テリー伊藤が、超貴重なシボレー コルベアに遭遇!「何も語らず、純粋に楽しめる車」
2017/12/13
夢の倉庫で見つけた貴重な1台
今回は、「ヴィンテージ湘南」で出合ったシボレー コルベアについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
今回お邪魔したヴィンテージ湘南は、夢のような場所です。
秘密の倉庫にはフェラーリ 250テスタロッサのリクリエーションモデルや内装がすべてクロムハーツで仕上げられたトラック、僕が大好きなロールスロイス シルバークラウドのコーチビルダーモデルなどが所狭しと並んでいて、整備の順番を待っています。
僕ならこの場所に1週間は寝泊まりできますね。楽しい時間が過ごせそうです。
そんな中で、とても素敵な車を発見しました。1967年式のシボレー コルベアです。
倉庫にある車には、それぞれ輝かしいストーリーが存在します。ビンテージカーを買う人はそういうストーリーに惚れ込むんです。
言うなれば、車はもちろん、その車が背負った歴史を買うわけです。そういう車を手に入れた以上、オーナーはストーリーを人に語らないといけない。
ファッションでも、Gジャンにはファースト、セカンドとあって、マニアはその魅力を常に語る。でも、うんちくを語り出した時点で、もう不良じゃないんですよね。それより安いGジャンを何も語らず着ている方がカッコよかったりする。
コルベアも安いGジャンと同じで、語るべきストーリーがありません。いいじゃないですか。古い車はどうしても希少性や歴史などから商売のにおいが出てしまう。
ところがコルベアは漂わせるオーラの中に、商売っ気をまったく感じません。だからこそ純粋に車を楽しめる感じがします。
数年前、僕はジャガー Eタイプに乗っていました。Eタイプはストーリーを語る車の代表です。実際、Eタイプに乗っている姿がショーウインドウに映るとカッコいいんですよ。
でも最近、僕はその感覚が気恥ずかしくなってしまって。きっと僕がコルベアに乗っていても「この車なに?」と聞いてくる人はほとんどいないでしょう。
インテリアも素朴でいい。もともとの値段が高い車じゃないから、作りがシンプルなんですよね。国産車に例えるなら、トヨタ カローラや日産 サニーのようなもの。
アメ車といえばV8が標準なのに、これは空冷の水平対向6気筒です。きっと免許を取ったばかりの学生とかが乗っていたのでしょうね。
デザインはイタリアのカロッツェリアであるギア社が担当し、ボディはデトロイトのフィッシャーボディ社が製造。どことなく無国籍な感じがするのがたまらないですね。
インテリアもキレイですよ。シートに付いた金属パーツもお洒落です。大きさも日本で乗るのにちょうどいい。ミッションは2速ATですよ!
テリー伊藤なら、こう乗る!
前オーナーはアメリカのミシガンの方で暮らす年配の方で、自分でコツコツとレストアしながら長く大切に乗っていたといいます。ただ、事情があって手放すことになった。
たまたま社長がアメリカに行ったときにフリーペーパーの広告でこの車の存在を知り、すぐ日本に輸入したそうです。
国を問わず、オーナーの愛情が注がれた車は見ただけでわかるもの。このコルベアからも前オーナーの愛情がファンタジーとなって伝わってきました。
僕なら、コルベアを大切にしてここまで程度良く仕上げた前オーナーの意志を引き継ぎながらも、気を使わずラフに乗りたい。
カーナビやオーディオはスマートフォンで十分だし、エアコンもアメリカで販売されているキットを付けることができるそうです。1960年代の車だって案外普通に乗れると思いますよ。
シボレー コルベア
1960年から1969年まで製造されたコルベア。今回見つけたのは1965年からの第2世代で、排気量は2.7Lと当時のアメ車としてはかなりコンパクト。水平対向6気筒エンジンはリアに搭載され後輪を駆動するRR方式という技術的にも希少なモデル。日本で流通することはめったにない。
※2017年12月10日現在、カーセンサーnetでの流通はございません
■ テリー伊藤(演出家)
1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『白熱ライブ ビビット』(TBS系/毎週火曜水曜8:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。
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