ミニ ジョンクーパーワークス ロードスター|ニューモデル試乗

普段はイージードライブが可能で、サーキットではMTと変わらぬ興奮度で走れるんだから、ほとんど文句なし! 唯一の不満はステアリングのシフトスイッチになじめないこと。普通のパドル式にしてほしい

MTより速く走れちゃうかもよ!?

程よいヤンチャ感で絶妙なテイスト

正直に告白すると、以前はゴーカートハンドリングを演出するあまり、バランスが変なところがあって好きになれなかったミニだが、最近は徐々に進化をみせ、逆に程よいヤンチャ感を持たせている絶妙なテイストに感心するばかりだ。

今回はカタログモデルとしては最強のJCWにATが加わったということで、サーキットで試乗したのだが、その思いは一層強くなった。

ATでも楽しさ変わらず

ハンドリングはたしかにスポーティでチャキチャキッと曲がっていく感覚があるが、サスは硬くしすぎておらず、意外とストロークする。

コーナーではロールもそれなりにするから、左右の荷重差が出て、完全に直進状態に戻る前にアクセルを踏んでいこうとすると、強力なターボパワーにフロントタイヤが悲鳴を上げることに。かまわずアクセルを踏み続けるとホイールスピンを起こしたりもするのだ。もう少しトラクションがかかったほうが速く走れるとも思うのだが、このじゃじゃ馬っぽいところが面白い。とくにワインディングでは、ビタビタッとタイヤが食いつく優等生よりもヤッテル感が強くて興奮するのだ。

ATとなってもトルコン式としてはダイレクト感やスピーディなシフトが実現されているので、楽しさが目減りしているとは思えない。それどころか、シフトやクラッチの操作から解放されたことで、ブレーキングやハンドリングに集中できるのは大きなメリット。

試乗した日は、ウエットとドライが入り交じった難しいコンディションだったから、MTよりも速く走れてしまうほどなのだった。

JCWクラブマン。ATモデルの追加に合わせてエンジンも改良、バルブトロニックや直噴技術が採用された

JCWクラブマン。ATモデルの追加に合わせてエンジンも改良、バルブトロニックや直噴技術が採用された

黒基調でスポーティにまとめられたインテリア。レカロ製スポーツシートなど多彩なオプションを用意

黒基調でスポーティにまとめられたインテリア。レカロ製スポーツシートなど多彩なオプションを用意

加速力をさらに高める「スポーツボタン」をシフトの根元に配置。JCWモデルでは標準となる

加速力をさらに高める「スポーツボタン」をシフトの根元に配置。JCWモデルでは標準となる

SPECIFICATIONS

グレード ROADSTER
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 3745×1685×1385
ホイールベース(mm) 2465
車両重量(kg) 1260
乗車定員(人) 2
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1598
最高出力[ps/rpm] 211/6000
最大トルク[N・m/rpm] 260/1750-5500
車両本体価格(万円) 464
Tester/石井昌道 Photo/郡大二郎