▲これが今年の練習マシンであるマツダ ロードスター(ND型)だ。編集部・河瀬の愛車だが、あの手この手でそそのかし、ついにサーキットに持ち込むことができた。今後どのような酷い扱いを受けるのかは知る由もないが、はっきり言えることは「今この時点では傷一つないピカピカなドノーマルマシン」ということ ▲これが今年の練習マシンであるマツダ ロードスター(ND型)だ。編集部・河瀬の愛車だが、あの手この手でそそのかし、ついにサーキットに持ち込むことができた。今後どのような酷い扱いを受けるのかは知る由もないが、はっきり言えることは「今この時点では傷一つないピカピカなドノーマルマシン」ということ

今年のメディア4耐、俺たちどうするよ!?

メディア4耐とは毎年9月に筑波サーキットで開催される「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」のこと。

マツダ ロードスターで4時間走り周回数を競う、今年で29回目を迎える伝統的なレースだ。昨年は26チームが参加し、182周を走り抜いた「J-WAVE」チームが優勝。

我々「カーセンサー/カーセンサーEDGE」チームは、164周時点でガス欠リタイアという大失態を演じた。

レースなので、速く走らせることに加え、完走するための燃費を考慮したドライビングテクニックも必要。ドライバーの高度な技術とチーム戦略が要求される。

ここ数年、弊誌チームは自慢できる結果を残せていない。

「いいかげん、自慢できる結果が欲しいよね」ということで、プライベートでロードスターを転がしている編集部員の河瀬をそそのかし、3月末に袖ヶ浦フォレストレースウェイへ練習に向かった。

思えば一昨年、2016年はCERC(Carsensor Editors Racing Club)と称し、本気でレースに挑んでいたっけ。

さぁ、……シーズン2の始まりだ。

 
▲サーキットに到着したときはまだ数台しかおらず「これは走りやすいぞ」とテンションも高めだったのだが…… ▲サーキットに到着したときはまだ数台しかおらず「これは走りやすいぞ」とテンションも高めだったのだが……
▲スポーツ走行時間が迫ってくると、ご覧のとおり。強者たちが続々と集まってきた。スポーツ走行は、そのサーキットのライセンスを取得(講習会受講とライセンス申請費用が必要)し、走る走行枠分だけチケットを購入(袖ヶ浦フォレストウェイは平日30分3600円)すれば、誰でもどんな車でも走ることができる ▲スポーツ走行時間が迫ってくると、ご覧のとおり。強者たちが続々と集まってきた。スポーツ走行は、そのサーキットのライセンスを取得(講習会受講とライセンス申請費用が必要)し、走る走行枠分だけチケットを購入(袖ヶ浦フォレストウェイは平日30分3600円)すれば、誰でもどんな車でも走ることができる

ちょっと待て。周り、スゴイ車ばっかりなんすけど……

今年初の練習は、編集部員の大脇と「犠牲車」のオーナー河瀬の2名。

平日の真昼間だから空いているだろうと思ったが、「走る気マンマン」オーラを放つ車両や、普通に反則級の速さを誇る「輸入車系スポーツカー」がチラホラ。

先ほどまでやる気をみなぎらせていた河瀬の顔色がみるみる変わっていく。「先に走っていいよ……」とおじけづく河瀬に、遠慮なく大脇がコースイン!!
 

▲コースイン時間が来るのをウロウロしながら待っている大脇。憧れのドリキンこと、土屋圭市氏から頂いた職人パーカーを着て他人の車でやる気満々 ▲コースイン時間が来るのをウロウロしながら待っている大脇。憧れのドリキンこと、土屋圭市氏から頂いた職人パーカーを着て他人の車でやる気満々
▲河瀬の順番がやってくると、これから本番のレースにでも出るのか? というくらい真剣なまなざしで何かを見つめている……。ただ、練習とはいえ、速度や技術が異なる車両と混合で走る場合はキケンも伴う。真剣な気持ちで臨むことが重要だ ▲河瀬の順番がやってくると、これから本番のレースにでも出るのか? というくらい真剣なまなざしで何かを見つめている……。ただ、練習とはいえ、速度や技術が異なる車両と混合で走る場合はキケンも伴う。真剣な気持ちで臨むことが重要だ

スポーツ走行時間は1枠30分。同時に走る車は、車格もパワーもドライバーの腕も実に様々。

ざっと見渡したところ「犠牲車(ドノーマルのND型ロードスター)」よりも車両スペックが劣る車はいない。この時点で “一番遅い車”はもはや誰の目から見ても明らか。

車はすごいけど運転が下手なドライバーだったら……という淡い期待も1周目で無残にも砕け散った。

全速力で走っても前の車はどんどん離れていくし、気づけばあっという間に前の車は見えなくなり完全に一人旅状態に。

と思えば、後方から迫りくる車両がチラリと見えた瞬間、コーナーを2つほど抜けたところで、あっさりと抜かれてしまう。なんちゅう速さだ……。

次の走行枠でコースインした河瀬もバンバン抜かれていく。というか外から見ていると笑えるくらい遅い。もはや大人と子供のリレーを見ているかのようだった。
 

▲バンバン抜かれる。ストレートはもちろん、あらゆるコーナーで抜かれていく。まずは抜かれ上手になるのも必要だよね、と割り切っているかのような攻めてないライン取り…… ▲バンバン抜かれる。ストレートはもちろん、あらゆるコーナーで抜かれていく。まずは抜かれ上手になるのも必要だよね、と割り切っているかのような攻めてないライン取り……

速い遅いではない、人はやっぱり追いかけっこが好きなんだ

小学生や中学生のころ、運動会のリレーは楽しかった。男子も女子も保護者達もみんなで盛り上がった。走っていても見ていても、勝っていても負けていてもワクワクするあの感覚。

サーキット走行はその感覚を思い出す。やはり大人になっても追いかけっこは楽しいのだ。

「!!!……壊れている?」

なんと、タイムラップ計が故障。走行タイムが確認できないことに気づき思わず天を仰ぐ2人。

ピットから見える西の空が赤く染まり始めていた。第1コーナーに向かって侵入していく車のブレーキランプを眺めながら、帰り支度をするヘタレ2人。

次回こそ「真剣にやる!」(今回も真剣でしたが)と心に誓い、今年初の練習を終えたのだった。
 

▲気づいたら何も計っていなかったラップタイマー……。まあ、今回は恥ずかしいタイムを記録していなかったことに、逆に感謝でもしておくか ▲気づいたら何も計っていなかったラップタイマー……。まあ、今回は恥ずかしいタイムを記録していなかったことに、逆に感謝でもしておくか
▲「楽しかったけど、なんだか疲れたよ……」片づけをしながらそうつぶやく河瀬。まあ、また来ようぜ、練習はまだ始まったばかりだ! ▲「楽しかったけど、なんだか疲れたよ……」片づけをしながらそうつぶやく河瀬。まあ、また来ようぜ、練習はまだ始まったばかりだ!

【CERCシーズン2とは】
2016年に弊誌カーセンサーで連載していた『CERC』、 Carsensor Editors Racing Club(カーセンサー・エディターズ・レーシング・クラブ)の続編である。

結成時のメンバーは、発起人である当時のデスクに、大脇と姉妹紙であるEDGE編集部員の安島を加えた3名という構成。今年からはさらにヘタレ度高めの新メンバーでお送りする。
 

text/編集部 大脇一成
photo:編集部