今なら100万円以下で狙える! 絶滅危惧車のMDXは、“走れて映える”フルサイズ3列シートSUVだ
2019/07/20
▲今回紹介するのはホンダ MDX。この車を知っている方は相当な車好きだろうカナダ生まれのホンダ車
たった3年間しか輸入されなかった、ホンダ MDXをご存じの方は結構な車好きだと思う。
2代目北米オデッセイ(日本名:ラグレイト)がベースのSUVだった。
開発はホンダR&Dアメリカズで、生産はカナダで行われていた北米市場向けの車だった。
北米でのデビューは2001年で、日本に輸入されたのは2003年のことだった。
この頃は世界的にSUVの台頭が目覚ましい頃だった。
かつてクロカンベースのSUVが主流だったが、この頃から乗用車ベースのSUVの投入に各社が躍起になっていた。
早い話、4WDでオフロードの走行性能も確保しながら、オンロードの走行性能が従来のSUVと比較すると劇的に高められてきた。
思い起こせばトヨタ ハリアーくらいからSUVは乗用車っぽい走りになり、BMW X5から高級車ブランドがこぞってSUVを投入するようになった。


見た目だけじゃない! 走りも本格的
MDXはラグレイトの3.5L V6エンジンを大幅に改良したもので、可変吸気システムを備え最高出力260ps、最大トルク35.2㎏-mを誇り、トランスミッションは5速ATが組み合わされた。
ラグレイトでも好評だったV6エンジンは、SUVには似つかわしくないほどエンジンが回ると魅惑的な美音を奏でるものだった。
それでいて静粛性は高く、アイドリング時の振動の少なさが際立っていた。
それまで簡易的な4WDシステムしかもっていなかったホンダだが、MDXのために「VTM-4」という画期的な4WDシステムが投入された。
VTMは“バリアブル・トルク・マネージメント”の略。
これは路面状況や走行シーンに応じて、前後のトルク配分を100:0から50:50まで無段階に電子制御する優れものだった。
▲搭載されるエンジンは NAの3.5L V6で、最高出力260ps/5800rpm、最大トルク35.2kg-m/3500rpmを発生する
▲VTM-4ロックスイッチを入れると、駆動力の配分を前後輪でほぼ50:50で固定。ぬかるみなどからの脱出性が向上する大きなボディは日本市場には合わなかったか……
ホンダ MDXは、2003年から北米市場向けの最上級モデルに相当する「エクスクルーシブ」という1グレードが1700台限定で販売された。
本革シート、カーナビ、リアシート用TV&DVDモニター付き、という当時では豪華仕様だった。
新車時価格は485万円となかなか高額だった。なんせメルセデス・ベンツ ML320の価格が520万円~だった時代だ。
北米ではホンダの高級ブランド「アキュラ」のMDXとして販売され、大ヒットした。しかもSUVで3列シートは、当時珍しい存在だった。
北米での成功もあり、SUVの人気が高まっていた日本でも“お試し”として投入したのかもしれない。
2004年からは廉価モデルが日本でも導入されるも、2006年には絶版となった。なお、北米では3代目となるMDXが販売されている。
ボディサイズは全長4790㎜×全幅1955mm×全高1820㎜と、同時期のランドローバー レンジローバーほどのサイズだった。コンパクトサイズがもてはやされる日本ではなかなか難しかったのだろう。
MDXのハンドリングも加速も、車両重量2トンオーバーとは思わせない軽快さで、SUVとしての出来栄えは高評価だった。
ただ当時、ライバルの“上級”SUVと比較すると内装がややチープに感じられたことは否めない。
▲本革や木目調パネルを多用しプレミアム感を演出というが、同時期のライバルに比べるとチープに感じてしまう
▲大きなボディを生かすとともに、低床化やエンジンのコンパクト化を行うことで、3列7人乗り乗車を可能にした絶版になってから、16年が経っていることもあって、原稿執筆時点(2019年7月15日)でカーセンサーnetに掲載されている物件はたったの6台しかない。
約50万~80万円でフルサイズSUVが狙えると考えたら魅力的だ。
日本で何台現存しているかは不明だが、MDXは高級SUVが溢れる都心部でも埋もれないばかりか、注目度が高い。
差別化を図れる、という意味でも買い、だと思う。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▲流通台数は少ないが100万円以下でも十分に狙えるフルサイズSUV。ぜひチェックしてみてほしい▼検索条件
ホンダ MDX(初代)×全国
自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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