

開発者自身が以前から出したかったこのモデルが、限定ではあるがようやく現実になった。つまりこのRZは、RX-7の究極の姿。乗りこなすにもそれ相応の覚悟が求められる。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード タイプRZ
駆動方式 2WD
トランスミッション 5MT
全長×全幅×全高(mm) 4285×1760×1230
ホイールベース(mm) 2425
車両重量(kg) 1270
乗車定員(人) 2
エンジン種類 直2ロータリー+ターボ
総排気量(cc) 1308
最高出力[ps/rpm] 280ps/6500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 32.0kg-m/5000rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/76
車両本体価格 399.8万円

河口まなぶの責任採点

コンセプト 5点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 3点
後席居住性 ー点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 3点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 79/100
(Tester/河口 まなぶ Photo/渡邉 英昭)