▲近所への買い物からサーキット走行まで万能にこなすカレラ4。ターボ化されたことは心情的には寂しいものの、その自然なフィーリングを体感し、燃費の向上を確認すれば、これが進化と認めざるをえなくなるはず。「スポーツカーのベンチマークは永遠に不滅です」 ▲近所への買い物からサーキット走行まで万能にこなすカレラ4。ターボ化されたことは心情的には寂しいものの、その自然なフィーリングを体感し、燃費の向上を確認すれば、これが進化と認めざるをえなくなるはず。「スポーツカーのベンチマークは永遠に不滅です」

またもや「最新は最善」を守りきった新型カレラ4

RWDに続いて4WDの911カレラ4/カレラ4Sにもビッグマイナーチェンジが施され、水平対向6気筒の3Lターボエンジンが搭載された。生まれ変わったカレラ4系は前車軸に置かれたトルク配分デバイス(多板クラッチ式)の制御方法が従来の電子機械式から911ターボ系と同じ電子油圧式に置き換えられ、より緻密なトルク制御が可能になった。

この結果、スタビリティ・プログラムはより深いドリフトアングルを許容できるように改良を受けたという。その、アプローチアングルを拡大するためのフロントアクスルリフトシステムがオプション設定されている。さらにカレラ4Sにはターボ系に用意されている4WSのリアアクスルステアリングもオプション設定されるようになった点が目新しい。

もっとも、今回の試乗コースは南アフリカの平原を坦々と進む一本道が中心で、残念ながら4WDシステムの進化やリアアクスルステアリングの効果を実感できるチャンスには恵まれなかった。そうしたなか、はっきりと確認できたのが足回りの変化。

乗り心地面の話題に限られてしまうのだが、カレラ4/カレラ4Sともに姿勢変化は少なめながら快適性も十分確保されているという方向に進化を果たしていた。ちょっと大げさにいえばカレラ4GTSのテイストに近づいたといえばいいだろうか。

ターボ化されたエンジンはそうと聞かされなければ気づかないほど素直な特性を持つ。「最新は最善」は今回も守られたようだ。

▲ターボから受け継いだPTMで駆動配分を制御。新4WDシステムにより後輪駆動モデルより優れた加速性能を得た ▲ターボから受け継いだPTMで駆動配分を制御。新4WDシステムにより後輪駆動モデルより優れた加速性能を得た
▲テールパイプはリア中央に配された。こちらは370ps/450N・mの3Lターボを積むカレラ4 ▲テールパイプはリア中央に配された。こちらは370ps/450N・mの3Lターボを積むカレラ4
▲スポーツクロノパッケージを選択すると、918由来のモードスイッチを備えたステアリングが備わる ▲スポーツクロノパッケージを選択すると、918由来のモードスイッチを備えたステアリングが備わる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Carrera4S ■乗車定員:4名
■エンジン種類:水平対向6DOHC+ターボ ■総排気量:2981cc
■最高出力:420/6500[ps/rpm]
■最大トルク:500/1700-5000[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4499×1852×1298(mm) ■ホイールベース:2450mm
■車両価格:1712.1万円

text/大谷達也
photo/ポルシェ ジャパン