▲世界的にも人気がある!? ピックアップトラック。北米では人気ナンバー1なのはもちろん、先日BMWがX7をベースにしたワンオフモデルのピックアップトラックを発表した(販売は未定)。ライバルのメルセデス・ベンツは既にXクラスとしてピックアップトラックを欧州で販売している▲世界的にも人気がある!? ピックアップトラック。北米では人気ナンバー1なのはもちろん、先日BMWがX7をベースにしたワンオフモデルのピックアップトラックを発表した(販売は未定)。ライバルのメルセデス・ベンツはすでにXクラスとしてピックアップトラックを欧州で販売している

本気でアウトドアを楽しみたい人にオススメ

ゆる~く、でも根強く続いているピックアップトラックのブーム。

SUVが人気となってはや20年以上、もはや「アウトドアなんか行かないよ」と言わんばかりに2WDのSUVもたくさん登場している。

そんな中でもやっぱり荷台にボードをガンっと載せ、ザザッと砂埃を上げて止め、パッとボードを手にして海へ走る、みたいな「遊び車」としてのピックアップトラックに惹かれる人も多いハズ。

ピックアップトラックが商用車イメージだったのはもう過去の話で、今流行りのスマートなSUVに対して、無骨なSUVという立ち位置といえるだろう。

海や山だけでなく、街中でも「カッコいい」と誰もが認めるんじゃないだろうか。

そうした状況もあってか、一時絶滅していた国産ピックアップトラック(軽トラを除く)だけど、2014年8月にトヨタ ランドクルーザー70が1年間限定で復活した。

次いでトヨタ ハイラックスが2017年に登場し、今も販売が続けられている。ブームに合わせ、ゆる~く、途切れないようにという具合に。

確かに「新車で購入する」という時間軸で区切れば、今はハイラックスしかないけれど、「中古車を購入する」なら、国産車や正規輸入車だけでも意外と選択肢が広がる。

今回は、2010年式以降の物件が探せるダブルキャブ(5人乗り)のピックアップトラック(平行輸入車を除く)に絞ってみたが、それでも4車種が該当した。

比較的新しい4台ゆえ今乗っても十分快適だし、5人乗れるから家族や仲間とアウトドアライフも楽しめる。

ピックアップトラックは普通貨物自動車として登録され、今回紹介する4台はサイズ的に1ナンバーとなる。

車検は毎年になるが、自動車税が安いなど税制上のメリットもある。

着いた先で料理やベッドまで用意されているグランピングなんて邪道! なんて思う人にはぜひ検討してほしい。

タイから逆輸入されたアーバンスポーツ
三菱 トライトン(初代)

▲従来のカクカクとした国産ピックアップトラックのイメージとは異なり、精悍な顔つきのフロントグリル。キャビン後端が下にいくほど巻き込まれるようなカーブを描くなど、全体に丸みを意識したデザインに▲従来のカクカクとした国産ピックアップトラックのイメージとは異なり、精悍な顔つきのフロントグリル。キャビン後端が下にいくほど巻き込まれるようなカーブを描くなど、全体に丸みを意識したデザインに
▲全長は今回の4台の中で唯一5mを切る4995mm。ただし全幅は1800mmだ。ベッド(荷台)の最大積載量は400kg。荷台高485mm×床面幅1080mm~1470mm×奥行き1325mm。荷室床面高は850mm▲全長は今回の4台の中で唯一5mを切る4995mm。ただし全幅は1800mmだ。ベッド(荷台)の最大積載量は400kg。荷台高485mm×床面幅1080mm~1470mm×奥行き1325mm。荷室床面高は850mm


もともとピックアップトラックの需要の多い東南アジア向けに、タイで2005年に発表された三菱 トライトン。

ところが日本国内でもマリンスポーツやウインタースポーツなどで使いたいという声が高まり、2006年に日本への導入も決まった。

その際トライトンを「アーバンスポーツピックアップ」と銘打ったのは、そうした国内ニーズを意識したせいだろう。

3.5LのV6エンジンを搭載し、4速ATが組み合わされる。走行中に2WD/4WDの切り替えが可能なイージーセレクト4WDを搭載。最低地上高は205mmを確保し、悪路での走破性が高められている。

海外向けの商用車とはいえ、日本仕様ではオートエアコンやキーレスエントリーといった乗用車的装備や、センターコンソールには外気温や方位などがわかるディスプレイが備わる。

2010年のマイナーチェンジではオートクルーズコントロール機能が追加された。

新車時の車両本体価格は294万円。原稿執筆時点(2019年7月19日:以下同)では19台が見つかり、そのうち2010年式以降は3台で、支払総額約130万円から見つけられる。

▼検索条件

三菱 トライトン(初代)×2010年式以降×全国

本場ならではのSUV色濃いめのピックアップ
フォード エクスプローラースポーツトラック(初代)

▲コンパクトといっても、エクスプローラーのホイールベースを425mmも伸ばしてベッドを作ったボディは全長約5.4m。日本では十分迫力があるピックアップトラックだ▲コンパクトといっても、エクスプローラーのホイールベースを425mmも伸ばしてベッドを作ったボディは全長約5.4m。日本では十分迫力があるピックアップトラックだ
▲剛性や防水性に優れた複合素材のベッドは、3ヵ所の収納や前後分割可動でロックもできるハードトノカバーを標準装備。サイドにはタイダウンフックが付き、実用性だけでなくデザインアクセントにもなっている▲剛性や防水性に優れた複合素材のベッドは、3ヵ所の収納や前後分割可動でロックもできるハードトノカバーを標準装備。サイドにはタイダウンフックが付き、実用性だけでなくデザインアクセントにもなっている


2007年に日本に導入された、フォード エクスプローラースポーツトラック。

同社にはF150シリーズという全米ベストセラー(文字どおりセダンやSUVなどすべての車の中で最も売れている)モデルがあるが、それよりもコンパクトなエクスプローラーをベースにしたピックアップトラックだ。

4LのV6エンジン×5速ATと、4.6LのV8エンジン×6ATがある。いずれもコントロールトラックAWDシステムを搭載。

オートを選ぶと通常は後輪駆動で、路面や走行状況に応じて前輪にも駆動を配分する他、雪道などで便利な4WDハイモードと、砂地や泥濘地などを走行する際に便利な4WDローモードが選べる。

ルーフレールが標準装備だし、室内の床面がラバー素材のため泥や汚れを簡単に落とせる他、ベッド内に12V電源ソケットも用意されているなど、アウトドアでの使用を見越したような装備が便利。

新車時の車両本体価格はV6モデルが398万円、V8が498万円。原稿執筆時点で25台が見つかり、そのうち2010年式以降は12台で、支払総額約180万円から見つけられる。

▼検索条件

フォード エクスプローラースポーツトラック(初代)×2010年式以降×全国

限定販売された人気のヘビーデューティ
トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ

▲ダブルキャビンの後席は3人がけの一体型ベンチシート。折り畳んでそこに荷物を載せることもできる。デフロックと電動ウインチはオプションで用意されていた。これらの装備が欲しい人は購入時に確認しよう▲ダブルキャビンの後席は3人がけの一体型ベンチシート。折り畳んでそこに荷物を載せることもできる。デフロックと電動ウインチはオプションで用意されていた。これらの装備が欲しい人は購入時に確認しよう
▲テールゲートを開けた際に垂れ下がってリアランプが隠れないように、ゲートをチェーンで水平位置に固定する。最大積載量は600kg▲テールゲートを開けた際に垂れ下がってリアランプが隠れないように、ゲートをチェーンで水平位置に固定する。最大積載量は600kg


1984年に誕生した70系ランドクルーザーの生誕30周年を記念して、1年間限定で販売されたのが、ランドクルーザー70バンとピックアップだ。

ランドクルーザーの中でも、ステーションワゴンモデルとされる現行200系や、ライトデューティの現行150系プラドではなく、トヨタジープBJ型の直系となるヘビーデューティの最新モデルがこの70系だ(最新とはいえ30年以上前からあるモデルだけれど)。

4.6LのV6エンジンに5速MTのみの組みあわせで、海外向けエンジン流用のためハイオク仕様となる。

パートタイム4WDでH2(2WD)/H4(通常走行の4WD)の切り替えは走行中でも可能だが、悪路を走る際に必要になるL4(4WD)を切り替える際は車を停止させなければならないし、確実に4WDにするためにはフロントのフリーホイールハブをロックする必要があるなど、へビーデューティならではの「儀式」がいくつも必要。ただ、そんな儀式がユーザーを萌えさせる。

新車時の車両本体価格は350万円。原稿執筆時点で34台が見つかったが、いまだに人気が高く、支払総額約310万円から。中には走行距離5000km未満の物件も見つかる。

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザー70ピックアップ×全国

昔の「ハイラックス」より二回り大きい
トヨタ ハイラックス(現行型)

▲上級グレードのZには歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキが標準装備されている(2019年の一部改良でさらに機能が進化&充実)など、最新装備を多数備える▲上級グレードのZには歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキが標準装備されている(2019年の一部改良でさらに機能が進化&充実)など、最新装備を多数備える
▲荷台の最大積載量は500kg。荷台高480mm×床面幅1105mm~1380mm×奥行き1565mm、荷室床面高は845mm。後席の座面を跳ね上げるとちょっとした荷物置き場も作れる▲荷台の最大積載量は500kg。荷台高480mm×床面幅1105mm~1380mm×奥行き1565mm、荷室床面高は845mm。後席の座面を跳ね上げるとちょっとした荷物置き場も作れる


同じトヨタでもランクル70は国内製造だったが、ハイラックスはタイで製造され逆輸入される形で2017年から国内販売が始まった。

国内で「ハイラックス」ブランドが復活したのは13年ぶりだが、その頃のハイラックスより二回りは大きく、全長5335mmm×全幅1855mmとランクル70よりちょっと幅もある。

パワートレインは、2.4Lのディーゼルターボエンジンに6速ATの組みあわせ。

パートタイム4WDなので、ランクル70同様L4(4WD)に切り替えるには車を停止してから行う必要がある。ただしH2/H4/L4の切り替えはギアではなくダイヤル式だし、フロントホイールをロックする必要もないなど、ランクル70と比べればややカジュアルだ。

加えて上級グレードのZには、4WD時に車輪が空転すると自動的に他の車輪に駆動力を配分するアクティブトラクションコントロールや、悪路を降りる際に車速を自動制御してくれるダウンヒルアシストコントロールを標準装備。最新のSUVらしい機能性も備える。

新車時の車両本体価格はXが326万7000円、Zが374万2200円。原稿執筆時点で140台が見つかり、走行距離は3万km未満がほとんどだ。支払総額で約320万円から選ぶことができる。

▼検索条件

トヨタ ハイラックス(現行型)×全国

トライトンやエクスプローラースポーツトラックは4WDへの切り替えが容易で、ランクル70やハイラックスは走行距離の少ない中古車を選べる。予算や好み、どのように乗りこなしたいかによって車種を検討してみてほしい!

文/ぴえいる、写真/三菱、GM、トヨタ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。